2020年からの小学校でのプログラミング必修化により、プログラミングへ関心を示す人が大人、子供共に増えましたよね。なかでも、他のプログラミングとは違った面白さがあるプログラミングロボットは現在とくに注目を集め、子供から大人まで幅広い年齢層のあいだで遊ばれ、学びの教材とされています。プログラミングロボットには他のプログラミング教材とは違った楽しさがあるため、人気があるでしょう。
とはいえ、「そもそもプログラミングロボットってなんだろう?」「プログラミングロボット教材はどんなところがすごいの?」「どんなプログラミングロボットの教材があるんだろう?」といった疑問を抱く人も少なくないですよね。そこで今回は、プログラミングロボットの優れた点やどのようなものがあるのかを紹介します。
まずは、そもそもプログラミングロボットとはどのようなものであるのかについて解説しましょう。
プログラミングロボットって何
プログラミングロボットとは、プログラミングで自由に命令を作ってロボットを思い通りに動かすこと、またはそのロボットです。プログラミングと聞くと、パソコン上でプログラムを書き、パソコン上で実行する、というパソコンで完結する形式を想像される人も多いですよね。しかし、プログラミングロボットでは、プログラムが実行されるのはロボットで、目の前で動かして楽しめます。これがプログラミングロボットのポイントで、この動きがわかりやすいことがプログラミング教材にはプログラミングロボットが多い理由でしょう。
子供がいる場合や、趣味としてプログラミングを楽しんでいる人にとって、プログラミングロボットはぜひとも触れてみたいですよね。次に、プログラミングロボットのメリットについて解説します。
ロボットをプログラミングするメリット
プログラミングロボットの特徴はなんといってもロボットを使っている点であり、さまざまなメリットがあります。ロボットをプログラミングすることで得られる主なメリットは次の3つです。
プログラムの結果が目に見える
プログラミングは一般的にパソコン内ですべて完結してしまうため、画面上に結果が表示されるとはいえ、なかなかプログラムを作った実感がわかないですよね。とくに子供にとって通常のプログラミングから面白さを見つけ出すのは難しいことでしょう。プログラミングロボットでは、現実世界でロボットが動く様子を確認できるので、直感的にわかりやすくプログラミングを楽しめます。
ロボットが動く姿が楽しい
プログラミングロボットで扱われるロボットはさまざまで、ユニークなものもたくさん。ロボットが動く姿にかっこよく思ったり、驚いたり、かわいらしく思ったりするかもしれません。また自分でロボットを組み立てたり、自分が作ったプログラムを通して命令したりするため、愛着も湧くでしょう。
想像力や論理的思考力が養われる
どのような手順でプログラムすれば目の前のロボットを想像通りに動かせるか考えること、実際に動かしたものが思い通りに動いているか確認すること、創造通りの動作をしない場合にどのような修正を施せばいいのか検討すること、などやることがたくさんあり、想像力や論理的思考力が鍛えられます。
このように、ロボットをプログラミングすることには娯楽的な要素でも、勉強的な要素でもメリットがあるでしょう。さて、この次からおすすめのプログラミングロボットを紹介します。まずは初心者向けから見ていきましょう。
初心者向けプログラミングロボット4選
おすすめの初心者向けのプログラミングロボットは4つです。
PETS
木製のプログラミングロボットで、背面にブロックを押し込んで動く方向をプログラムします。単純な仕組みですが、プログラミングに大切な、順次処理、反復処理、分岐処理を学ぶことが可能です。また、PETSはパソコンやタブレット要らずで手軽に使えるようになっているため未就学児でも扱いやすく、公式に対象年齢も3歳後半となっているので、子供のはじめてのプログラミングに適したプログラミングロボットでしょう。
Cubetto
可愛い顔が書かれた木製のプログラミングロボットで、イギリスのPrimo Toys社が発売しています。まっすぐ進む、右に90度曲がる、左に90度曲がるといった指示を意味するブロックを専用のボードにはめることでロボットに指示を出すことが可能です。わかりやすい仕組みとなっているため、幼稚園生から小学校低学年の子供まで楽しく遊べるプログラミングロボットとなっています。
LEGO®BOOST
レゴブロックで有名なLEGO社が開発したプログラミングロボットで、レゴブロックの要領で好きなようにロボットを組み立てることが可能です。作ったロボットはタブレットやスマートフォンでプログラムすることで動作できるので、レゴファンには夢のように感じるに違いありません。レゴ好きな子供にはとても良いプログラミングロボットでしょう。
embot
embotはNTTドコモ、インフォディオ、タカラトミーが共同でプロジェクトを立ち上げ、開発したプログラミングロボットで、ダンボールを組み立て、電子モーターを接続することでロボットが完成します。できあがったロボットは専用アプリで5段階にわかれたプログラミング例をもとにプログラムを組むことが可能です。段ボールの組み立てもプログラミングも簡単にできるので、初心者向けのプログラミングロボットといえるでしょう。
