近年、国を挙げて「働き方改革」が推奨されていますよね。そんな中で「業務改善」への注目度は増加の一途をたどっています。
業務改善が上手く進めば、社内環境が良くなるだけでなく、生産性が高まり会社の社会的な評価も改善すると期待できます。ただし業務改善が進まないと、業務効率化が進まないなどのマイナスの状況に陥り、いつの間にかビジネスシーンにおいて遅れをとる結果になります。そんな中で「業務改善って何をすればいいの?」「そもそも業務改善とは?」と漠然とした疑問や不安を持つ人もいるでしょう。
この記事を読めば、業務改善が身近に感じられ、業務改善を達成するために何をするべきか、が明確になってくるはずです。そして憂うつでマンネリ化していた業務に今までにない新鮮さと希望の光さえ差してくるかもしれません。
そこで今回は、業務改善の意味やメリットデメリットについて分かりやすく解説しつつ、業務改善のステップごとのとっておきのおすすめ書籍についてもお伝えします。
業務改善とは
業務改善とは、経営計画の目的達成のため、ヒト、モノ、カネなどあらゆる要素の問題を具体的に洗い出し、業務上の無駄をなくすべく各問題に応じた最適な対策を講じて確実な成果をあげることを意味します。
会社も生き物なので、常に良い状態を変わらず保つことはまず不可能ですよね。そんなときに、利益を出すために業務の内容を見直す必要があります。そこで部署やプロジェクトなど会社の一定の範囲内を対象として、ある経営計画の目的達成のために業務プロセスを見直して最適化を図ることが、「業務改善」です。
それらの問題を客観的で冷静な視点から浮き彫りにし、設定した目標に向けて仕組みや仕掛けを変えていくことで、品質の向上、コストの削減、その他業務の効率化を確実に実践していくことが「業務改善」です。そしてそれらの動きが現実に即して成果につながっているかを検証し、足りない面はさらに創意工夫による変化を繰り返し施します。
もちろんこれは口で言うほど簡単なことではなく、かなりの労力と時間を要します。そのため、業務改善を行う当事者の何があっても貫徹するという気概や覚悟が何より大切でしょう。
業務改善を取り組むメリットデメリット
業務改善を行うメリットは、「人」「物」「金」「情報」「時間」などの流れや関係性に少なからず変化が生じる点です。
ムダ、ムリ、ムラがなくなることで、短時間で数倍の作業がはかどるようになることも珍しくありません。また業務改善により、それまで気づけなかった水面下に隠れていた問題やあえて目を伏せていた厄介な業務について関係者全員で冷静に問題意識をシェアすることもできます。そしてそれらが解決すれば、早くに仕事が終わわり残業が減って退社時間を早めることもできて、ストレス緩和につながることもあります。また社内の風通しが良くなり一人一人への負担が軽減されれば、人間関係も自ずと良好になり業務効率もアップ、収益の改善にもつながる可能性が出てきます。
ゆえに業務改善の旗振り役になる立場にある人たちには、業務改善のメリットを最大化し、デメリットを最小限にする細心の配慮や下準備、根回しや工夫をしましょう。最も大切なことは、社員一人一人が業務改善の意義や目的を確実に理解して推進していくことに前向きになってもらうことです。そのためには、1対1で「なぜ」「何を」「どのように」変えていくかを一定の時間をかけ、手間を惜しまずその相手に分かるように説いて回る必要があります。
業務改善についてとにかく知りたい時におすすめの書籍
では、業務改善をより現実のものとして肌で実感できるためのおすすめ書籍を紹介しましょう。
「業務改革の教科書」日本能率協会コンサルティング
この本では、業務改善の何たるかを基礎から解りやすく解説しています。一読すれば、業務改善のフローが理解でき、具体的にどのように進めていけばよいかのヒントがつかめるでしょう。とっかかりとして強くおすすめです。
「6ステップで職場が変わる!業務改善のハンドブック」日本能率協会コンサルティング
業務改善の全体像をあますところなく解説した、業務改善のバイブルともいえる書籍です。部門単位の改善と全社の横断的な改善のそれぞれについて、ステップごとに解りやすく解説しているので体系的に理解できるでしょう。各ステップごとに実際に使えるツールやフォーマットが載っているのも強い味方です。
