近年、インターネット通信の高速化でネットショッピングなどのECサイトが増加、商品を自宅で簡単に受け取れる時代になりました。
しかし、通販の拡大で物流業界における業務量の増加・業務の高度化・複雑化が急速に進み倉庫内では、いかに限られたスペースで商品を配置させスピーディーな入出庫で作業を効率よくできるか日々分析・改善が繰り返されています。
現在、倉庫内ではマテハン機器(マテリアルハンドリング)というモノの保管・運搬など物流業務をする荷役機器が稼働、倉庫内では自動化・ロボティック化が進み、作業員も限られた人数配置で対応している倉庫もあるようです。
しかし多種多様の機器がある中、これらの管理はどのようにするのでしょうか?。また作業員が少なくても管理は可能なのでしょうか。
そこで今回は倉庫内管理システムの一つWCS(Warehouse Control System)にフォーカスしてお伝えいたします。
WCS(Warehouse Control System)って何?
物流業界の倉庫内では、マテハン機器(マテリアルハンドリング)という荷役機器達が活躍しています。
いわゆる倉庫内の交通整理をする警官(Traffic Cop)です。
WCS(Warehouse Control System)の役割とは
WCS(Warehouse Control System)で管理された機器はお互いにぶつかることもなく、出荷予定品の選定を間違えることもありません。
WCS(Warehouse Control System)のメリットデメリット
しかしWCS(Warehouse Control System)は倉庫内機器を管理することでどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット: 人手不足の解消
そもそも物流業界では現在人手不足が問題視されており、従業者の時間外労働の増加や休暇が取れないなどの問題も懸念されています。
メリット: 倉庫内を無駄なく活用できる
膨大な量の商品を棚から素早くみつけだすロボットや、棚ごと運びだすロボットなどが倉庫内で活躍しています。
デメリット: WCS(Warehouse Control System)は例外的な問題に弱い
日本は地震大国であり、天災などで停電の可能性も高いですよね。ですからWCS(Warehouse Control System)の運用はどういった対策が必要か考えておくかが非常に重要です。
WMSやWESとの関係
ところで現在倉庫管理には3つのシステムが存在します。
- WCS(Warehouse Control System)
- WMS(Warehouse Management System)
- WES(Warehouse Execution System)
それではそれぞれの違いと関係を見ていきましょう。
WMS(Warehouse Management System)
倉庫業務における情報管理の効率化、自動化が可能で、作業スピードの向上や人的ミスの減少、コストの削減、庫内状況をリアルタイムで把握などが可能。
WMSがリーダーでWCSはサブリーダーのような関係性ですよね。
WES(Warehouse Execution System)
マテハン機器や人の作業をリアルタイムで管理。進捗状況の管理が可能になるため現場のマネジメントレベルの向上さらにはデータの見える化で課題がどこにあるのか、改善するにはどこから始めればよいかなどが把握できます。
WCS(Warehouse Control System)のDXでの役割
今物流業界でもDXが進められています。
この流れをサイクルにすることで、新しい事業やビジネスモデルの創出、協創パートナーとのオープンイノベーション活性化が期待されています。
無人のフォークリフトやAGV(無人搬送車)などの管理がもともと可能ですが、IoT機器との連携も図り、さらに省人化の流れに沿った運用の効率化が可能になるでしょう。
今回は倉庫管理システムのWCS(Warehouse Control System)をお伝えしました。
それではまずは内容まとめです。
- WCS(Warehouse Control System)とは
倉庫内の機器に作業を指示し、コンピューター制御をしながら管理するシステムです。
- WCS(Warehouse Control System)の役割とは
倉庫内で動く機器達の交通整理を行い、
上位システムと連携し、運用パフォーマンスの改善・効率化させる役割などがあります。
- WCS(Warehouse Control System)のメリットデメリット
人手不足の解消と倉庫内スペースを無駄なく活用できるメリットがありますが、ネット環境や電気供給に依存しているため、突然の停電などには弱いデメリットもあります。
- WMSやWESとの関係
WCS(Warehouse Control System)はWMS(Warehouse Management System)から指示を受け取り、与えられたタスクを各マテハン機器に指示していく上司と部下のような関係性をもっています。
WES(Warehouse Execution System)は最新のマテハン機器を導入する際にWMS(Warehouse Management System)、WCS(Warehouse Control System)との連携でシステム補完ができるので、ヘルパー的な存在です。
- WCS(Warehouse Control System)のDXでの役割
倉庫の省人化、自動化が進むなかで機器達にAI(人工知能)が導入され、倉庫内はさらにスピーディーな流れが構築されます。
WCS(Warehouse Control System)は自動化した機器達を管理・制御・連携、そして運用の最適化という重要な役割を持つシステムです。
今回はWCS(Warehouse Control System)についてお伝えしましたが、これからの物流業界は複雑化しているお客様のニーズにこたえるため、さらに倉庫の自動化やロボティック化を進めるだけでなく、物流全体の自動化が進んで行くでしょう。
もしかすると近い未来、おうちのドアベルを荷物を持った人型ロボットが鳴らすかもしれません。そのような未来が来る様に、今の物流をさらに加速させ業界を発展させていけると良いですよね。
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