製品開発の管理をするなら知っておきたい!おすすめPDMシステム3選 | AIZINE(エーアイジン)
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製品開発の管理をするなら知っておきたい!おすすめPDMシステム3選

PDMのイメージ

製品設計を担当する人にとって、PDMシステムが社内のデータ管理体制をどのように改善してくれるのかはとても気になりますよね。

エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」によると、2020年現在のPDM導入率は12.0%で、2016年より2.2%上昇。また各種ツールやシステムの導入について「業務効率が大きく変わる」との回答が75.6%となっています。

しかしPDMを採用している会社はまだ少数ですが、導入することにより業務効率の向上が見込めるでしょう。

そこで今回はPDMを導入しようか検討している人のために、PDMとは何かやPDMシステムについて。またおすすめPDMシステムについてお伝えしましょう。

そもそもPDMとは何か

PDMのイメージ

まずPDMとは「Product Data Management」を省略した言葉で、製品データをまとめて管理する仕組みを意味します。

製品に関する情報はCADデータ以外にも多数存在しますが、それらの情報は工程や部門ごとに管理されることがほとんどで、連携やコミュニケーションがうまくいかず解消すべき課題と考えられてきました。

しかしPDMの導入により、工程や部門ごとでばらばらだったデータを統合的に共有できるので、製造の効率化やコスト削減、生産性の向上につながるとされています。
ところで、PDMに似た「PLM」という言葉もあります。このPLMとは「Product Lifecycle Management」の略で、製品の企画から廃棄という一連の流れ(ライフサイクル)を管理する仕組みのこと。

この二つにはどの工程を管理しているかという点で大きな違いがあります。PDMは製品設計に関するデータのみを一元的に管理するものですが、PLMは製品に関わる全てのデータを管理して開発効率の改善を目的としています。

PDMはライフサイクル管理の中に組み込まれており、PLM実現を担う仕組みの一部であると考えると分かりやすいかもしれません。

※ もう少し詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

PDM(Product Data Management)とは?概要や導入のメリットをわかりやすく解説 | お多福ラボ
製造業では業務を効率化するために、多くの企業が様々な施策に取り組んでいますよね。製造業の業務効率化を実現するシステムとして、商品の企画、設計、生産工程などの情報を一元管理するPDM(Product Data Management)というものがあります。今回はそんなPDMとは何か?などについて解説します。

PDMシステムとは

システムのイメージ

PDMという言葉の意味を解説したところで、次にPDMシステムの機能について説明します。PDMシステムの機能は以下の5つです。

製品データの管理

PDMを用いることで製品設計時に作成されるCADデータに始まり、企画設計に関わる図面やドキュメントなど様々なデータを集めて管理できます。違うデータ同士を紐づけたり、同じ製品のバージョン情報などを紐づけたりして関連する情報を一度に参照することも可能です。

BOM(部品表)の管理

PDMを利用すれば全ての製品におけるBOM(部品表)データの管理・作成が可能。全ての製品におけるBOM(部品表)データを同期・共有できるので、材料費などの製品情報も分かりやすく確認できます。

さらに部品や付属品の在庫不足・過剰といった問題に悩まされることもありません。また変更されたBOMデータの比較も容易に行えます。

ワークフローの管理

それぞれの企業の業務プロセスに合ったワークフローを適切な形で設定します。システム上でフローを利用することにより、進捗状況の直感的な理解が可能に。

工程ごとに申請・承認を行えるので、業務進行の遅れや担当者による確認がされていない状態を未然に防ぎます。

検索機能

PDM内の製品データをキーワードや文章検索を用いて探し出します。製品や関連する情報が多い企業ほどデータの検索に時間がかかりますが、検索機能によって求める情報に一瞬でアクセスできるようになり、その分作業効率も高まります。

セキュリティ機能

管理されているデータにアクセスできる権限を自由に設定できます。担当の図面やデータが勝手に更新されないようにすることなどが主な目的です。ユーザーやチームごと、製品や工程ごとに細かくアクセスを制限し、より厳しいセキュリティを実現します。

PDMシステムを利用するメリットとデメリット

ポイントのイメージ

以上でPDMの機能についてより理解が深まったのではないでしょうか。

続いてはPDMのメリットとデメリットを説明していきます。まずメリットは以下の2点。

情報の一元管理による開発期間の短縮

製品開発の現場では扱うデータが膨大になりがちで、情報がどこにあるのか、バージョンは最新かなど確認する手間がかかりますよね。また従来のように部門、チームごとに管理するやり方では、共通するデータの更新のタイミングが異なるなどの問題が発生します。

このように情報の共有、検索、連携に時間がかかると、開発に遅れが生じる可能性も否定できません。

しかしPDMの機能により、大量の製品データを一元管理可能です。そして情報が一カ所に集まることにより検索時の負荷が減り、欲しい情報がすぐ手に入ります。
部門間のコミュニケーション不足による業務の遅延も解消されて開発期間の短縮が叶うでしょう。
また国内で設計して海外で製造を行うケースにおいても、PDMシステムではリアルタイムでの情報共有が可能なので開発体制のグローバル化に対応可能です。

