今まで蓄積したデータを眠らせている、あるいはどうやって活用すれば良いのかわからない企業さんは結構多いですよね。そんな中で近年、データをビジネスに活かすことができるデータマネジメントに注目が集まっています。
そんなデータマネジメントには5つのステップが存在します。このステップをマスターすれば、ビジネスの新しいヒントを得られるに違いありません。
それでは今回は、データマネジメントを行う方法を解説しましょう。
データマネジメントとは、具体的にどんなことを行うのか
データマネジメントとは、データをビジネスに活かすことができる状態で継続的に維持、さらに進化させていくための組織的な営みのことを意味します。
そしてデータをマネジメントするには2つのポイントがあります。それについて、を解説しましょう。
データクオリティとは
データクオリティとはデータの品質管理を意味しており、データ自体の品質を定義して管理することでデータの統一性や整合性を保証します。
データガバナンスとは
データガバナンスとはデータ管理を統制することを意味しています。つまり現場レベルから経営まで、データをいかに活用するか計画、監視、実行まで全てのプロセスを管理します。
データマネジメントの目的
データマネジメントの目的は、整っていないデータの業務非効率性の改善、データを活用した売り上げ改善への貢献などです。企業戦略において、データは非常に大切です。そのデータがバラバラな管理をされていれば、活用する際に戸惑ってしまうなんてこともありますよね。その混乱を避けるためにデータマネジメントが必要でしょう。
つまり、データマネジメントを実行すれば社内のデータは整理、統一され、新しいシステムを導入した際もスムーズに移行できます。DX(デジタルトランスフォーメーション)で企業の生産性や効率性を変えたいならば、まずはデータマネジメントを実行しましょう。
それでは次の項目で一体どのようにしてデータマネジメントを実行するのか解説します。
データマネジメントを行う方法
データマネジメントを行う方法で、代表的な3つの手法を解説します。
コードの付番
まずは、データを区別する目的でコードをつけましょう。コードで区別する理由としては同じ社名、同じ名前の担当者が存在した際に区別できるようにするためです。例えばA社は001、B社は002とすれば判別可能でしょう。
また社名や担当者名が変わった場合においても関連するデータを一気に修正しなければならないので付番管理が有効的でしょう。この場合はA社を001と管理しておけば、たとえAB社と言う社名に変わっても付番は001のままなので管理がしやすいです。
名寄せ
整理されていないデータの中には、同じ会社や同じ担当者のデータが重複して保管されている場合があります。そのままばらばらの状態で保存すると、せっかく収集しているデータの整合性が取れないこともありますよね。
このため、システムの導入時には会社や担当者などを1つのデータにまとめる「名寄せ」をしましょう。
データクレンジング
会社情報を登録する際には、表記方法が何パターンかにぶれてしまうことがあります。例えば、株式会社=㈱やカタカナの全角、半角、名前の点(・)を入れる、もしくは入れないなどはよくありますよね。
そのぶれを避けるために入力ルールをあらかじめ定めて、これらの表記を統一することをデータクレンジングと言い、データマネジメントには大切な作業となります。
データマネジメントを活用した事例
データマネジメントの事例として、ネットワーク事業を営む株式会社NTTPCコミュニケーションズの成功例を解説します。
株式会社NTTPCコミュニケーションズはDX(デジタルトランスフォーメーション)を実行すべく新しくCRM導入を検討した際、確実に成功させるべくデータマネジメントを外部に委託しました。
つまり、データの整理で時間をかけてしまえばCRMの導入もその分遅れてしまうことを考え、データマネジメントのプロフェッショナルへ委託することで、その問題を解決させました。データマネジメントで依頼した内容は、CRM導入に当たって既存データの取引先のコードの付番、名寄せ、データのクレンジングなどです。
CRM導入前にもしデータマネジメントを実行しなければ、CRM導入後にコツコツ莫大なデータを修正しないといけないという非効率な状況だったかもしれません。そう考えると、データマネジメントは非常に重要ですよね。
そして、当メディア(AIZINE)を運営しているAI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発会社お多福ラボにも在庫管理をデジタル化した以下のような事例があります。
データマネジメントをうまく活用するために知っておくべきポイント
データマネジメントは、ただデータを管理するだけではなく、営業活動に有効に機能させるにはやり方も重要となってきます。
それではデータマネジメントに重要な5ステップを解説します。
目的と目標を明確にする
はじめに抑えておくべき項目は、データを集める目的と目標です。ただ何も考えずデータを集めても、営業活動の効率化や営業成績の向上につなげることができなければ無駄になるでしょう。このため、企業の課題を明確にし、データを活用する目的と目標を定めること大切です。
必要な情報と入力データを考える
データを活用する目的と目標が決まったら、必要なアウトプットを考える必要があります。例えば、自社製品の販売促進を考える際に、今までの販売履歴を購入者の年齢別にアウトプットできれば、どの層に対してアプローチをかければ効果が期待できるか明らかになるでしょう。
このため初期の段階で、アウトプットにどの項目を盛り込むかをよく検討しましょう。
データを効率的に整理及び管理をする
取得したデータは、わかりやすい方法で保管すること、そして多くのアウトプットを活用するという2点に気を付けなければなりません。
社員は日々の業務に追われているので、一度管理したデータを変更する必要がないように管理する必要があります。少しでもデータを管理する手間を軽減するためにも、入力作業や効率的な管理方法を検討しましょう。
組織として管理する姿勢を明らかにする
集めたデータは、組織として管理する姿勢を明確にしましょう。なぜならば、データは企業活動を左右する重要な財産です。データ管理の責任者は担当者レベルではなく、役員レベル、または上層部が任命される必要があります。
データ管理が上層部で実行されることでデータマネジメントの重要性が社内全体に浸透し、より効果的な管理も期待できるでしょう。仮にデータに関する事故、漏洩が発生したすると企業の信頼損失、業績悪化にもつながりかねません。それだけ、データの管理体制は大切なことです。
さて、今回はデータマネジメントを行う方法を解説しました。ここで内容を一度振り返りましょう。
- データマネジメントとは、データをビジネスに活かすことができる状態で継続的に維持、さらに進化させていくための組織的な営みのことを意味する
- データマネジメントの目的は、整っていないデータの業務非効率性の改善、データを活用した売り上げ改善への貢献などがある
- データマネジメントを行う方法の代表的な3つの手法として、コードの付番、名寄せ、データクレンジングがある
- データマネジメントのポイントとして、目的と目標を明確にする、必要な情報と入力データを考える、データを効率的に整理及び管理をする、組織として管理する姿勢を明らかにするがある
データマネジメントは企業の宝だと言えるデータを有効活用するための整理なので、必ず実行しましょう。今後、日本の企業においてデータマネジメントが浸透する可能性があります。その日に向けてデータマネジメントの知識を身につけるのも良いですよね。当メディア(AIZINE)の運営会社であるお多福ラボでも、データマネジメントの支援を行っています。少しでもデータマネジメントの必要性を感じましたら、お多福ラボにご相談ください