業務改善の問題や課題について取り組む時におすすめの書籍
「どこが問題で何を改めるべきか?」が見定められずして業務改善の成功はありません。そこで、現場で実際にその課題を追求していくためのノウハウやヒントをたくさん与えてくれそうな2冊の書籍を紹介しましょう。
「業務改善の問題地図~『で、どこから変える?』」沢渡あまね 元山文菜著(技術評論社)
業務改善を実行する際のターゲットとなる課題や問題は、そこかしこに隠れています。しかし、それがどこにあるのかがよく判らなかったり、そもそも問題であると気付かないこともしばしばありますよね。この本では、そんな問題意識を強く惹起させてくれる刺激的な一冊です。自身の置かれている状況と照らし合わせながらじっくり読みましょう。
「最少の時間と労力で最大の成果を出す『仕組み』仕事術」泉 正人著(ディスカヴヴァー・トゥエンティワン)
業務改善は理屈から入っても成功しません。いかなる業務も最終的に行きつくのは個人です。まず自分の手掛ける業務の範囲をよく見渡して、ムリ、ムダ、ムラを冷静に観察したうえで最適な「仕組み」が発見できれば、それを部署や会社全体に反映させていくことが可能な場合があります。この本では、そのヒントになるトピックスがギュッと詰まっています。
業務改善のアイディアが欲しい時におすすめの書籍
業務改善は、すでに何度もトライした経緯がある場合があります。するとせっかく提案した内容も、どうせ今までと同じで上手くいかない、とあっさり却下されてしまうかもしれません。そうならないためにも斬新なアイディアが必要となります。その具体的なヒントをくれる2冊を最後の紹介しましょう。
「ムダ時間を減らしムダ時間を防ぐ業務改善入門」矢代隆嗣(パレード)
いかなる業務も、常に時間との戦いですよね。最良の業務改善を図ろうと思えば、最良の時間管理は必須条件といって良いでしょう。時間のムダがなくなると、驚くほど効率性が増し、品質の向上やムダな経費の削減も生まれます。そのための具体的なアイデアやヒントを供してくれる珠玉の一冊です。
「儲かるメーカー改善の急所101項」垣内幸夫著 (日本経営合理化協会)
「会社を変えたい」といってもただ思っているだけでは何も変わりません。成果が出る具体的なアイデアや斬新な発想があってこそ改善が前に進みます。本著は実際に数々の業務改善に現場で当たってきた百戦錬磨のコンサルタントが、どのような場合に何をどうすれば良いかを101の項目に分けて実に解りやすく解説しています。経営者はもちろん、新入社員でも経営者目線の高い意識や考え方を育むにはうってつけの一冊です。業務改善の大きな味方となるので、ただ目を通すだけでなく何度も繰り返し読んで自らにすり込みましょう。
さて、今回は「業務改善」について解説し、業務改善への理解が深まるためにおすすめの書籍についてお伝えしました。
業務改善は、経営計画の目的達成のために業務プロセスを見直して最適化することを意味します。そして問題を浮き彫りにし、正しい計画を作成し、関係者を巻き込んで計画を実践していけば、品質の向上、コストの削減、社員の満足度の向上など、大きな果実を手にすることも可能です。
ご紹介した『6ステップで職場が変わる!業務改善のハンドブック』は、業務改善の何たるかが実によく理解できますし、具体的な方法論にまで強く意識を向けるのに役立ちます。
『業務改善の問題地図~「で、どこから変える?」』は、業務改革を絵に描いた餅で終わらせないためのノウハウやエッセンスがたくさん詰まっています。
『ムダ時間を減らしムダ時間を防ぐ業務改善入門』は、すべてのビジネスにとって最重要なことが時間管理であることが改めて実感できて、まず自分改善を行おうというモチベーションを持たせてくれるでしょう。
業務改善で「これならできそうだ」という手法が見つかったら今すぐにでもその一歩を踏み出すのも一つの手です。ぜひ、ノウハウを学ぶためにも、おすすめした書籍の中から自分に合ったものをまず一冊じっくり目を通しましょう。
そして、当メディア(AIZINE)の運営会社お多福ラボでも、書籍にはないような業務改善のサポートを行っています。興味のある方は、まずご相談ください。