現場や経営のこれからの方針を考える上で、直感的な決定だけでなく、客観的なサポートがほしいですよね。一概にはいえませんが、データを含めて意思決定を行なうことで、より信頼感が増し、実際により効率的な業務改善が見込まれます。客観的に現場や経営の方針判断するためには、たくさんのさまざまなデータが必要でしょう。
これまでは会計や販売、営業、在庫など社内に蓄積された大量でさまざまなデータを分析してグラフや表にする際にはExcelを使用することが多かったですよね。しかしExcelでは限界がある部分も多く、種類もさまざまな大量のデータを扱うには不十分でした。そこで活躍するのが、ビジネス・インテリジェンス、BIです。
では、BIとはどのような手法なのでしょうか。そこで今回は、BIとは何であり、どんな仕組みで動いており、どのようなメリットや注意点があるのかをお伝えします。
まずはBI(ビジネス・インテリジェンス)とは何なのか、解説
IT用語辞典e-WordsではBIとは次のように定義しています。
「BIとは、企業の情報システムなどで蓄積される膨大な業務データを、利用者が自らの必要に応じて分析・加工し、業務や経営の意思決定に活用する手法。そのためのソフトウェアや情報システムをBIツールあるいはBIシステムという。」
BIとは1989年にアナリストであるハワード・ドレスナーが提唱したものであり、専門家でないと扱うことの難しい従来の意思決定支援システム(DSS:Decision Support System)とは異なり、どんな人でも手軽に問題を解決できる、柔軟なデータ分析環境です。つまり、BIとは特別な教育を受けた専門家でもなくても、現場レベルでだれでも扱えます。
ここまでBIとは何か、について解説しました。次に、BIとはどのような仕組みで成り立っているのか解説します。
BI(ビジネス・インテリジェンス)を支える3つの仕組みとは
BIとは「インプット」「分析・集計」「アウトプット」と大きく3つの仕組みに分けられます。これら3つの仕組みによって、現場や経営の方針を決めるに当たってサポートなる材料を提供し、最適な方法の判断が可能となるでしょう。
インプット
ツールにデータを入れ込むことを指し、例えば売り上げデータや社員の勤怠状況など、社内のさまざまなシステムから必要なデータを持ってくることです。BIではデータの形式を問わずにインプットが可能で、異なる部門のデータの統合も簡単にできます。また、インプットを適切に行なうためにはデータベースにアクセスできなければいけないため、基幹系システムとの連携が欠かせません。
分析・集計
集められたデータを元に、売り上げ、原価、利益などの指標によってデータを分析・集計します。BIでは部門レベルから社内全体の単位まで、さまざまなレベルでの分析・集計が可能ですが、指標と規模によって、分析・集計の仕方や対象となるデータの指定が変わってきます。
アウトプット
分析・集計した結果を整えて、表やグラフ、レポートとして見やすいように出力することもBIの大切な仕組みの一つです。いくらキレイに分析・集計をして、素晴らしいデータを得られたとしても、上司や同僚に伝わらなければ意味がないですよね。BIとは業務や経営の意思決定に使われるものなので、見た目を整えてアウトプットするまでが一連の流れになります。
BIを支える3つの仕組みについて解説しましたが、では実際にどのようなBIツールがあるのか、見てみましょう。
おすすめのBI(ビジネス・インテリジェンス)ツール
BIツールを紹介します!・・・といっても、いきなり紹介されてもどう選んだらいいのかわかりませんよね。そこでBIツールの紹介に入る前に、BIツールの選び方のポイントについて解説しましょう。
BIツールを選ぶ際のポイント
ポイントは大きく二つで、導入の目的にあったものを選ぶ、利用者が使いやすいものを選ぶ、です。
BIツールはそれぞれできることや、得意としていることが異なるため、導入前に目的を社内でしっかり明確化しておくことが一つのポイントとなります。例えば、社内データを統合して見たい、データから新しい知見を得たい、シミュレーションしたい、などがあげられます。
それでは、おすすめのBIツールについて3つ紹介します。
Tableau
Tableauはプログラミングスキルなどを必要とせず、ドラッグ&ドロップのみで簡単にできることが最大の特徴の一つです。Excelでは100万行しか扱えなかったデータをTableauなら1億行以上扱うことができ、それをGoogleアナリティクス・スプレッドシート等のツールと組み合わせて使うことができます。また、リアルタイムでのビジュアル化も得意としており多彩で多様なアウトプットを可能としています。
