これからプログラマーを目指している方やすでに現役で活躍されている方にとって、Pythonの資格は取得しておきたいですよね。
現在プログラミング言語の数は200とも300とも言われています。その中でも習得したいプログラミング言語として多くのIT関係者から名前が出ているのがPythonです。
その理由にはWebサービス、アプリの多くにPythonが使用されていることや、最近さまざまな分野で活用され始めているAI(人工知能)開発でも使用されていることが挙げられます。そしてそれにともないPythonを扱えるプログラマーの求人数も増えているのです。
しかしプログラマーになりたくてそれらの求人に応募しても自分が持っているPythonのスキルを証明するのは難しいでしょう。ですからPythonの資格を取得しておけば自分のスキルを証明できます。
ではPythonの資格を取得するためにはどうすればいいのでしょうか。
そこで今回は、現在あるPythonの資格試験の種類と、それぞれの試験内容と勉強方法についてお伝えします。
Pythonの公式資格試験とは
現在、さまざまな業界で、その道のスキルを証明するために資格が設けられていますよね。そしてそれらの資格は大きく国家資格と民間資格に分けられます。
一般的な見方で国家資格と民間資格を比べると国家資格のほうが優れているイメージがありますよね。
しかし、現在あるPythonの資格は日本国内に2つ、海外に4つありどれも民間資格。ですがどの資格も取得することでPythonのスキルを十分に証明できる公式資格です。
国内で受験できるPythonの公式資格
現在日本国内で受験できるPythonの資格は、⼀般社団法⼈Pythonエンジニア育成推進協会が実施している「Python3エンジニア認定基礎試験」と、2020年の春から実施予定の「Python3エンジニア認定データ分析試験」。
この資格はまだ新しい資格ではありますが、Pythonの入門試験とも言える内容なのでこれからPythonを学び始める方にとっては知識を深めるキッカケになり、そして資格を取得すればPythonのプログラマーとしてのスキルを証明できます。
この資格はまだ未実施なのでその全容はつかめませんが、「Python3エンジニア認定基礎試験」とともに公式サイトに概要が掲載されているので下記のURLからご覧ください。
海外で設けられているPythonの資格
そして海外には「Python Certifications(パイソン・サーティフィケーション)」というPythonの資格があります。
そして注意していただきたいのは、海外の資格なので試験問題はすべて英語表記になっているので、問題を理解するための英語力が必要だということです。
そのためPythonの知識や技術も求められますが、それ以前に英語⼒も求められるので高い難易度の資格試験だと言えます。
Python Certificationsに関する詳細については下記の公式サイトをご覧ください。
OpenEDG Python Instituteの公式サイト
Pythonの資格を取ることのメリット
現在Pythonは、AI(人工知能)開発の中心的なプログラミング言語を担っていることもあり、2019年に実施された⽇経XTECHによる「今、どの資格を取るべきか」の調査結果でPython3エンジニア認定試験の名前が3位にあがりました。この結果からもPythonに対する注目度と資格の取得が重要視されていることが伺い知れますよね。
これまでIT業界では資格ではなく経験年数と持っているスキルが問われていましたが、先ほど紹介した調査結果からもPythonの資格を取得したいと考えている方が多く、それはIT業界で求められたいることだと言えるでしょう。
そしてPythonの資格を取得すれば次のようなメリットが得られます。
試験勉強でPythonについて効率よく学習できる
現代ではインターネット環境が整っていれば誰でもプログラミングを始められます。しかし初心者だと「どこから学び始めればいいのだろう」と迷ってしまいますよね。
Pythonに関する自分のスキルを証明でき高収入にもつながる
日経XTECHの記事によると15の主要開発言語を年収でランキングにするとPythonエンジニアは第6位で平均608万円の上位に入っています。
Pythonの公式資格試験の出題範囲
世界的に有名な中国の兵法書である「孫子の兵法」の中に「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」という教えがあります。これは「向かう相手の状況と自分の実力を知ることで、どんな戦いでも負けない」という意味です。
そして出題範囲を知ることが合格への第一歩になるのです。それではそれぞれの資格試験の出題範囲を見ていきましょう。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験では主に文法の基礎を問う試験内容です。
この本ではPython入門者のためにPythonに関する基本的な機能から特徴的な機能を解説し、Pythonの全体像をつかみやすくしています。
Python3エンジニア認定基礎試験は2017年の6月から実施されその合格率は70~80%と言われており、比較的に難易度が低いと言えるで「Pythonチュートリアル 第3版」でしっかりと基礎を身につければ確実に合格へ近づけるでしょう。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、主にPythonによるデータ分析の基礎や方法を問う試験です。
まだ実施されていないのでどの程度の難易度かは不明ですが、Python3エンジニア認定基礎試験と同様に主教材の「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」の内容をしっかりと学習しておきましょう。
Python Certifications(パイソン・サーティフィケーション)
Python CertificationsでEntry(エントリー)の試験「PCEP」は日本のPython3エンジニア認定基礎試験と同じで基礎を問う試験です。
Python Certificationsについては試験問題の情報が少なく合格率も不明ですが、Pythonが国内と海外で違いが出ることはないので、先にお伝えした国内資格と同じように基礎を身につけ、そこからレベルを上げて行きながら学習を進めることが大切です。
