動画自動生成から人間クローン化まで、AIベンチャー3社をご紹介 | AIZINE(エーアイジン)
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動画自動生成から人間クローン化まで、AIベンチャー3社をご紹介

動画自動生成から人間クローン化まで、AIベンチャー3社をご紹介

近年、AI(人工知能)の研究開発が世界中で急速に進められていますが、この流れを牽引しているのがAI(人工知能)ベンチャーです。AI(人工知能)に限らず、ベンチャーには今後数年先の社会に技術革新を与えるような画期的な商品やサービスの提供が求められています。そんな中、日本企業の実力はどれぐらいあるのか、気になりますよね。

AI(人工知能)ベンチャーというと、米国や中国の方が一步も二歩も先に進んでいるような印象があるかもしれませんが、実は日本においても独自技術で勝負しているAI(人工知能)ベンチャーが次々と登場しているんです。

ということで、今回は動画自動生成から人間クローン化まで、日本のユニークで先進的なAI(人工知能)ベンチャー3社をご紹介します。

オープンエイト:動画素材から動画コンテンツを自動生成

動画作成のイメージ

最初にご紹介するAI(人工知能)ベンチャーは、動画自動生成サービスを提供する株式会社オープンエイトです。

このオープンエイトが提供する「VIDEO BRAIN」があれば、動画に関する専門知識がなくても、動画素材とストーリー原稿をブラウザから登録するだけで動画コンテンツを簡単に作成することができるんです。操作手順は以下のたった3stepのみです。

  1. 「新しく動画を作る」をクリック
  2. 動画のタイトルと説明文(ストーリー原稿)のテキストを入力
  3. 動画素材をドラッグ&ドロップで登録

AI(人工知能)が登録されたテキストデータと動画データを解析し、100種類以上ある動画フォーマットからお薦めを選定し、登録した説明文テキストを適切と判断した動画シーンにテロップとして割り振ってくれます。

もちろん、自動作成された動画コンテンツを後から細かく編集することも可能で、テロップ修正、画像サイズ変更、シーン入れ替え、秒数調整などの作業をPowerPointレベルの操作で行うことができます。

ちなみにオープンエイトは動画マガジン「ルトロン」を運営しており、VIDEO BRAINはルトロンの運営を通して蓄積してきたAI(人工知能)の技術(ユーザーの視聴行動分析、映像シーンのマッチング、動画自動編集など)を企業向けにサービスとして商品化したものです。

(参考)ルトロン
観光スポット、レストランおよび各種イベントなどのおでかけ情報に加えて、美容やファッションなどの女性向け動画を配信しているメディアです。アプリは100万ダウンロード超、SNSファン数は約700万、提供している動画コンテンツは約8000本以上と、国内最大級の「おでかけ」に特化した動画メディアです。
(参考)VIDEO BRAIN商品化の背景
近年、広告などへの動画の活用が広がってきており、その必要性は充分理解されつつあります。しかしながら、予算や体制の点で取り組むことができない企業が非常に多いことから、少ない予算でも簡単に動画作成できる仕組みを提供したい、という考えが商品化の背景にありました。オープンエイト代表取締役社長の高松氏は「いろいろ試してもらって、動画を利用しようという企業の裾野を広げたい」と語っています。

VIDEO BRAINのAI(人工知能)の強みは、ルトロンが保有する大量の動画およびユーザーの行動履歴の解析データにあります。特にルトロンが得意とする、雰囲気重視のイメージ動画広告のようなコンテンツ制作に強みを発揮します。

上記で述べたように、動画作成がここまでAI(人工知能)まかせでできるとなると、動画素材の選定と説明文(ストーリー原稿)で差別化を図ることになりますね。今後はどういった動画を作りたいのか、私たちには企画力がより一層求められる時代になりそうです。

ABEJA:店舗内の顧客行動を見える化

店舗内のイメージ

次にご紹介するのは、100社を超えるAI(人工知能)導入実績を元に、様々な企業に対しAI(人工知能)サービスを提供するベンチャー、株式会社ABEJAです。

このABEJAが提供している店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」は、来店した顧客の行動を可視化することができます。具体的には、店舗内に設置した複数のカメラから取得、蓄積したデータをディープラーニング技術により以下の観点で解析します。

  • 店の前を通行する人数および入店した顧客数をカウント
  • 顧客の顔画像より年齢、性別、リピート客かどうかを判断
  • 店舗内の各エリアへの立ち寄り回数、滞在時間を測定

これまで困難とされていた小売、流通業界店舗におけるリピート客の動向把握が可能になると、リピート率を店舗運営の指標として活用することができます。例えば、リピート率をPOSデータ(売上データ)と組み合わせることにより、現在のプロジェクトが新規顧客、リピート顧客のどちらに有効であったかを検証することができますよね。

