人生誰だって落ちこんだり壁にぶつかったりすることってありますよね。例えば僕はAIエンジニアになりたくて大阪のAI(人工知能)開発企業「株式会社お多福ラボ」に転職したのですが実力不足で左遷にあいました。(流石にヘコみました)
(その時の話はこちら↓)
僕の場合はスキル不足という問題で壁にぶち当たったわけですが、例えば母国語が通じない海外で活動するとなれば何事も難易度がさらに上がることは間違いありません。けれどもお多福ラボには、そうした言葉や文化の壁を乗り越えてバリバリ活躍しているエンジニアが二人います。フランス出身の「シリル」と「ビンビンビンセント」です。
フランスから日本に来て且つエンジニアとして活躍している彼らは間違いなくすごいし、エンジニアを目指している身として素直に話を聞いてみたい!!
そこで今回は、AIZINE編集員という立場を利用して二人に話を聞いてみることにしました。(あと最近コンテンツを思うように書けない、AIエンジニアになるための勉強も行き詰まりを感じていたので単純に二人と話したかった 汗)
大阪のAI(人工知能)開発企業で働く2人のフランス人
早速大阪のAI開発企業「お多福ラボ」にやってきました。


お久しぶりです!シリルとビンセント(ビンビンビンセント)にインタビューしに来ました!


つっちー


シリル
<シリル:ボルダリングとたい焼きをこよなく愛するベジタリアン。お多福ラボのCIO。Institut National des Télécommunications(Evry,フランス)にて理学修士号取得。複数の会社でソフトウェア開発に携わり、様々な分野でのプロジェクトを完成した経験があります。日本に来て12年目です。>


ビンビンビンセント
<ビンビンビンセント:1日17時間ゲームに没頭するほどのゲーム愛好家。好きな映画はマトリックス(500回以上観たらしい)。2年間フランスでソフトウェア開発をした後2014年に来日。3年間IoTエンジニアとして様々なプロジェクト等を担当してきました。めちゃ優しい性格です。>


お多福ラボの社内風景
シリルとビンセントに声をかけた僕は、早速取材を始めようと思ったところ、、、日本文化をこよなく愛するシリルが先に準備して待ち構えていました。


え?何これ?


今日は僕がメインの日でしょ?


うん、そうだよ。


だから僕が日本のことをどれだけ好きかをアピールするためにプライベートのふんどし持って来たよ。


・・・あ、ありがとう。日本人でもふんどし3本持ってる人って中々いないよ。


会社のふんどしと合わせたら4本。フランスの家族にもプレゼントした。
※お多福ラボでは社内のふんどし部から社員一人一人にふんどしが支給されます。
意表をつかれて突っ立っていた僕は、ビンビンビンセントがまだ来ていないことに気づき彼を呼びに行きました。


ビンセント(ビンビンビンセント)、そろそろインタビュー始めるからよろしくね!


はーい、ヒロキ〜元気〜?


ビンビンビンセントはこんな風にいつも陽気です。
さて、いよいよシリルとビンセント(ビンビンビンセント)の二人が揃ったのでインタビューを始めていきます。(シリルに申し訳ないけどふんどしは片付けました)
※この日のためにフランス国旗を自腹で準備したのと、フランスにちなんで約80センチのフランスパンを前日に一本食べてきました。あと失礼の無いようフランス人の一般的な性格や文化を紹介したWebページ上位20件もチェック済み(今更)。僕はガチです。


今日はよろしくお願いします!
フランス出身エンジニア!なぜわざわざ日本に来て働いているのか?


では早速二人についてアレコレ聞かせてもらいます!!


シリルとビンセント(ビンビンビンセント)ってそもそもなんで日本に来たんだっけ?


そもそもきっかけは学生だった頃に、カリキュラムの一環で6ヶ月間日本の企業でインターンシップで働かせてもらったことだよ。


あっ、なるほどね。


それでそのままずっと日本に??


いや、社会人になってからはしばらくフランスで働いてたよ。


日本語をちゃんと話せるようにしたかったし、昔一緒にインターンシップしてた友達が日本で就職しよう!みたいな就活フォーラムを紹介してくれて、それで就職先を見つけて日本に来た。


なるほど。ちなみにお多福ラボで何社目だっけ?