Pythonの資格試験に対する勉強⽅法
お伝えしたようにPythonの資格は国内と海外の資格はともに段階的に各資格が設けられているので、それぞれのレベルに合わせた勉強を行わなければなりません。
ここではそれぞれの各資格試験に合わせた勉強方法についてお伝えします。
「Python3エンジニア認定基礎試験」
Python3エンジニア認定データ分析試験の勉強方法については試験問題が認定教材の「Pythonチュートリアル 第3版」から出題されていることがポイントです。
- 「3章 気楽な⼊⾨編」が6問で出題率が15.0%
- 「4章 制御構造ツール」が9問で出題率が22.5%
- 「5章 データ構造」が7問で出題率が17.5%
上記の3つの章については特に重点的に勉強をしておきましょう。
過去に実施されたPython3エンジニア認定基礎試験では70~80%と高い合格率を出していますので、「Pythonチュートリアル 第3版」の内容を理解することで確実に資格取得へ近づけます。
また公式サイトでは参考教材としてオンライン学習サービス「PyQ」とオンライン講座「Python入門2020」が紹介されており、これらのサービスも利用することでPythonを効率よく勉強していけるでしょう。
「Python3エンジニア認定データ分析試験」
Python3エンジニア認定データ分析試験の試験問題は「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」から出題される予定です。
ライブラリによる分析実践
- 4-1 NumPy 出題は6問 問題割合15.00%
- 4-2 pandas 出題は7問 問題割合17.50%
- 4-3 Matplotlib 出題は6 問 問題割合15.00%
- 4-4 scikit-learn 出題は8 問 問題割合20.00%
他の章と比べても断然、出題割合が多いのでライブラリについてはしっかりと学習してください。
また実際に勉強していくと理解の難しい事柄も出てくるので、Pythonオンライン学習サービス「PyQ」など利用して効率を上げましょう。
「Python Certifications」
海外の資格試験「Python Certifications」は公式サイトを見ても参考教材や勉強方法についての紹介は見当たりませんでした。
どの資格試験も参考書や学習サービスなどを利用して勉強をしていくことが合格への近道。そしてもう一つ大切な勉強方法がプログラミングの実践です。
参考書や学習サービスにはプログラミングの実践が学習内容に盛り込まれているので、その解説にしたがいプログラミングを行うとより分かりやすくなります。
前章で紹介した孫子の言葉の「己を知れば百戦危うからず」が資格試験の勉強方法です。Pythonの勉強方法には複数ありますが、その中から自分に合った方法を選択して学習していきましょう。
Pythonの資格試験におすすめの参考書
そして最後にPythonの資格試験におすすめの参考書をご紹介します。
各資格試験の勉強方法には参考書やオンライン講座、オンライン学習サービスなどの選択肢がありますが、まずは参考書を購入して学び始める方が多いのではないでしょうか。
「Pythonチュートリアル 第3版」ではPythonの基礎について解説していますが、実際に本を開いていてみるとまったくの初心者にはもう少し噛みくだいた内容が必要だと感じました。
そこで上記の2冊以外で勉強に役立つ参考書を紹介します。
Python3エンジニア認定基礎試験におすすめの参考書「Pythonスタートブック」
プログラミングと聞くだけで数字や英字、記号が羅列したコードをイメージしてしまい、それだけで難しく感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。
Python3エンジニア認定データ分析試験におすすめの参考書「Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書」
Python3エンジニア認定データ分析試験ではPythonを使用してデータ分析を行うスキルが求められ、主教材になっている「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」を理解することが大切です。
「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」でも統計学について解説がありますが、もう少し踏み込んで学びたい方には「Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書」がおすすめです。
はじめてPythonのデータ分析を学ぶ方にとって次の3点は特に知りたい内容です。
- データをどのように分析するのか
- なぜそのように分析するのが良いことなのか
- Pythonを使ってどのように分析するのか
「Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書」ではこの3点を重点的に解説しています。そしてデータ分析に必要な統計学について知識がゼロの状態でも学びやすい内容なので参考にしてみてください。
現在Pythonの資格は国内では2資格、海外だとポーランドの団体が実施している4資格があります。そして海外の資格ではPythonの技能に加えて英語力も必要になるので必然的に難易度は高くなります。
国内の各資格試験では主に主教材の参考書から出題されると分かっているので試験勉強がしやすく、また「Python3エンジニア認定基礎試験」では70~80%の合格率が出ているので比較的低い難易度だと言えます。
しかし低い難易度だと言っても、努力をせずに取得できるような資格ではありません。
また勉強は資格を取るためにするのではなくPythonを理解するためにしていくことが大切です。
そしてそれが自分自身の能力にとなっていき、その先にはPythonの資格とPythonについて本当に理解できた自分が待っています。
Pythonはその使い勝手の良さからさまざまなWebサービス、アプリなどの開発で使用され、そして現在活発に開発されているAI(人工知能)は主にPythonがプログラミングで使用されており、これから先を考えてもPythonの重要度は変わりません。ですからPythonの資格を持つメリットはこれからもっと高くなると予想できます。ぜひ今のうちに資格を取得しておきましょう。