さらに、店舗内における顧客の各エリアへの回遊や滞在状況のほか、実際に商品を手に取った顧客の数と、実際の売上実績との関係を分析することにより、店舗内レイアウト検討の参考としたり、レイアウト変更の効果検証に活用することもできます。

もともと、小売業では少ない人手で多くの業務をこなす必要があり、店舗運営改善については経験と勘に頼ってしまう傾向がありました。でも、AI(人工知能)を活用することにより、顧客の行動履歴データを科学的に測定、分析することが可能になるんです。

つまりABEJA Insight for Retailを活用することにより、店舗における顧客動向の計測や分析などの面倒な作業はAI(人工知能)にまかせて、顧客対応などの人間にしかできない業務へ集中することができますよね。

オルツ:全人類のデジタルクローン化を目指す

デジタルクローンのイメージ

最後に、非常にユニークなアイディアの実現を目指すAI(人工知能)ベンチャー、株式会社オルツをご紹介します。

オルツは、将来的にすべての人類が自身のデジタルクローンをクラウド上に持つ社会を目指しています。デジタルクローンなんて、なにやらSFの世界のように聞こえてしまいますが、一体どういったものなんでしょうか。

オルツがイメージするデジタルクローンは、一人ひとり専用のAI(人工知能)です。それを「パーソナルAI」と呼んでいて、次のような特徴があります。

  • クラウド上に存在し、あなたの個性(性格や特性、ものごとに対する考え方など)、過去の記憶、声や外見イメージを持ちます
  • あなたと同じような会話、物事に対する判断と対処を行うことができます

たとえば、あなたの人格をコピーして、あなたの分身をクラウド上に登録するようなイメージです。

そうすることにより、私たちが日々繰り返し行う必要のある作業、例えば、同じような問い合わせへのメール対応や、あるいは様々な会議における似たような説明や質疑応答などを、クラウド上の分身であるデジタルクローンに代行してもらえるようになります。実現すれば、煩雑な作業からかなり解放されますよね!
しかも、デジタルクローンは疲れ知らずですので、今まで私たち生身の個人では物理的に無理だと、自ら制限していた対応件数や活動範囲を大きく拡張させることもできます。

つまり様々な仕事を、自分専用のAI(人工知能)「パーソナルAI」に代行させることにより、もっと注力したい「自分にしかできない」活動に時間を割り当てることができるようになります

ところで気になる実現性ですが、オルツの代表取締役 米倉千貴氏の「ほとんどの人は信じてくれないんですけれど、20年後には”自分の心”がクラウド上に置いてあって、それをロボットにインストールしている状況が生まれていると思っています。」といった発言からは相当な自信がうかがえます。

さらに、米倉氏は「自分の祖父や曽祖父がパーソナルAIのデータとなっていて、話や相談ができるといったことも可能になります」とも語っていて、これも実現するのが楽しみですよね!オルツは今後の活躍に注目したいAI(人工知能)ベンチャーです。

ビジネス協業のイメージ

ということで、今回は動画自動生成から人間クローン化まで、日本のユニークで先進的なAI(人工知能)ベンチャー3社をご紹介しました。3社が提供するAI(人工知能)は、いずれも私たちにとって非常に頼もしい存在になってくれそうなサービスばかりですよね。

  • オープンエイト「VIDEO BRAIN」:動画素材から動画コンテンツを自動生成
    動画に関する専門知識がなくても、動画素材とストーリー原稿をブラウザから登録するだけで動画コンテンツを簡単に作成することができます。
  • ABEJA「ABEJA Insight for Retail」:店舗内の顧客行動を見える化
    店舗内に設置した複数のカメラから取得、蓄積したデータをAI(人工知能)で解析し、顧客の年齢、性別、リピーターかどうかの判断、また店舗内の各エリアへの立ち寄り状況などが把握できるため、顧客行動を科学的に測定、分析することができます。
  • オルツ:全人類のデジタルクローン化を目指す
    クラウド上に登録したあなたの分身(デジタルクローン)に定型業務を任せることにより、あなたは、あなたにしかできないことに専念することができます。

ところで、最近、日本企業に元気がありません。今まで日本メーカーのお家芸であった家電ですら、いまや主要ベンダは海外メーカーばかりになってしまいましたね。しかも、このような状況の中で海外メーカーはAI(人工知能)を積極的に活用している状況であり、今後、日本メーカーはAI(人工知能)の活用を真剣に考える必要があります。

もともと、日本企業には技術力、品質など極めて大きな底力があります。日本企業がAI(人工知能)ベンチャーが提供するサービスを積極的に活用することができれば、きっと以前の日本企業の強さを取り戻すことができるでしょう

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