定年を迎えた後、あるいは突然仕事を失ってしまった時のために、資産運用しようという人も多いでしょう。高齢者の増加と若年層の減少で年金はアテにできないですから、資産を運用して増やす方法を見つけたいですよね。また若い人の中にも、収入を増やすために資産運用を考えている人も多くいます。
資産運用にもいろいろありますが、まず株取引を思い浮かべるという人は多いかもしれません。しかし株は値段が分単位、秒単位で変化し、1日で大きく高騰することもあれば、逆に大きく値下がりしてしまうこともあります。利益を取り逃がしたり、損をしたくはないですが、ニュースやチャートをずっと見ているわけにもいきません。
しかし最近では、株の取引を自動で行なってくれる「株の自動売買」というものがあります。しかもただ適当に売買するのではなく、AI(人工知能)があらかじめ設定したルールにしたがって利益を多く、損失を少なくするよう株の自動売買を行ってくれるのだとか!
そこで今回は、株の自動売買とはどういうもので、どんなメリットやデメリットがあるのか、また株に自動売買ができるサービスについて、お伝えしましょう。
そもそも株の自動売買とは
株の自動売買とは、文字通り株を自動で買ったり売ったりしてくれるシステムのこと。パソコンからも使えますし、スマホやタブレットのアプリに対応しているものもあります。使い方はとても簡単で、証券会社などで口座開設をした後、ファイルやアプリをダウンロード。あとはどのように株の自動売買をするか、簡単な設定をするだけでOKです。
しかしAI(人工知能)の進歩によって、このような小規模なニュースが与える影響も計算できるようになり、株の自動売買が可能となりました。最近では、多くの証券会社がFXだけでなく、株の自動売買のサービスを開始しています。
自動売買を株で行うメリット
株の自動売買には、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
価格の確認や取引に時間をとらなくてよい
株の取引はすべて、AI(人工知能)が判断して自動で行ってくれます。最初にあらかじめ「このラインまできたら利益を確定させる」「このラインで損切りをする」といったような、取引方法の大まかな設定をしますので、そのルールにしたがって取引をします。
利益を確実に、損失を最小限にすることができる
株取引でよくありがちなのは、売買のタイミングを逃してしまうことです。たとえば、株価が上昇した時に「もっと上がるかも」と売るのをためらったとたん、株価が下落を始めたり、逆に株価が下落した時に「すぐ上がるだろう」と思ったら、さらに価格が下がって大損してしまった、といったケースはよくありますよね。
人間はどうしても欲や不安から迷いが生じ、正確な判断ができなくなってしまうことがありますよね。しかし株の自動売買はすべてAI(人工知能)が判断しますから、設定されたルールにしたがって機械的に取引を行います。確実に利益を確定し、損失を最小限に食い止める投資の基本をきちんとしてくれますから、長い目で見れば着実に利益を積み重ねてくれるでしょう。
効率のよい取引ができる
しかし、株の自動売買ではそのような情報収集は必要ありません。AI(人工知能)は日々、あらゆる株に関するニュースを取得し、情報を蓄積していきます。それをもとに売買に最適な銘柄を自動で選択してくれるのです。
資金に余裕があるなら、利益になる可能性の高い銘柄をいくつも並行して売買し、利益をさらに上積みすることもできます。
自動売買を株で行うデメリット
株の自動売買はメリットばかりでなく、デメリットもあります。どんなデメリットがあるのか、見ていきましょう。
優秀な自動売買システムほど高額である
現在、株の自動売買を扱う証券会社が多くなってきましたが、その信頼性には大きな幅があります。優秀なAI(人工知能)を導入し、細かな設定が可能なシステムは、当然ながら利用料が高額になります。
短いスパンでは損失になることもある
株の自動売買は、あらかじめ決められた設定にしたがって機械的に取引を行います。気になって証券会社にログインしたら、「え、こんな銘柄買っちゃって大丈夫なの?」と不安になってしまうこともあるでしょう。
また、経済全体の状況によっては利益になりにくいことも。たとえば、平均株価が大きく下落している状況で、値上がりに期待できない株を買うことはできませんから、結果として損切りの方が多くなり、月単位程度の短いスパンでは収支がマイナスになってしまうこともあるのです。
