近年注目されているビジネス用語の一つにオープンイノベーションという言葉がありますが、詳しく説明できる方は少ないかもしれません。
オープンイノベーションは「内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、イノベーションを創出する」という意味なのですが、実は近年ではオープンイノベーションという手法は多くの企業で採用され成果を出しているのです。
そこで今回はオープンイノベーションの定義や特徴などについてお伝えします。
オープンイノベーションとは
「オープンイノベーション」は2003年、 当時米ハーバード大学経営大学院の教員であったヘンリー ・ チェスブロウが提唱し、以下のように定義しました。
「オープンイノベーションとは、 組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組
織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである。」
オープンイノベーションが注目されるようになった背景には、クローズドイノベーションの限界が認識されるようになったためです。
2000年以前は、イノベーションの先進事例は欧米企業を中心に、自社内の経営資源や研
究開発に依存した「自前主義」体制から生まれたと言われており、自社の知的財産管理を優先し、徹底的に自社技術を保護するという体制が当たり前でした。
この背景には、研究開発機能は一般に取引コストが大きく、企業にとって内製化することが効率的という状況があったためです。
しかし、1990年代以降に日本の研究開発効率は急速に低下し、「クローズド」な環境によるイノベーションは限界を迎え、企業が内部資源のみによってイノベーションを生み出していくことの限界が明らかになりました。
このような背景があって、オープンイノベーションという概念は広まり、近年では研究開発から新事業創出まで「オープン」な環境で行われるようになっています。
日本におけるオープンイノベーションの取り組み
日本では1990年代後半から産学官連携等の文脈で主に大学などの研究機関が有する優れた技術をビジネス化することを目的としてオープンイノベーションが推進されてきました。
そして2010年頃から、大企業とベンチャー企業がお互いの強みを連携させ、新しい事業を作り出そうという動きが大企業から生まれ始めました。
さらに、現在では大企業が抱える大きなテーマや課題にベンチャー企業が応募する形でマッチングを実現するプラットフォームなども生まれ、ますますオープンイノベーションが浸透しています。
まとめ
オープンイノベーションは以下のように定義されます。
「オープンイノベーションとは、 組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組
織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである。」
- オープンイノベーションが注目されるようになった背景には、クローズドイノベーションの限界が認識されるようになったため
- 近年では研究開発から新事業創出まで「オープン」な環境で行われるようになっている
- 大企業とベンチャー企業がお互いの強みを連携させ、新しい事業を作り出そうという動きが大企業から生まれている
参考