お多福ラボで5社目かな。フランス1社。日本4社。日本に来て12年だね。


へえ〜〜、12年は長いね!!


じゃあビンセントはどういうきっかけで日本に?


彼女(今の奥さん)が日本にいて、彼女はフランスに住みたくなかったからフランスから日本での仕事を見つけて、日本にやって来ました。


2年間フランスで働いてた時、彼女と遠距離恋愛だったから一番辛かったね。


そうなんだ、2年遠距離は辛そう。。にしてもよく続いたね!ビンセントすごいわあ。


最初日本に住むってことにはやっぱり抵抗があったんじゃない?


いや、全然なかったよ。これくらいどうってことないし愛する人のためだから。


か、かっこいい。。。
日本で働いていて印象的だった出来事


前にシリルから、男子寮で住んだのが印象的って聞いたことあるんだけど、日本で働いてて他に何か印象的なことあった?
※フランスには男子寮や社宅が基本的に無いとのこと


日本の最初の職場は派遣社員としていったんだけどそこで、いつも怒鳴っているボスがいて、周りの人はずっと頭を下げてる姿が印象的だったね。


へえ〜〜、日本ではまだ普通にありそうなことだけど。フランスではそういうのあんまりない?


フランスももちろん昔はそういうことはあったけど今はほとんど無いと思うよ。


フランスではシステムエンジニアを重要な人材として大事にしてるから、エンジニアとしてそういう体験は中々できないと思ったね。


そっかあ、、、シリル自身も怒鳴られて困ったとか?


昔、上司に怒鳴られた時があったけど、それに対して自分が正しいと思う意見をはっきりと伝えたよ。


そしたら彼はびっくりしてたんだけど、「シリルだけ意見を言ってくれて事業の改善ができた」って逆に彼は喜んでたね。


言ってくれないと何を考えているかわからないからって。


そんな職場で声を上げるのって簡単にできることじゃないよ。


僕は昔怒鳴られてた立場だからよくわかる 汗 シリルすごいね!


ビンセント(ビンビンビンセント)も日本人に対して何か感じたことある?日本で働いてて。


日本に来てからお多福ラボに来る前に働いていた会社はフランス人の社長だったし、その職場に日本人はいなかったね。


あっ、そうなんだ。


うん。その会社で3年間働いてからお多福ラボに来たから、あんまり日本人の働き方について比べて言うことはできないよ。


日本人と一緒に働くのはお多福ラボが初めてだからね。


そっか、日本人と働き始めたのは最近かあ(^^)


日本で働いてて困ったこととかは?


困ったことといえば、前の会社に入った時は最初スキルがなかったから仕事が難しかったね。


えっ、、ビンセント(ビンビンビンセント)にもそんな時期があったの?∑(゚Д゚)。。


うん。ほぼ何もできなかった。でもどんどん上手になってできるようになっていったよ。


そっかあ、、みんなやっぱり最初は苦労してるんだね。


あと私以外、会社に社員がいないような状況もあったので寂しかったですね。


そんな時が。。。


大変ではあったけど、スキルがついてきてからは裁量を持たせてやらせてくれていたから短い時間で結構勉強になったね。


なるほど。。最初から中々上手くいかないからって諦めてちゃダメだね!


僕も諦めずにAI(機械学習)エンジニア目指して頑張るよ!!
日本人の働き方について感じていること


日本人の生産性は低いって一般的に言われてて正直僕は悔しいんだけど、シリルとビンセントから見て日本人の働き方ってぶっちゃけどう見える?