Dr.Sum
大塚商会が開発したDr.Sumも専門知識を必要とせずに初心者でも扱いやすいBIツールの一つです。企業内のシステムのデータをExcelで扱いつつ、AI(人工知能)を使ったOCRによって帳簿をデータ化して管理します。Dr.Sumはユーザー数が増加しても更なるコストが発生しないという特徴を持っており、今後利用者が増えると考えられる場合には導入を検討するのも一つの手かもしれません。
Oracle BI
Oracle BIは導入実績が1000社以上の人気BIツールで、導入実績多数で幅広い業界で活躍しています。Excelやデータベース等のデータと連携しつつ、分析結果をわかりやすくストーリーとして解説。これまで分析に利用してきたデバイスや、スマートフォン・タブレットなどさまざまなデバイスにも対応可能で、データ分析だけではなく幅広いシーンでの活用が考えられます。
BIとは何なのか、BIツールには何があるのか見てきました。そうなると、実際にBIツールを使うメリットはどんなことがあるのかと疑問に感じる方もいますよね。次にメリットについて解説していきます。
BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを使うメリット
BIツールを使うメリットは主に次の3つです。
社内のあちこちに散らばったデータを一括で扱える
企業にはさまざまなシステムがあるのが一般的であり、システム上に散財しているデータをBIツールでは一括で集めて分析・集計ができるため、総合的に現場や経営の意思決定をサポートできます。ばらばらのデータを集めていくのは大変なので、一括で扱えるのはBIツールを導入する大きなメリットですよね。
分析・集計結果が可視化できるので現状把握が容易である
BIとは見た目を整えてグラフや表、レポートをアウトプットすることが最終的な目的といっても過言ではありません。わかりやすくアウトプットされた分析・集計結果は広く共有しやすく、社内で現状把握するにはもってこいであり、BIツール導入のメリットといえます。
早く分析・集計ができるので素早い現状確認や対応が可能である
ビジネスにはスピードが重要であり、早ければ早いほどライバルと差を付けられますよね。BIツールでは素早い分析・集計が可能であり、円滑な業務遂行を邪魔している問題や課題を発見、解決したり、得られた結果の検討に十分な時間を割くことができたりと、仕事の効率化につながります。
ここまで、メリットについて述べてきましたが、最後に、BIツールを使うに当たっての注意点を紹介します。
BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを使うときに気を付けたい点
BIツールには可視化が容易だったり、迅速なアウトプットが可能だったりとさまざまなメリットがありますが、一方でコストがかかるというのが注意するべき点です。コストは大きく分けて、導入に際しての金銭的なコストとBIツールを使いこなす訓練が必要というコストの二つになります。
というのも多くの場合、BIツールを使うにはお金がかかり、すぐに導入ができるものではありません。下手に導入してしまうと、金額に見合わない程度の業務効率化しか得られず、満足のいかないけっかになることも。投資に対して十分なリターンを得るためにも、何の目的でBIツールを使いたいのか、どのくらいの規模のBIツールが必要なのか、十分な検討しましょう。
このため、金銭的な面だけでなく、時間の面でも、BIツール導入の目的をしっかり明確化をしましょう。
その特徴から、BIツールを使うことで社内のデータを一括で扱って分析・集計できたり、誰にもわかりやすい結果を出せたり、素早い意思決定へとつながったりします。一方で金銭的コストや習得に時間がかかるなど、注意すべき点もあり、メリットを最大限に引き出すためにはBIで何をしたいのか、明確にする必要があるでしょう。
BIツールの導入には業務の効率化とお金や時間、どちらを優先するか天秤にかけることとなります。しかしBIは適切に使えば間違いなく有益な手法なので、慎重に判断してBIツールを導入し、業務の効率化を図りましょう!
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