知らないと損するSiri。AIはここまで進化していた!! | AIZINE(エーアイジン)
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知らないと損するSiri。AIはここまで進化していた!!

siriのイメージ

みなさんにとって最も身近なAI(人工知能)といえば「Siri」ですよね。特徴的な「Hey Siri」の呼びかけでスマートフォンを操作できる音声アシスタント機能は、Apple社のトレードマークとも呼べるものでした。しかし、現在では後発のAmazon社のAlexaやGooogle社のGoogle Assistantなどにシェアを奪われおり、機能面においてもこれらに後塵を拝しているデータも出てきています。

特にスマートスピーカーに関してはAmazon社のAlexaが、同社のAmazonプライムなどのサービスと連携することで、世界市場の1つである米国では圧倒的といってよいシェアを獲得し、なお、具体的なその割合については2018年9月末のデータでシェアは70%。一方でApple社のAI(人工知能)「Siri」を搭載したスマートスピーカーは5%とかなり差がついているのです。

そんな残念なニュースの多いApple社のAI(人工知能)「Siri」ですが、命令系の機能について他社のAI(人工知能)よりも優れているなど明るいニュースもあります。また、機能面では大きな進化もあり、まだまだ見どころもあるのです。

そこで今回は、現在のApple社のAI(人工知能)「Siri」が以前に比べどのような進化をしているのかを説明し、最後には今後のApple社のAI(人工知能)「Siri」がどうなっていくのかをお伝えしていきましょう。ぜひ、現在のApple社のAI(人工知能)「Siri」がどうなっているのかを知ってください。

音声がより人間らしく

音声のイメージ

Apple社のAI(人工知能)「Siri」といえば、明日の天気がどうなっているかを聞けば音声で読み上げて答えてくれますよね。実はこの読み上げ機能に関しては音声合成技術が進んだことで、以前に比べるとまるで人間がしゃべっているようなものとなっているのです。

具体的には英語の音声がバージョンがiOS 9の時には、耳を澄ませて聞いてみるとまだ作られたロボット感が出ていますが、iOS 10ではその違和感がなくなっており、iOS 11においては流暢さがはっきりと出ています。そのため、AI(人工知能)である「Siri」は機械であるのにも関わらず、人間と話しているように感じられます。

なお、なぜこのように音声がより人間らしく進化したのかといえば、それまであった音声合成技術にAI(人工知能)の技術であるディープラーニングを組み合わせたから。まず、それまであった音声技術というのは以下のようなものです。

  1. 規則合成
  2. 波形接続型音声合成
  3. 統計的パラメトリック音声合成
それぞれを説明していくと、1に関しては古典的な音声合成技術になり、実際の音声でなく基本周波数などから音声を生成する方法。ただし、今では技術的に古く使われることはまずありません。
次に、2に関しては録音された音声を基にして音声を合成していく方法です。こちらは録音された音声に近い言葉であればきれいに出力ができますが、そうでなければ上手くいかない問題がありました。
最後に、3に関しては録音された音声から特徴を取り出したモデルを作り、そこから音声を合成していく方法です。AI(人工知能)の技術であるディープラーニングが生まれるまでは、この手法の中でも隠れマルコフモデル(HMM)という、日本生まれの技術が使われていました。

しかし、AI(人工知能)の技術であるディープラーニングが生まれ、広まっていく中で神経回路をモデルに作られたニューラルネットワークを用いて音声合成を行う方法が生まれたのです。こちらはGoogle社が論文として発表したもので現在主流となっている方法。

そして、Apple社のAI(人工知能)「Siri」の音声が人間に近くなったのも、このニューラルネットワークを用いて音声合成を行う方法を利用してシステムを作ったからで、これにより言葉の印象の向上はもちろんのこと、言葉に表現力などを持たせることに成功しました。そのため、音声がより人間らしく感じられるようになったのです。

以上のようにApple社のAI(人工知能)「Siri」は音声関連が進化しています。

これらについて興味があれば、どのような進化を遂げているのか、一度Siriに実際に聞いてみるとよいでしょう。そうすればその凄さが分かります。

日本語から英語への音声翻訳が可能に

英語のイメージ

世界的なスマートフォンのシェアをみていくと、Apple社が強く支持されているところがあります。それがどこかといえば実は日本。

詳しくデータをみていくと、2012〜2019年までで多くの場合Android系のスマホよりもiPhoneが50%以上シェアを獲得しています。

つまり、日本国民はApple社のiPhoneを愛用していたのです。しかし、そのような状況があるにもかかわらず、一部の機能においては冷遇されていたところがあります。それは音声翻訳機能についてです。

