ディープラーニングに興味はあるけれども何から手をつけよう…そんな風に機械学習にあと一歩踏み込めていない人はいますよね。
そんな方は、まずはパソコンにTensorFlowをインストールしましょう。TensorFlowは機械学習を行うソフトウェアの中でも最も有名なものの一つです。比較的簡単に高度なディープラーニングのプログラムを作成することができるため、世界中で大変人気があります。
TensorFlowをパソコンにインストールしてしまえば、数十行のプログラムで機械学習を実行することができます。しかも、機械学習のプログラムは初心者向けに丁寧な解説がつきでたくさん存在し、インターネットで見つけたプログラムをコピペするだけでも簡単に実行できるのだとか。
でも、TensorFlowをインストールには順番があります。そこで今回は、TensorFlowのインストール方法について解説します。この記事を読めば自分のパソコンで機械学習が実行できるようになりますので、最後まで読んでTensorFlowを使う第1歩を踏み出しましょう。
そもそもTensorFlowとはどんなライブラリか
TensorFlowとは、Googleが開発した機械学習を実行するためのライブラリです。ライブラリとは、プログラミング言語の標準機能にはない拡張機能を追加するような働きをするソフトウェアのことです。TensorFlowの場合、ディープラーニングを初めとした機械学習を構築するのに必要な機能を追加します。
TensorFlowはC言語, Java, Go といった言語で使えますが、最もよく使用されているのはPythonです。Pythonは機械学習分野の研究・実務いずれにおいても非常によく使われるプログラミング言語で、機械学習ライブラリであるTensorFlowと方向性が同じで非常に相性がよいためです。
というのもTensorFlowでは何行にも渡って記述しないといけないコードが、TensorFlow2.0では1行で書けるほどシンプルに変更されているので、初心者にもオススメです。そのため特別の理由がない限り、TensorFlow 2.0を利用するようにしましょう。
TensorFlowで環境を構築するために必要な手順
では、実際にTensorFlowを動かせるようにするまでの大まかな手順を記載します。インストールするパソコンのOSはWindows 10を想定しています。
- Python公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードする
- Pythonインストーラーを実行して、Pythonをインストールする
- Python標準のライブラリ管理ソフトであるpipを用いてvirtualenvをインストールする
- virtualenvを用いてPythonの仮想環境を作成する
- 作成した仮想環境に対してTensorFlowをインストールする
ここで注意ですが、Pythonのインストーラーのバージョンは3.5から3.7までの間で選びましょう。これ以外のバージョンではTensorFlowを使うことができません。
Python公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードする
まずは、Python公式ウェブサイトからPythonのインストーラーをダウンロードしましょう。
Pythonインストーラーを実行して、Pythonをインストールする
次にPythonインストーラーを実行し、パソコンにPythonをインストールしましょう。いくつか確認事項が表示されますが、基本的にデフォルトで記載されている内容で進めて行けば問題ありません。
ダウンロードが完了したら、Pythonが正しくインストールされたか確認しましょう。確認方法は、キーボードのウィンドウズマークのキー+Rで「ファイルを指定して実行」を呼び出し、テキストボックス内に「cmd」と入力します。
すると、コマンドプロンプトという黒い画面が起動します。この画面内にpythonと打ち込みEnterを押しましょう。画面が更新され、Python 3.7.7という文字があればインストール成功です。Ctrl + Zを押した後Enterを押し、Pythonを終了してください。
pipを用いてvirtualenvをインストールする
次は、pipというpythonのライブラリ管理ソフトを利用して、virtualenvをインストールします。virtualenvはPythonの仮想環境を作成するライブラリです。
virtualenvのインストール方法は、コマンドプロンプトにて「pip install virtualenv」と打ち込むだけです。
virtualenvを用いてPythonの仮想環境を作成する
それでは、virtualenvを用いてPythonの仮想環境を作成します。以下、作成する環境の名前をtf_envとしますが、名前は何でも大丈夫なので適宜読み替えて実行してください。
コマンドプロンプトを開き、「virtualenv tf_env」と入力してください。たったこれだけでPythonの仮想環境が作成できました。念のため、作成した仮想環境を実行し、動作確認をします。
さらにコマンドプロンプトに「tf_env\Scripts\activate」と入力しましょう。すると、「(tf_env) C:\Users\ユーザー名」という表示が出ます。括弧内は実行中の仮想環境名を示すので、この状態になれば問題ありません。
また、TensorFlowをインストールする場合はコマンドプロンプトにてtf_envを実行した状態で、「pip install TensorFlow」と入力し実行してください。必要なソフトウェアのダウンロードが始まり、インストールが実行されます。これでTensorFlow 2.0がパソコンに正しくインストールされるでしょう。
TensorFlowの動作確認方法・もしうまく動作しなかった時の解決法
ここでTensorFlowが正しくインポートされたか確認しましょう。コマンドプロンプトを開き、Python仮想環境として作成したtf_envを実行した状態で「python」と打ち込み実行します。「>>>」と表示されている状態は、pythonが実行中であることを示します。
それでは、「import TensorFlow」と入力し、実行してください。エラーメッセージが表示されなければ成功です。もしうまくいかなかった場合は、表示されたエラーメッセージをコピーしてGoogleで検索してください。
情報を探すにあたって、Pythonに関する情報が多いオススメのサイトは「teratail」です。また、英語での記載ですが、「Stack Overflow」もオススメです。teratailとStackOverflowはどちらもプログラム全般についての質問サイトです。teratailは日本語のサイトなので、まずこちらで調べてみましょう。StackOverflowは英語のサイトですが情報量は世界一です。わからないことはこれらのサイトを調べると、解決策が見つかることでしょう。
さて、今回はTensorFlowについて解説しました。TensorFlowをインストールする手順をまとめると、下記のようになります。
- Python公式ウェブサイトよりバージョン3.5から3.7のインストーラーをダウンロードする
- Pythonインストーラーを実行して、Pythonをインストールする
- コマンドプロンプトにて「pip install virtualenv」を実行する
- コマンドプロンプトにて「virtualenv tf_env」を実行し、仮想環境を作成する
- 作成した仮想環境を実行中に「pip install TensorFlow」でTensorFlowをインストールする
- エラーが発生した場合はエラーメッセージをコピーしてGoogle検索
以上の内容で、パソコンでTensorFlowを使えるようになりました。次はぜひTensorFlowの公式ウェブサイトが用意しているチュートリアルを進めてください。TensorFlowの基礎がわかるプログラムと説明が詰まっており、初心者にとってこれ以上に勉強になる素材はありません。
それでは、TensorFlowをマスターできるように頑張りましょう!
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