あの人は何考えているのだろう?あの人の頭の中っていったどうなっているの?なんて、誰もが一度くらいは考えたり思ったりした事ありますよね。なんとその答えを、私たちは近い将来に知ることが出来るようになるかもしれません。
頭の中(脳)でイメージしたものを機械学習を使って映像化するという実験が京都大学とATR(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)の研究者達によって行われていて、その精度がかなり良い所まで来ているそうです。もし頭の中に思い描いたイメージを映像として他人に伝える事ができるようになったら、私たちの日常のコミュニケーションがスムーズになる可能性だけでなく、例えば夢で見た内容を記録しておいたり、恋人や家族、仲の良い友達とテレパシーのような会話が出来るようになるかも、、、なんて、ちょっと未来にワクワクしますよね。
そこで今日は私たちの頭の中(脳)のイメージを機械学習で具現化する仕組みや、それによって訪れるかもしれない未来について考察します。では早速その中身を見ていきましょう。
どうやって、頭の中(脳)のイメージを具現化するの?
少し難しい話になりますが、fMRI(機能的核磁気共鳴)という人間や動物の脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する方法を使って、視覚化した人間の脳の活動を機械学習によって分析、目から入った情報を処理する脳の部位「視覚野」の神経活動をチェックして、そのデータを元に近しいイメージを構築する、といった感じです
こんな風にイメージすると分かりやすいです
・画像を見た時の人間の脳の活動情報を測定
↓
・測定した結果をディープラーニングで学習
↓
・測定結果から人間が見た画像を生成
な~んだ、見たものを写すだけなんだ。。。なんて思ってしまわれるかもしれませんが、これだけでも結構すごい事なんです、、、というかこれはまだ第一段階で続きがあります。
将来的には人間の主観的なイメージをより細かく再構成できるようになる
現時点では、写真などを見た脳の動きを機械学習で分析して「見たものを出力する」段階であると同時に、まだあまり複雑なものは再現度が低いという難点はありますが、方法が確立されているのであれば、きっと後は時間の問題ですよね。
実際に研究チームは、より研究を重ねたり、脳の機械学習の階層(作業工程のようなもの)を増やしていけば、将来的には私たちがイメージする主観的な映像を詳細に表現(脳のイメージを機械学習によって再構築)出来るのではないか、と期待しているそうです。
頭の中(脳)のイメージが機械学習によって分析完了できたなら
では、実際に脳でイメージしたものを機械学習を使って詳細に再現できるようになると、どんな事がおこるでしょうか。例えば私達の身近な所でいえば、「夢」や「忘れてしまった過去の記憶」を知る事ができるようになるかもしれません。
私達は毎晩眠る度に必ず夢を見ている、と言われていますが、その殆どは起きた時にはもう忘れてしまっていますよね。ところが寝ている間の脳のイメージを機械学習で(例えば外部に)記録しておけるとしたら、ちょっと怖い、、、かもしれませんが、割と面白かも、なんて思いませんか?夢はその人の脳の情報の整理整頓の役目と共に、深層心理を表しているとも言われていますので、上手に使えば、不要な病やトラブルを防ぐ一つの手段になるかもしれません。
とはいえ、恋人や奥様に「あなた、今何考えてるの?」と聞かれた時にはちょっと辛い思いする、、、、技術なのかもしれません。。。
さて、この脳のイメージを機械学習によって具現化するというこの技術ですが、可能不可能でいうと「いずれ可能になる」事は間違いないでしょう。
今回の「脳がイメージしたもの」だけでなく、ディープラーニングの基礎となっている技術にニューラルネットワークというものがあります。この技術は元々は、人間の脳の動きをコンピュータ上でシミュレーションしようとしたことが始まりで考案されました。
今後も新たな技術が生まれ、どんどん進歩していくのは間違いないので、私たち人間とAI(人工知能)の関係はますます切り離せないものとなっていくでしょう。ですので、AI(人工知能)をはじめとして日々進化していく技術を私達が上手に使っていけるようになると良いですよね。
参照元Deep image reconstruction from human brain activity
頭の中にあるイメージを脳の活動データから機械学習を用いて画像化することに成功