中級者向けプログラミングロボット3選
初心者向けプログラミングロボットで少しずつプログラミングに触れてきたら、中級者向けにレベルアップしましょう。おすすめの中級者向けプログラミングロボットは3つです。
ROBOTAMI
2011年に韓国で開発されたプログラミングロボットで、レゴブロックのようにロボットを組み合わせて作り、さらにさまざまなモーターなども組み合わせるため複雑な動きが可能です。ROBOTAMIには入門、初級、中級、上級の4つのレベルがあり、ロボット制作から始まり、徐々にプログラミング要素が増えていき、最終的には複雑な動きができるようになります。ある意味、情報工学的な学びと機械工学的な学びがあるプログラミングロボットでしょう。
micro:bit
micro:bit財団が開発したプログラミングロボットで、ロボット本体はいわゆるメカの形をしていない、片手サイズの電子基板のようなフォルムをしています。前後に動かすなどはできませんが、LEDがついていたり、光や温度のセンサーがついていたり、コンパス機能がついていたりと意外と高機能なロボットです。例えばLEDとコンパス機能を組み合わせて特定の方角を向いたときに光らせるといったことができます。
LEGOマインドストームEV3
LEGO®BOOSTと同じくLEGO社のロボットプログラミングで、レゴブロックの要領で自由にロボットを作り、インテリジェントブロックという電子パーツで動作させます。サンプルプログラムやチュートリアルも充実して、始めるにあたってのサポートが手厚いのはうれしいですよね。
また、LEGOマインドストームEV3はビジュアルプログラミングも可能ですが、PythonやC#といった本格的なプログラミング言語を使うこともできます。
上級者向けプログラミングロボット3選
本格的にプログラミングをやってみたい!という人には上級者向けのプログラミングロボットがおすすめ。おすすめの上級者向けプログラミングロボットは3つです。
Rapiro
機楽株式会社が企画開発をおこない、株式会社スイッチサイエンスと株式会社ミヨシが開発協力してできあがったプログラミングロボットで、25cmの2頭身で可愛い人型ロボットとなっています。ロボットの組み立ては比較的簡単ですが、プログラミングはArduinoという環境でおこなう必要があり、やや難易度が高いです。しかし、その分できることも多く、本格的なプログラミングを楽しむことができます。
mBot
Makeblock社が開発したプログラミングロボットで、ビジュアルプログラミングもArduinoでの開発も可能です。初心者でも取り組みやすいプログラミングロボットですが、拡張キットによりロボットをグレードアップさせたり複雑な動作を可能にさせたりできるので、上級者だとより楽しめるでしょう。また、値段は15,000円程度と同機能の他のプログラミングロボットと比較して低価格であるのもうれしいですよね。
toio
最後に紹介するプログラミングロボットはtoioで株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントが開発しました。toioはキューブと呼ばれる小さなブロックに動き方をプログラムさせることでさまざまな遊び方ができます。レベルに応じてビジュアルプログラミングを使ったり、JavaScriptなどの本格的なプログラミング言語を使ったりすることが可能です。
さて、今回はプログラミングロボットの優れた点やどのようなものがあるのかを紹介しました。プログラミングで自由に動かすプログラミングロボットには次の3つのメリットがあります。
- ロボットなので画面越しではなく現実としてプログラムの結果が目に見える
- 可愛かったりかっこよかったりと。ロボットの動く姿が楽しい
- ロボットの組み立てやプログラミングを通して、想像力や論理的思考力が養われる
今回紹介したおすすめのプログラミングロボットは全部で10つでした。
●初心者向け4選
- PETS:木製で、他に必要なものなく背面にブロックを押し込んでプログラムできる
- Cubetto:木製のロボットに、専用のボードとブロックを使って指示を出す
- LEGO®BOOST:レゴブロックの要領でロボットを組み立てることができる
- embot::ダンボールのロボットで、5段階のレベルでプログラミングができる
●中級者向け3選
- ROBOTAMI:複数のパーツやモーターなどを組み合わせ、複雑な動きが実現可能
- micro:bit:LEDやセンサーのついた電子基板の形をした高機能なロボット
- LEGOマインドストームEV3:ビジュアルプログラミングだけでなくPythonやC#も使える
●上級者向け3選
- Rapiro:人型ロボットでArduinoにて本格的なプログラミングが可能
- mBot:拡張キットによりできることが増え、初心者でも上級者でも楽しめる。
- toio:小さなブロックに動き方をプログラムさせる
プログラミングスキルがますます必要となると予想される日本社会ですが、プログラミングロボットは慣れ親しむのに良いきっかけとなります。この記事で紹介したプログラミングロボットで、子供の学習を促したり、自分の趣味を広げたりしましょう。