また、AI(人工知能)がいくら優秀とはいっても、あまりにも急激な市場の変化には情報の取得が追いつかず、対応しづらいという弱点もあります。
インターネット環境の左右されやすい
株の自動売買に、インターネット環境は必要不可欠です。システムが株を売買するために取引所に注文を出す時、どんな銘柄を売買したか利用者に知らせる時、株についての情報を取得する時など、あらゆる状況でインターネットにアクセスする必要があります。
インターネット環境が悪かったり、証券会社のサーバが弱かったりすると、回線の混雑やシステムトラブルによって、売買が正しく行われない可能性があります。
株の自動売買サービス
現在行われている株の自動売買サービスの中から、おすすめのものをいくつかピックアップしてみました。
初心者でも使いやすい「イザナミ」
有限会社ツクヨミによる株の自動売買システムが「イザナミ」です。「安値更新」「短期急騰」といった基本ルールだけでなく、細かな条件が設定された売買ルールが公式ページに公開されており、それらをすぐに使うことができます。
1ライセンスで最大3台までのパソコンで使うことが可能。家のパソコンだけでなく、ノートパソコンを使って外出時や旅先でトレードの様子を確認したり、設定を変更したりすることもできます。
自動売買のパイオニア「AUカブコム証券」
auカブコム証券は自動売買のパイオニア的存在で、「リスク管理追求型サービス」を追求し、多数の特許も取得しています。最大の特徴は、他の証券会社では選択できない多彩な注文方法があることです。
たとえば、最初の注文が約定したら、続けて次の注文を発注できる「リレー注文」や、現物・信用・オプションといった複数の注文を一括で行う「バスケット注文」といった注文方法を選択できます。
面倒な設定が一切いらない「K-system」
株式会社K-systemが提供している株の自動売買サービスです。投資における願望である「簡単」「勝手に」「管理」「勝ち逃げ」「快感」という5つの「K」を実現させました。
中でも最大の特徴は、他の自動売買サービスで必要なこまごまとした設定が一切不要であることです。K-systemでは、「最適化」ボタンをクリックするだけで設定はすべて完了。導入したらすぐに取引ができますし、日々設定をチェックする必要もありません。
売買ルールを自分で作れる上級者向け「トレードステーション」
これは、アメリカのトレードステーション社が開発した「トレードステーション」の株自動売買システムを、マネックス証券が日本国内で販売しているもの。売買ルールを自分でプログラムすれば、100%自分の思い通りに株の自動売買ができるのが特徴です。もちろん最初から選択できる設定もありますし、自動売買のシステムを外して買い時・売り時のシグナルを教えてくれるだけという設定にすることもできます。
設定などの操作はパソコンのみで、スマホアプリは自動売買の経過を閲覧することができるのみとなっていますが、「VPS」という外部サーバーを使えば、パソコンの電源を入れなくても自動売買をすることができます。
さて、株の自動売買とはどういうもので、どんなメリットやデメリットがあるのか、また株に自動売買ができるサービスについて、お伝えしました。
- 株の自動売買はパソコンやスマホ、タブレットから行うことができ、設定さえしておけばAI(人工知能)が自動で最適な銘柄を売買してくれるシステム
- 株の自動売買のメリットは「時間を取らない」「利益を確実に取り、損失を最小限にしてくれる」「効率よく売買できる」
- 株の自動売買のデメリットは「優秀なシステムほど高額」「短いスパンでは損失が出ることもある」「インターネット環境に左右されやすい」
- 株の自動売買でおすすめなのは「イザナミ」「AUカブコム証券」「K-system」
これまで株取引といえば、テレビや新聞を片手にチャートを凝視し続けるというイメージでしたが、現在では自分自身は何もせず、株の自動売買システムに取引をすべて任せるというやり方もあります。
株の自動売買は、株の知識がなくても株取引ができる便利なもの。これからますます資産運用は重要になりますから、ぜひ株の自動売買システムを使って株取引をはじめるのも一つの手かもしれません。