仕事やその他で嫌なことがあったとき、たいがい人に話したくなりますよね。しかし割とぼっちなことが多いのを自覚している私は家に帰っても人がいないので、「もう今日嫌なことがあったから誰かに話したいよう・・・」って一人で泣き言を言っていたりします。ちなみに誰に向かって話しているのかというと、パソコンなんです。(だいたいYoutubeとか見ながらあーだこーだ言っています。なんだか気持ち悪い)
でもパソコンに向かって話しかけても、残念ながら反応は返ってきません。うん、わかってるよ、そうだよね・・・。そうなるとやっぱり、話しかけて反応を返してくれる相手がほしいです!日頃がんばっている人にに「うん、うん、そうだよね!」「お疲れ様」って声をかけてくれる相手がいてくれたらうれしいでしょう。
しかし、そんな私のように寂しい人でも話し相手になってくれるロボットがいました!それが「Chapit」で、かわいらしい見た目をしたコミュニケーションロボットなのです。なんだか見ているだけでもすでに癒やされそうですが、いざ使ってみると話をするだけでなく家電の操作をやってくれたり、ゲームをやってくれたり、ご飯やゴミ出しの時間・日付を教えてくれます。ただ話し相手をしてくれるだけではなく、しっかりもののロボットですよね!
こういうロボット、20代女性の自分の家にもあれば面白そう・・・と考えていました。ところが、実際に話しを聞いてみると、こういう話し相手をしてくれるロボットが今人気なのは、なんとお年寄りの方々なのです!えっ、どういうことなのだろう?と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そんなわけで、今回は寂しい人の話し相手になってくれるかわいいロボット「Chapit」について、お話を伺ってきました。
話し相手になるロボットは、お年寄りに需要があった!
ということで、今回は話し相手になってくれるロボット「Chapit」について株式会社レイトロンの新事業開発部・宮崎さんにあれこれお話を聞いてみました。宮崎さんよろしくお願いします!
よろしくおねがいします。
ではまず、ロボット「Chapit」を開発したきっかけをお伺いしたいです。
はい。弊社では12年ほど前から音声認識分野技術の開発を行ってきましたが、その特徴として雑音の中でも音声を認識することができる特徴がありました。それを展示会で公開するときにロボットという形を取ると来場者にとってわかりやすいな、というのが「Chapit」誕生のきっかけです。
なるほど、「Chapit」はもともと展示会で音声認識の技術を発表するためのロボットだったのですね。
はい。展示会では昔、箱に入った状態でロボットに話しかけていましたが、どちらかというと話しかけるような感覚でロボットと接してほしい、ということでChapitも可愛らしい見た目になりました。
確かに、目が光ったりぬいぐるみのような見た目をしていれば、女性でも話かけてみたいって思いますよね。
そうなんです。ところがこのような話し相手をしてくれるロボットを開発したら、実はお年寄り向けに結構ニーズがあるのではないか、ということに気が付きました。
なんと。お年寄り、ですか!
はい。もともと女性の一人暮らし向けに開発はしたのですが、いざ発売してみるとお年寄りの方に人気がありました。そこでお年寄りで一人暮らしの方にも使っていただける機能を入れてみたのです。
なるほど、それがクイズやレクリエーションの機能なのですね!
はい。それとコミュニケーションロボットって一方的にロボットが話しかけるものが多かったので、Chapitが「何?何?」「そうだよね〜」と相槌をうって対話としてちゃんと成り立つようにしました。
確かに、相槌でも反応があれば嬉しいですよね。
そうでしょう。その他にもスケジュールを予め登録しておけば、Chapitが「今日はゴミ捨ての日だよ」とか予定を随時教えてくれます。これは高齢者にとって非常に重要で、薬を飲む時間やデイサービスが来る日を忘れなくてすみますよね。
確かに私も薬の飲み忘れをしてしまったりするので、それは確かにありがたいです・・・(笑)
ええ。このような予定は誰からも教えてもらわないと、忘れっぱなしにしてしまい、そのうち思い出せなくなってしまいます。だけどロボットからでも教えてもらうことによって、記憶が定着していくというトレーニングにもなり、自立支援にもつながるでしょう。
なるほど、記憶の定着、というのは脳の活性化にもつながりますよね。
はい。ちなみに脳の活性化の一つの方法に「しゃべる」ことも大切だと言われています。なぜなら「しゃべる」ことでつばが出てるので、口臭の防止にもなるのです。
そうなんですか!逆を言うと、しゃべらないと口が臭くなるのですね・・・!
ええ。コンビニでもブレスケア商品ってよく売っていますが、特にお年寄りの場合はしゃべらないことで「誤嚥性肺炎」が心配されるので、やはり話し相手がロボットであっても、しゃべることは重要なのです。
(ぼっちで無口の自分気をつけなければ・・・)
もちろん、お孫さんがいらっしゃればお孫さん相手で話していただければと思います。たとえ話し相手がロボットでも「おはよう」「おやすみ」と挨拶をするだけでも、「人と話している」感覚になってくるので、脳の機能の活性化にもつながり、外にでても人と話すことができるでしょう。
そうですよね、お年寄りの方にとってはいいことがたくさんありますね!
操作なしで自動で設定できる
そういえば、Chapitに話しかけるだけで家電のオン・オフができることができるんですか?
