Pythonを知らないという方の中には「pip」という言葉を初めて聞いたという方もいますよね。
pipは、Windowsはもちろんのこと、Macにもインストールすることが可能。
そこで今回は、「pipとは何なのか?」から、pipをMacにインストールする方法、そして使い方まで、詳しくご紹介します。
MacでPython開発をするなら、ぜひ知っておきたい内容ですので、Macユーザの方はこの記事を読んでpipのインストールにチャレンジしてみましょう。
Pythonパッケージ管理ツール「pip」とは
「pip」は、冒頭でもご説明したとおり、Pythonのパッケージを管理するためのツールのことです。
ちなみにサードパーティ製のパッケージは、PyPI(パイピーアイとか、パイパイと呼ばれているようです)というサイトで配布されています。
PyPIのサイトをご覧いただくとわかりますが、サードパーティから配布されているパッケージは膨大な数。
しかしながら、先ほども述べたように、サードパーティ製のパッケージは数えきれないほどたくさんあるのです。これらをインストールして一つ一つ管理していたのでは、とても管理が追いつきませんよね。
Pythonのパッケージ管理ツールは、他にもeasy_installやcondaといったものがあるのですが、pipはこのeasy_installの強化版として位置づけられているもの。また、condaは、AnacondaというPythonで科学技術計算を行うためのパッケージのパッケージマネージャとなっています。
Macにpipをインストールする方法
それでは、ここからはMac環境でpipをインストールする方法について具体的にご紹介していくことにしましょう。Macにpipをインストールする方法は至ってシンプルです。
Python2.7.10にはeasy_installが標準で入っていますので、このeasy_installを使ってMacにpipをインストールしてみましょう。
実際には、以下の場所にeasy_installが入っているのでこれを使います。
/usr/bin/easy_install
まずは、MacにpipをインストールするにあたってPythonのバージョンを確認してみましょう。
$ python -v
と入力すると、
Python 2.7.10
と表示されるはずです。
次に、pipをインストールするためにはターミナルを開き、任意の場所で
$ sudo easy_install pip
と入力すればOK!
これで正常にMacにpipがインストールされるとターミナル上に
Finished processing dependencies for pip
と表示します。
最後に確認として
$ pip
と入力してみましょう。
コマンドの種類や使用方法などpipのチュートリアルが表示されていれば、Macへのpipのインストールは完了です。
pipのアップデートについて
Macでpipをインストールして使用していると、アップデートしてくださいといった内容の警告が表示されることがあります。
例えばこんな感じ。
WARNING: You are using pip version 19.2.3, however version 20.0.2 is available. You should consider upgrading via the 'pip install -upgrade pip' command.
このようなときは、pipの新しいバージョンがありますのでアップデートが必要になります。
メッセージにあるように
$ pip install --upgrade pip
と実行することで、アップデートが可能。ちなみに、–upgradeと同じ意味の-Uを使って、
$ pip install -U pip
とすることも可能です。
pipでPythonを指定してインストールしよう
ここまで読んでいただければ、Macでpipをインストールする方法は何となくお判りいただけたのではないでしょうか。それでは、実際にMacでpipを使ってPythonライブラリのインストールを行ってみましょう。
ライブラリのインストール
ここでもやはりターミナルを使用。そして次のように入力します。
$ pip install pypdf2
Enterキーを押すと自動的にダウンロードとインストールが開始。
ちなみに、このときすでに指定したライブラリがインストールされている場合は、次のように表示されます。
Requirement already satisfied: pypdf2 in /ライブラリのバス/
ライブラリのアップグレード
また、ライブラリを最新版にアップグレードしたい場合は、以下のように–upgradeまたは-Uのオプションを付けてコマンドを実行することで可能です。
$ pip install -upgrade pypdf2
または
$ pip install -U pypdf2
pipでは、バージョンを指定してインストールすることもできます。その場合は
$ pip install pypdf2==1.25
といったように、ライブラリ名の後にバージョン番号を指定します。
インストール済みのライブラリの確認
インストール済みのライブラリを確認するには
$ pip list
のコマンドを実行します。するとインストール済みのライブラリがバージョン番号とともに表示。
ライブラリのアンインストール
不要になったライブラリは、次のコマンドでアンインストールすることができます。
$ pip uninstall pypdf2
今回は、MacにPythonのパッケージ管理ツールpipをインストールする方法から、実際にMacでpipを使ってPythonライブラリをインストールする方法までをご紹介してきました。
「パッケージを管理」と聞いて、難しそうな印象を受けたかもしれませんが、実際に使い方を見てみると意外にシンプルだと感じられた方も多いのではないでしょうか。
数多くのライブラリがサードパーティから公開されており、それがPythonでの開発のしやすさを実現するためになくてはならないものとなっています。だからこそ、このライブラリを上手に管理できるpipは、Pythonの開発における強力なサポート役として欠かせない存在であることは言うまでもありません。
MacでPythonを使うときには、ぜひ今回の記事を参考にpipをインストールして、Python開発を効率的に進めていきましょう。