どういうことかといえば他言語と英語との間で相互音声翻訳機能はあったのですが、日本語と英語ではありませんでした。そのため、外国人と意思疎通を図るなどといった状況で、Apple社のAI(人工知能)「Siri」を使って翻訳を行うことはできなかったのです。

しかし、iOS 12よりこの機能が日本語にも対応されることになりました。

ご存知のように日本では2019年には国際的なイベントであるラグビーワールドカップが開催され、翌年2020年にはオリンピックの開催が控えています。せっかく日本に来てくれる海外の人とコミュニケーションを取りたくても語学力がないとあきらめていた人も、今後はApple社のAI(人工知能)「Siri」を使えばそれができるでしょう。

なお、詳しい使い方については以下のようになっています。

  1. 「Siri」を呼び出す
  2. 翻訳したい内容を話す
  3. 2の文章を翻訳してほしいと言葉で付け加えておく
以上の簡単な手順をバージョンがiOS 12のiPhoneで行えば、AI(人工知能)「Siri」が日本語と英語を相互翻訳してくれます。

単純な単語はもちろん会話も翻訳できるので、英語の勉強や上のような状況でぜひ使ってその進化を体験してみましょう。

Siriのスマートスピーカー「HomePod」が発売

HomePodのイメージ

スマートフォンが世の中に登場し、当たり前の存在となっていく中でApple社のAI(人工知能)「Siri」は大きな脚光を浴びていきました。しかし、冒頭でも触れたように他社が参入してくるようになり、近年ではその世界シェアを明け渡しており、OSのシェアにおいてもGoogle社のandroidの勢いは目覚ましいものがあります。

また、音声アシスタント機能はスマートフォンだけでなく、スマートスピーカーとしても広く使われるようになってきました。こちらに関しては成長率が非常に高くなっており、企業としてもこの分野への重要度は高いのです。なお、シェアでみていくとAmazon社が1位となっており、その後をGoogle社や中国系企業が追いかけています。

この流れに対してApple社もAI(人工知能)「Siri」のスマートスピーカー「HomePod」を投入しており、日本市場においても発売されることになったのです。こちらの特徴としては以下のような点があります。

  1. 空間認識能力によって最適なサウンドを提供する
  2. 他のiOSデバイスを自動検知する
  3. 操作は全て「Hey Siri」で完了する
説明していくとまず、1のサウンドについてはHomePodが空間認識能力により設置される場所の環境を検知することで、どこに置いたとしても良質のサウンドを楽しめるのです。そのため、HomePodをどこに置けばよいのかを悩む必要はありません。
また、2にあるようにiOSデバイスを自動検知して連携できるため、iPhoneで聴いていた曲をそのままHomePodで再生するといったことができます。こちらに関してはHomePodにiPhoneや他のデバイスを知被けるだけ。
さらに、3にあるようにすべての操作はAI(人工知能)「Siri」の「Hey Siri」の呼びかけから行うことができるのです。そのため、「Hey Siri音楽掛けて」、「Hey Siri明日の天気は?」など自由に呼びかけて使ってください。

Apple社のAI(人工知能)「Siri」を利用できるスマートスピーカー「HomePod」があれば、みなさんの生活は今よりも快適なものになるでしょう。Apple社のAI(人工知能)「Siri」の進化については以上になります。

HomePod

 

iPhoneのイメージ

今回紹介したことはあくまでも現在のAI(人工知能)「Siri」の一部分でしかありません。したがって、興味が出てきたのならまずは試してみてください。

最後に、現在のApple社のAI(人工知能)「Siri」がどうなっているのかをお伝えしていきます。上でも触れてきましたが、Apple社のAI(人工知能)「Siri」の現在の状況はあまりよくありません。

これに関してはスマートフォン、スマートスピーカーのシェアをみていただければ一目瞭然です。そのため、Apple社ではこれまで手を出してこなかったスマートスピーカーの商品をリリースしたり、AI(人工知能)「Siri」を他社の製品に協力したりしています。

また、Apple社自体の意識も変わってきているのです。どういうことかといえばこれまででは機械学習のチームとAI(人工知能)「Siri」を扱うチームは別個の存在でした。しかし、それを1つのチームとして扱い、そのトップをかつて革新的な技術を生み出して企業に所属していたエンジニアに託したのです。

このことを考えてみれば、どれくらいApple社が本気になっているのかがわかるでしょう。現在は劣勢の状況を迎えているApple社とAI(人工知能)「Siri」ですが、今後どのようになっていくのかに注目してください。

きっとより進化したAI(人工知能)「Siri」とそれに関係する素晴らしい製品がリリースされるでしょう。

コメントをどうぞ

  1. 通りがかり より:

    細かいことで恐縮ですが、「iOS 10」のように「iOS」とバージョンナンバーとの間にはスペースが必要です。

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