販売は企業の収益に直結する、重要なセクションのひとつですよね。モノをより多く売れば、より多くの利益が企業にもたらされます。多くの企業が売り上げを伸ばすことを第一に考えながら、マーケティング戦略を日々練っています。
しかしモノを売る際に、販売の管理まで十分に行き届いていないというケースも少なくありません。例えば売ることに注力してしまい、商品の仕入れから現金回収までの一連のスケジュールを厳密に立て実行することができていないことが現状。企業の営利活動において販売は重要ですが、あまりに当たり前の業務なので、販売管理について意識的に捉えていない可能性もあります。だからこそ、販売活動を効率的に進めることができれば、他の企業と差をつけられるでしょう。
そこで、今回は「販売管理」の具体的な業務内容から、おススメの販売管理システムのご紹介をします。そして「販売管理」を導入した企業の実例をあげて、販売管理を導入するメリットとデメリットを徹底比較します。自社に販売管理の導入を迷っている方は、是非参考にしてください。
そもそも販売管理とは、どんな役割なのか
販売管理とは、商品やサービスの仕入れから現金になるまでを管理するシステムです。企業は商品やサービスを顧客に販売して、収益を得ていますよね。販売管理とは、商品やサービスを仕入れて、それらを顧客に売り、現金を得るところまでの一連の業務の流れや情報を把握・管理することです。これが、納期確認や在庫管理などがしやすくなり、ミスを防ぐのに役立ちます。
※詳しい解説はこちら
では具体的に、販売管理の業務ステップの流れがどのようなものなのかみていきましょう。
- 何(どのような商品)を、
- どこ(どの顧客)に、
- どのくらい(数量)、
- いつ(納期)、
- いくら(価格)で販売したのか
- 売った商品の代金をいつもらえるか(現金の回収)
など、商品の販売に関する情報と、業務の流れをスムーズにすることが重要です。
販売管理の具体的な仕事内容
では、具体的に販売管理の仕事内容を1つずつご説明します。
受注管理
受注管理は、商品の注文を受ける見込み段階から、実際に受付完了までおこなう業務です。大きく分けて3つのステップに分かれます。
- 見積もり(商品の種類、商品の価格、商品の納期を取引相手に提示)
- 受注契約(提示した条件で双方が同意した場合、契約締結)
- 受注業務(これまでの見積もりや契約書の内容を確認後、それら情報に基づいて受注業務を開始)
顧客からの注文に対し、企業側は商品価格の見積もりや価格交渉をおこなった後、受注契約を結びます。企業は契約に基づいた内容通りに、商品生産や業務を開始します。
出荷管理
出荷管理は、受注した商品を出荷し納品するまでの業務です。納期に合わせて商品の生産や梱包、発送などのスケジュールを組みます。顧客への納品が完了すると、売り上げを確定します。
請求管理
請求管理は、商品の代金を顧客に請求し、現金を回収する業務です。顧客との契約内容によって、毎回請求をおこなうのか、まとめて行うかを確認して、その通りに業務を進めなければなりません。顧客あてに請求額を確定した後、請求書を発行します。回収業務では、期日までに請求額と同額の金額が支払われているか、確認します。
仕入れ管理
仕入れ管理は、商品を販売するにあたり、外部業者からのモノの仕入れが必要な際にする業務です。見積もりから始まり、契約締結、発注作業、仕入れ品の検品、代金支払いまでが必要です。
在庫管理
在庫管理は、販売商品の欠品を防ぎつつ、在庫を余らせないように管理する業務です。在庫欠品があれば、スムーズな販売業務をおこなうことが難しくなります。また、在庫が過剰にあると保管のための維持費や手間がかかり、経費がかさむ原因となります。これらを防ぐために、常に在庫数を記録して把握し、定期的に棚卸しをおこなって、在庫の記録数と実数を一致させなければなりません。
販売管理を行う目的とは
そもそも、なぜ企業は販売管理を行うのでしょうか。その理由は大きく分けて3つあります。
ミスを防ぐため
販売業務には多くのプロセスが必要です。そのせいで多数の部門が関わっていることが多く、人の手が多く関わる中で、重複して同じような業務をしていたり、工程が漏れてしまう危険性があります。
販売管理を活用することで、各プロセス間での情報や業務フローの共有できるので、このようなミスを防げます。
収益の確保
販売管理を行うことで各部門の連携を高められ、従来より多くの収益確保が期待できます。
どの商品が「いつ」「誰に」「いくつ」売れて「いくら」の利益が出たのか可視化され、各部門に共有されます。これにより、仕入れ管理が適切に行われ、在庫の過剰を防げるでしょう。
顧客満足度のアップ
顧客満足度をアップさせるためには、商品をスムーズに安定的に供給することが不可欠です。欠品を防ぎ、顧客のニーズに素早く対応して商品を供給するために、企業は商品の販売プロセスを滞りなくおこなう必要があります。
販売管理を活用すると、販売業務を効率化させ、顧客のニーズにスピーディーに対応できるようになります。顧客ニーズに合う商品を販売し、適切な在庫管理をして納期厳守を続けていけば、最終的には顧客満足度の向上や、信頼関係の構築につながるに違いありません。
おすすめの販売管理システム一覧
