私たちが日々生活していく中で、どうしても影響を受けてしまうもの、心と身体のバランスが取れなくなる、その大きな原因の一つがストレスですよね。でもこのストレスって目に見えないものですし、具体的に何か数値がある訳でもない。だから厄介で、本当はストレスが許容範囲を超えているのに、無理して仕事を続けて、身体を壊してしまったり、、、、なんて話は最近もよく聞きます。
そこで今日は人工知能を使ってストレスを計測・分析して私達の健康維持のサポートをしてくれるソフトウェア「クレピア」を開発したお多福ラボにお邪魔して、このシステムの開発者でもあり、同社の取締役でもある和泉さんにお話を伺わせて頂きました。
和泉さん、今日はよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
クレピアってどんなツール?
ではまずはじめに、人工知能を使って私達の健康をサポートしてくれる「クレピア」というソフトウェアはいったいどんなものなのか?そして、なぜこれを作ろうかと思ったのかについて伺わせてください。
はい、「クレピア」は、厚生労働省が数年前に従業員数が50名以上いる会社に対して義務付けた「ストレスチェック」という制度を、インターネットを通じてより簡単に、かつ革新的に行う事ができるシステムです。
ストレスチェックは企業としては必ずやらなければいけない事で、絶対的に「手間」と「時間」がかかります。
これは企業にとって大きな負担になりますので、まずはその負担を軽減する事。そしてせっかくデータを集めるのですから、それをただ国に提出するのではなく、人工知能を使って従業員の健康を数値化したりなど、企業として役に立つデータ(指標)としても活用できる事を目標に開発しました。
なるほど、ストレスチェックって紙ベースでやってたらエラい大変ですし、国が作ったソフトウェアも使い勝手的にはちょっと、、、ですものね(^^;
そうなんです、なので、なるべくわかりやすいユーザーインターフェイスであったり、使うか使わないかは別にしてスマホからでもストレスチェックを行えるようにしたりと、なるべく使う人がやりやすいようにと考えて作っています。
そうなんですね。こういう会社さん向けのシステムって、あまり話を聞く機会がないのですが、ちゃんと使う人の事を考えて作ってくれているのは嬉しいですね。
ストレスチェックの重要性
ちなみに、素朴な疑問なんですけどストレスチェックって、そんなに大事なんですか?
はい、みなさん知っての通り「ストレスは万病の元」なんて言われてますし、昔と違って物事に、スピートや効率がより求められるようになった現代では、自分の心身の状態をしっかり把握しておく事が必要不可欠です。
それに会社としても、人数が増えるとどうしても一人一人のメンタルの状態を完全に把握し続けるのは難しいですから、こうしたストレスチェック制度などを通して、大切な従業員の健康を把握したり維持していくのは経営者の役割の一つだと考えています。
なるほど、確かに大変だけど、やらなきゃいけないことですものね。
だから人工知能を使ってストレスチェックをしたり健康を管理するシステムを作った、、、と言う訳ですね。
そうです。
なるほど、ちょっと面白そうですね。自分のストレスの値なんて測った事なくて興味あるのでぜひ試させてください。
はい、もちろんです。
ストレスチェックを試してみた
では、この画面の指示に従って質問に答えて進めてください
はい、わかりました。
ちなみにこのチェック項目もクレピアのオリジナルなんですか?
いえ、ストレスチェック制度に関しては、国が定めた基準があるので、これはそれを元に作られています。
なるほど、いわゆる仕様書みたいなものがあるんですね。
はい、結構なボリュームのものがあります
お!終わったみたいです。 このグラフみたいな画面で結果がわかるのですね。
はい、そうです
スマホで画面を撮ったので写りが悪いですが、自分のストレスの値ってこんな風になってるんだなぁと、初めて見る事ができたので、結構マジマジと見入ってしまいました。
AI(人工知能)で健康管理するメリットとは
質問なんですけど、クレピアでストレスを簡単に測れることはわかったんですけれど、これに人工知能を使う事のメリットだったり、これを元にどうやって従業員の健康を管理していくのかいまいちよく分からないので教えてもらっても良いでしょうか?
はい、クレピアではストレスを測るだけでなく、必要に応じて集計したデータを元に従業員のストレスの動向を分析する事ができます。
つまり、今この会社で働いてくれている人たちの状態を多角的に見ることができたり、ある程度予兆する事ができる。これがAI(人工知能)で健康管理する大きなメリットです。
なるほど、確かにせっかく集めたデータですから良い意味で会社の経営に活かしたいですものね。
はい、あとは、これは少し先の話になるかもしれませんが。賛同してくれる企業さんがあれば、クレピアで集めたデータを元にして、国が提唱している今のストレスチェックよりさらに細かい分析や解析をして、その結果を会社や従業員の方々にお伝えする、なんて事も可能です。
おぉ!それはすごいですね。
人工知能の良いところは、人間に出来ない範囲のデータ分析をしたり、それを元に答えを導き出したりという部分なので
例えばストレスに関しても、その分野の専門医の方々がもっているノウハウを上手にAI(人工知能)に落とし込む事によって、より一層私達の健康をサポートできるようになります。
そのベースになるのが、この「クレピア」なんです。
なるほど、ではこのシステムは今後もっともっと進化していくかもしれない。という事ですね。
はい、上手に人工知能を使って、私達の健康をサポートできるように頑張っていきます。
ありがとうございました。
さて、今回の取材で感じたのは、この分野にはもの凄く大きな伸び代があって、それを実現する鍵になるのが、AI(人工知能)なんだなぁという事でした。ストレスチェックの効率化もそうですし、人工知能を上手に使えば私達の健康寿命はもっともっと長くなるのかもしれません。
また、このクレピアは派手さはないものの、企業の負担軽減や現場でのデータ分析もさることながら、今後もし実装されたら…っていう機能の事を考えると地味に凄いと思います。私達の知らない所で人工知能って結構活躍しています。ただ楽にするだけじゃなくて、集めたデータを元に新たなメリットを見出したりできるのは、機械学習や人工知能の最大の利点ですから、早くその恩恵を受けられるようになると嬉しいですよね。
あと余談ですが、和泉さんはAIZINEの取材のすぐ後にも別の取材が入っていたらしく、和泉さんと同社のCIOシリルさんが、学生さん(かな?)達にめっちゃ囲まれた中で話してました。長い時間色々ありがとうございました。
この記事で紹介しているクレピアはお多福ラボで取り扱っています。
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