日本の会社はお多福ラボが初めてだけど、日本人の生産性が低いとか思ったことは特にないね。


そっかあ。


生産性が低いのはあるかもしれない。


えっ。。


一般的に日本人は遅くまで会社に残っているのが美徳だと感じていて、努力することが目的になってしまいがちなところがあるのは確か。


努力することが目的に・・・(それ僕がやってしまいがちなやつだ 汗)


日本では時間が無限にあるという考え方があるみたいだけど、絶対にそれはないな。


時間がいくらでもあると感じているからそれを改善した方がいいね。


そうだね。それで疲れて生産性が下がっていくね。


うん、うん


もちろん、生産性が高い人もちゃんとした人もいるんだけど、昔の考え方は努力が一番だと思ってたから、努力で評価されてて。


ああ〜、それはまだあるかもしれないね。


それで生産性がないことをしてても努力して頑張ってるなと思われて、それで十分みたいな、、、それを今まで感じた。それは会社にしたらよくない事になってる。


そうだね、それは良くない。


一般的な傾向として、日本人は全部を100%でやらないといけないみたいな、付加価値の少ない仕事に対しても100%でやらなきゃいけないような価値観が強くて、そこは気になってたね。


なるほど・・・。(この部分は結構自分に当てはまる気がして耳が痛い)


実際過去にそれが原因で取り返しのつかないことになって、事業が失敗したことがあったし。


こういう堅い考え方を持っている人がリーダーだと確実に失敗するよ。


なるほど。


あと、日本人はあんまり自らは動かなくて、受け身な人が多いと思う。問題があっても行動しないから中々改善できない感じがするね。


え?それってどういうこと?


例えば「これはよくしたほうがいい」って意見を上げても「今までこうだったから」みたいなルールに縛られて、組織として見ると既存のものを変えることに怖がる印象がある。


昔いた会社では、結構それが大きかったかな。


なるほど、伝統を大事にする日本人にそれは多そう。


僕が意見を言うと「もし上手くいかなかったらどうするんだ?」って言われることが多くて、それはちょっと大変だったね。


なるほど。。。


「外国人だからお前はわからないんだ」みたいな事を言われた時もあって、その時はめちゃくちゃ怒ったけど。


えっ、、そんなことも言われたんだ。その言い方は酷いね。


仕事の効率に関して言ってることだからそれは関係ないし、付加価値がないものをやるのはおかしい。


結局、そういう思考の堅い人は会社を退めることになったけどね。そういうことは結構あるよ。


そうなんだ。


うん、もともと日本はガラパゴスマーケットって言われていて、例えばiPhoneが入る前に「日本の会社しか日本人のために良いものを作れない」って叫ばれてたけど、今ではiPhoneが普及している。
※ガラパゴスマーケット:排他的で規制の多いマーケットなど、国際標準からかけ離れている日本の産業の姿を批判的に表した言葉


「日本人にしか日本のマーケットはわからない」のような発想は今ではかなり変わって来ているけどね。


シリルみたいに「外国人だから・・・」とか自分は言われたことはないけど、むしろ僕の場合は日本人に感謝してるね。


えっ、なんで?


約3年前は日本語を聞いても何を言っているかあんまり理解できなかったけど、日本人は優しいからね。


前の会社に勤めてた時のお客様が日本人で、私の壊れてる日本語や理解できない時に怒らないで何回も説明してくれたから。


日本人は何回ももう一度説明するから助かります。辛抱強いね。


へえ〜、良いお客さんに恵まれてよかったね!!


日本語の壁は正直今もあるけど、僕はレイジー(怠け者)だから勉強はしないね。


・・・・(しないんだ)。


あと、日本人は強いて言うなら英語が弱い気がするね。


え、英語・・。


開発者なのに英語がわかんないのはおかしい。


ソフトウェア開発はヨーロッパやアメリカが強いから英語ができないと情報が入ってこないし、日本語では遅れて入ってくる。コミュニケーションを取るのも英語ができた方がいいね。


た、確かにシリルやビンセントに英語での情報収集力をつけないとねってお多福ラボにいた頃言われてたことを思い出すわ・・・。


あと、日本のエンジニアはもっと運動をした方がいいね。海外と比べて運動する人が極端に少ないから。


言われてみると確かにそうかも。。


僕は土日30kmは走るね。


・・・。(アスリートやん)


運動するとやっぱり生産性が上がるとか?


うん、もちろん生産性が上がることもあるけど、何より人生が有意義になるからね。


そうだね、運動はした方がいいね。僕は筋トレやってるよ。


健康は大事だよね!


ヨガやってるといろんな女性に出会えるからね。


・・・そっちが本当の目的ね。
今の職場(株式会社お多福ラボ)について感じること


今の職場(お多福ラボ)は働いててどう?