販売に関連したシステムを一元管理すれば、人為的なミスや見落としを防げ、現金回収までの業務ステップを減らすことも期待できます。ここで、おすすめの販売管理システムを3つご紹介します。
楽楽販売(株式会社ラクス)
楽楽販売は、販売管理業務を効率化させる販売管理システムです。クラウド型なのでPCにインストールをしなくても、すぐに使えるので便利でしょう。社員がそれぞれ管理している情報を1か所に集めて、管理・閲覧できるので、引継ぎ業務などに役立つかもしれません。
また、楽楽販売は会計システムとも連携が可能。これにより、企業の売上や請求などの会計関連の業務まで同時に管理できます。このように高い柔軟性と豊富な機能で、販売管理をはじめ、あらゆる業務管理の効率化に役立つに違いありません。
ExeQuintエグゼクイント (株式会社センチュリーシステムズ)
ExeQuintエグゼクイントは、オンプレミスやクラウドなど、企業のPCに合わせた導入ができる販売管理システムです。迅速な経営判断を視覚的に支える[BIS]、外注加工管理、貿易・輸入、WEB受注、受注データ取込他、機能オプションなど豊富な機能があるので、管理者がひと目で売り上げ状況や、売れ筋商品を確認することが出来ます。
また、ExeQuintエグゼクイントは使用者の業務内容に合わせて、機能を追加できます。例えば、商品画像登録機能などの便利機能を追加し、システム導入後でも自分に合うアレンジを加えられます。
アラジンオフィス(株式会社アイル)
アラジンオフィスは、販売管理に必要な機能をコンパクトにまとめたパッケージソフト版と、クラウド版の両方に対応しています。お客様のご要望によって必要な機能をカスタマイズすることが可能です。
また、システム運用・管理はアラジンオフィスの運用会社「株式会社アイル」が一任しているので、自社にITに詳しい担当者が不在でも安心でしょう。企業ごとにサポートチームを作っているので、トラブル発生時にもスピーディーに対応してもらえます。
販売管理を使った成功事例
では、実際に販売管理を導入して、企業はどのように業務を改善することができるのでしょうか。販売管理を導入し、業務改善に成功した企業の具体的な事例お伝えします。
ヤマト株式会社は、「アラビックヤマト」「ヤマト糊」など、文具事務用品を製造している企業です。またヤマト株式会社は、仕入れ商材の販売など商社的な側面を持つ特徴があります。
そこで販売管理システムを自社に導入、価格設定の面で効率化を目指しました。具体的には、同一商品の小売価格、卸売り価格、掛け率を顧客ごとに変え、自動的に計算できるシステム構築をしました。販売管理システム開発企業の導入担当者と協力しながら、同時に顧客データや販売データを集計し、今後の取引の際に必要な時にデータを抽出できる仕様にしました。
また、顧客ごとに異なる請求書や帳簿様式への対応は、ヤマト株式会社が帳票を出力する際に、レイアウトを自由に変更可能な設定しました。それにより、帳票作成の時間を短縮に成功。
販売管理システムを選ぶときの基準
販売管理システムには数多くの種類があり、どの製品があなたの企業にふさわしいのかチョイスしなければなりません。以下に選ぶときの2つのポイントを記載しているので、ぜひ参考にしましょう。
社内体制に合うシステムを選ぶ
社内の情報システム部門の体制と社内のITリテラシーに合致したシステムを導入しましょう。なぜなら、社内に運用方法を理解できる社員がいなければ、販売管理システムを活用・運用することが難しくなるからです。
改善したい目的に合うシステムを選ぶ
自社の組織の特色や、解決したい業務に合ったシステムを選びましょう。なぜなら、やみくもに目的の改善には不必要なシステムを導入しても、初期費用が高いばかりで、良いコストパフォーマンスを生み出すとは限らないからです。事前に自社の特色と、改善目的を社内全体で認識することが必要です。
さて、今回は販売管理とは一体どのようなものなのか、できるだけわかりやすくご説明しました。
- 販売管理とは、商品やサービスの仕入れから現金化までをマネジメントするシステム
- 販売管理の具体的な仕事内容は、受注管理、出荷管理、請求管理、仕入れ管理、在庫管理
- 販売管理をおこなう目的は業務管理のため、収益確保のため、顧客満足アップのため
- おすすめの販売管理システムは楽々販売、ExeQuintエグゼクイント、アラジンオフィス
- ヤマト株式会社は、販売管理システムで業務効率化に成功
- 販売管理システムを選ぶポイントは1.自社体制に合うものを選ぶ2.改善目的に合致するもの選ぶ
企業にとって最も重要な収益部門に直結する業務が、販売促進です。モノを売って収益を得るという商業活動は昔から行われ、より多くのモノを売ってより多くのお金を得ることが当たり前だと考えられていました。
そのような販売業務に意識的にメスをいれて、合理化と効率化をシステマティックに考案されたのが、販売管理です。モノを売るという人対人の従来のやり方を進化させるために、ITの力を借りた新しい取り組みでしょう。今後も多くの業務改善の実現を担うこのシステムに、期待が膨らみますよね。
当メディア(AIZINE)の運営会社である株式会社お多福ラボでは、このような販売管理システムの導入を進めています。ご興味がある方は、まずご相談ください。