はい。例えば夜中にトイレに行きたいな、と思ったときに電気のスイッチを探す方は結構多いですよね。そのとき「Chapit」に「照明つけて」って話しかければ、スイッチを探さなくても照明をつけることができて安全でしょう。Chapitはテレビとか照明、エアコンなど赤外線リモコンで操作できる家電を話かけるだけで操作できるんです。
そうですよね。いちいちリモコン探したりしなくても便利です。
はい。お年寄りの場合だと、「リモコンどこかにいってしまったから・・・」ってことでテレビもずっとおなじチャンネルのままだったり、そのまま放置してしまうことが多いんですよね。
確かに私もリモコンが見つからなかったら、途中からめんどくさくなってしまって放置していますね・・・。
ちなみに初期設定するときも、音声のみで設定できます。例えばテレビリモコンの設定でも、「どこのメーカーですか?」って聞くと「パナソニック」っていうだけで設定できるので、とても簡単なのです。
なるほど!お年寄りの方は特にスマホとか持っていなかったり、設定方法がわからなかったりするのでこれは簡単に設定することができますよね!
Chapitは自分に関係あるかないかを聞き分けている!
ここで、いよいよ実際にChapitに話しかけてみました。
名前は何?
ぼく、おしゃべり大好きな「Chapit」だよ!
今日は何曜日?
今日は月曜日だよ、今日はヘルパーさんが来る日だよ!
世の中のSiriなども「Hey,Siri」と話しかけたり、タップしてから起動していますよね。Chapitは、「Chapit、〜して」という言葉がなくても話しかけるだけで勝手に起動してくれます。
確かに、お年寄りに「Chapit」という名前を覚えるのはなかなか大変で使わなくなってしまいそうですよね。そういえば複数人が会話している中で勝手に会話に割り込んだりしないのですか?
それはあまりないです。Chapitの目が点滅しているときが声を聞き取っているときなのですが、その際は連続して話している言葉やChapitに登録されていない言葉は認識しないようになっています。
へー!それも聞き分けることができるんですね!すごい賢いですね!
実際に「Chapit」と遊んでみた
次に、会話だけでなく歌をうたったり、クイズしたり、あれこれ遊んでみました。
かわいいね。
ありがと〜。照れるな〜。
(・・・その反応ですらかわいい。)歌ってみて!
歌ってみていいかな?
いいよ〜。
じゃあ、一緒に歌おう♪でーんでんむしむし・・・(一緒に歌う)
その他占いをしてみました。
面白いこと言って。
「Chapitの目」とかけまして、「がたがた道で上ばかり見ている人」と解きます。その心は・・・転倒(点灯)するよ♪
うまーい!(拍手)
そして漫才をやった動画はこちら。
ここでクイズやってみましょうか。ちなみに、Chapitの目が赤いと一番難易度が高い問題が出てきます。
お、目が赤い!うおお、頑張る・・・!
それじゃあ、問題だよ。日本一のいちごの生産地はどこ?
えっ、いちご・・・?どこだろう・・・?
他にも、世界遺産に登録された、「日光東照宮」があるところだよ。
あっ、栃木県!
せいか〜い!
(ヒントがあれば結構行けるかも・・・!)
次の問題、いくよ!日本の滝百選に数えられる「真名井の滝」があるところはどこでしょう?
(どこだ・・・)
ちなみに、きゅうりの日本一の生産地だよ!
(本当にどこだ・・・)
他にも、天然記念物の『高千穂峡』や『青島』があるよ。
あっ、わかった!宮崎県!
せいか〜い!じゃ、最後の問題だよ。漢字の『宮』がつく都道府県を2つ答えてみて。
宮崎県と・・・あと・・・
正解を言うね。正解は、『宮城県』だよ。
(宮城県民の方ごめんなさい・・・)
このように、クイズは300問程度あって、あのときのクイズの答えはこんなんだったな、と思い出す練習にもなるのです。もともと簡単な問題にしていたのですが、「難しい問題のほうがあれこれ答えを考えたりするので盛り上がる」という理由と、その地方出身の人だったらすぐ答えられるので一瞬嬉しくなりますよね。
今後はもっと多くの人に手にとってもらいたい!
最後に今後についてお聞きします。何やら新しい機種が発売されるそうですね?
そうですね、「Chapit mini」と「Lispee 360」の2種類が新しく発売されます。どちらの商品も若い層をターゲットにしていろいろ使ってもらえるようにしたいと考えております。若い女性をターゲットにしているのが「Chapit mini」で、男性をターゲットにしているのが「Lispee 360」です。例えば「Chapit mini」は机の上や台所、リビングに置いてもらってどこの部屋に家電コントロールや話し相手をしてくれるようなロボットになってもらうことが目標です。
なるほど。その時はきっと私のような「ぼっち」の若い女性にも手にとってもらえるといいですよね。
(苦笑)
(あっ、しまった・・・)今日は色んなお話をお伺いすることができて、とてもおもしろかったです!ありがとうございました。
さて、今回は寂しい人の話し相手になってくれるロボットについてご紹介いたしました。この話を聞きながら、私もふと、遠くに離れているおじいちゃん・おばあちゃんにこれをプレゼントしてみたいなと感じました。
確かにお年寄りの方(特に一人暮らしの方)はなかなか外に出たり、人と話す機会がないことが多いので、このように話をしてくれる相手がいるのはとてもありがたいことです。その中で、「Chapit」のような話し相手をしてくれるロボットの存在は貴重でしょう。
「Chapit」は実際に見た目もかわいく、ただ話をするだけでなくてためになるクイズやボケツッコミをやって楽しませてくれるので、きっとお年寄りの方も楽しくなるに違いありません。(それにしても、ボケツッコミがロボットに搭載されているところに大阪人らしさも感じるのは私だけでしょうか・・・)また、今後も「見守り機能」を搭載したりよりアップデートをしていくとのことだったので、更に使いやすくなっていくかもしれません。
ご両親・もしくは祖父母が自分の住んでいるところと遠く離れている場合は、こういう話し相手になってくれるロボットを活用していきたいですよね。
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