いっぱい若い人がいて、いろんな性格の人がいて楽しいよ。


仕事の内容もAI(人工知能)を搭載したカメラを開発したり、SNS関係のアプリとか楽しいプロジェクトが多くあるから良いね!


開発いいなあ〜楽しそうだね!


お多福ラボは良い意味で結構革新的だと思う。


えっ、、革新的って?


ふんどしを社員に配布するのがいいよね。


・・・。(シリルめっちゃふんどし好きやん)


日本の文化を大切にしているのは面白いね。


みんなでふんどし履くとか、瞑想ルームや畳の休憩室とか、神社にみんなで願掛けに行くとかね。


確かに面白いよね!


言われてみると、それは普通のことだと思ってました 笑(1ヶ月半だけ働いていたのでわかる)


お多福ラボは働き方がとても自由だし。上下関係はほぼ無くて皆がフラットにやっているのがとても良いと思う。


そんな風にしている企業は日本ではあまりないし、怒鳴る人もいないからね。


なるほど、言われみるとそうだね!
今後していきたいことや目標


じゃあ、色々聞いて来たけどシリルとビンセント(ビンビンビンセント)が今度していきたいことを教えてください!


先のことはわからないけど、直近ではAI(人工知能)技術の向上を図りながらお多福ラボを大きく成長させていきたいな。


おおー!!お多福ラボのプロジェクトを引っ張ってるシリルらしいね!!


あと働き方ももっとどんどん自由に新しいものを取り入れていきたい。


今日はミレニアル世代が考える生き方セミナーに参加してくるよ。
※ミレニアル世代:1980年代から2000年代初頭までに生まれた人をいうことが多く、ネットが普及した環境で育った最初の世代で、情報リテラシーに優れ他者の多様な価値観を受け入れ、仲間とのつながりを大切にする傾向があるとされる


そっか、日頃から情報収集してるんやね!いいね!!


私はAIを学びたくてお多福ラボに入社したから、勉強を頑張って10年後にはお多福ラボではもちろん、業界を引っ張るようなトップエンジニアになりたい。


いいですね!!


あとは超かわいい娘がいるから、娘と一緒に日本語を頑張って勉強していきたいな。漢字も一緒にね。


ビンセント(ビンビンビンセント)は娘さんにメロメロやね(^^)


可愛い娘さんも持てたことだし、日本に来て本当に良かったね!


そうだね、日本に来たのは結婚が一番大きな理由だったけど、日本にはもともと興味もあったし、思い切って日本に来て良かったよ。今の仕事も楽しいし。


色々思うことはあったけど、今が充実してるから僕も来て良かったな。


2人とも自分の気持ちに正直に行動してきたから、きっと今が楽しくなってるんだね!!


今後が楽しみだね!今日はありがとう(^^)
まとめ
このように今回はシリルとビンビンビンセントに話を聞いてきたわけですが、日本人だからこそ見えづらくなりがちな視点や、最初は出来ずとも諦めずにやっていく大切さなどなど様々な学びがありました。きっと皆さんの中にも二人の話を聞きながら「そういうのあるある」と感じた方も多いことでしょう。
私たちは無意識に「常識や周りがこうだから」と行動するのをやめたり「あの人は元からすごいから」と目の前の今見える部分だけから勝手に解釈して、諦めたり落ち込んだりしがちなのかもしれません。ただ、フランス出身の彼らの話を聞いていてそうしたことは立場や考え方、視点を変えてしまえば新しい解釈や発見が生まれることを感じました。
日頃から自分の中にある古い常識やいらなくなった価値観はどんどん手放せていけたらいいですよね。そんなことをシリルとビンセント(ビンビンビンセント)は教えてくれたように思います。
二人はこれからも活躍していくはずですし、今後成長も楽しみです。僕も負けじと引き続きAI(機械学習)エンジニアを目指して日々成長していきます。
シリルとビンセント、ありがとう!!
続く↓


AI(人工知能)って「なにそれ美味しいの?」ってレベルだった僕が、AIエンジニアを目指してステップを踏んだり踏まれたりしている記事を書いてます。よかったら読んでみてください(実話)。
コメントをどうぞ