目まぐるしく変化する市場シェアに対応するためには迅速な製品開発が求められますので、生産性の向上は激しい競争に打ち勝つための重要な要素だといえるでしょう。

ワークフロー標準化による品質の向上

そしてもう一つのメリットは、PDMの機能で標準化されたワークフローに沿えば誰がやっても同じ作業を行うことになるので、製品の品質に差が出ない事です。またチェックポイントを設置することにより担当者の承認作業が確実になりますから、確認忘れやミスを防止できます。
フローはシステム上で一括管理されるため、担当者がわざわざその場に居合わせる必要もありません。ですから外出先からでも承認作業が可能。そして効率性が高まり、その結果として品質の向上に繋がります。

ワークフローの標準化は既存の業務プロセスの見直しにもなりますから、より良い開発体制を常に実現できるでしょう。

粗悪な商品提供は会社の信頼を落としかねません。製品の品質は会社の存続にも関わりますから、ワークフローの標準化は大きなメリットだといえますよね。

それでは続いてデメリットをお話しましょう。挙げられるのは以下の2点。

社員への教育が必要

製品に関わる多数の情報、業務プロセスをまとめて管理できるPDMですが、機能が豊富なため業務に活かせない可能性が出てきます。

せっかく導入したにもかかわらず効果的に使えなければ意味がありません。PDMの導入前、または導入してからも社員に対して教育を施す必要があります。

またPDMの運用にはITスキルを有した人材が求められます。システム導入の際にしっかりとしたサポートやトレーニングを受けられることが多いですが、実際に運用する人材に知識がなければ効果は出ないでしょう。

そういった人材が不足しているのであれば新たに雇わなければなりませんし、ITスキルを身につけさせることも必要になるかもしれません。

効果が出ているか判断が難しい

PDMは全部門に渡って情報を統括するため、管理の対象が幅広くなります。その結果、数字での目標設定が困難となり、効果の測定が難しくなってしまいます。

会社全体で運用に慣れるのにも時間がかかるでしょう。長期運用が前提となるので、PDMシステムの効果が出ているかの判断は非常に難しいといえます。

おすすめPDMシステム3選

システムのイメージ

PDMシステムのメリットとデメリットについて説明してきました。メリットはともかくデメリットはない方がいいですよね。

そんな人のためにデメリットを解消するようなPDMシステムを3つご紹介します。

Obbligato III(NEC)

「Obbligato」はNEC自身が製造業であるという立場から培ってきた知識や経験をパッケージングしたPDMシステムです。日本国内の多様なニーズへ迅速に応えるだけでなく、海外での拠点立ち上げなどグローバル化にも対応。

900社以上の導入実績から蓄積されたノウハウを活かし、製造業だけでなく医療、住宅、化学、食品など幅広い業種に採用されています。高いITスキルを持つ人材によるバックアップ体制、運用者に対するオーダーメイド可能なトレーニングなどサポート面も充実。

PDM導入により起こりうる課題に対して総合的にアプローチし、安定したシステム運用を支援します。

NEC

PLEMIA(富士通)

製品データ管理において従来のツールでは機能が足りず、本格的なPDMシステムではコストがかかるなど多くの課題がありました。しかし富士通が提供する「PLEMIA」は、情報管理における様々な問題を解決するためのシステムです。

PLEMIAは従来のPDMシステムと比較して5~10倍の高速レスポンスを実現し、スピーディーなデータの共有が可能。またデータベースソフトを必要としないため、データベースに関わる煩わしい作業をしなくてすみます。

PLEMIAを導入すればデータ共有とシステム運用が容易になり、生産性の向上が見込めるでしょう。

富士通

Aras Innovator(SCSK)

富士フイルムや日産自動車など、多数の大手製造業で採用されている「Aras Innovator」。

継続可能なビジネス変革をコンセプトにそれぞれの企業に合わせた課題解決方法を提供し、最適な製品ライフサイクル管理を実現します。

サブスクリプションサービスを利用することにより、6週間ごとの定期的なアップグレードなど幅広いサポートを受けられる点も魅力の一つです。

SCSK

PDMシステムを導入する注意点

社員のイメージ

以上、おすすめのPDMシステムを紹介してきました。

上記のようなPDMシステムを導入すれば、より良い開発体制を築けるはず。しかしシステムを導入するだけでは十分とはいえません。そこで、ここからはPDMシステムを導入する際の注意点について説明します。

長期運用を前提とした体制を整える

PDMシステムは導入してすぐに業務プロセスが改善されるわけではなく、長期的な運用を前提としています。またPDMは全ての部署やチームを巻き込みますから、安易な判断で管理体制を変えてしまうと現場に混乱が生じるかもしれません。

その結果として業務の遅延が発生し、生産性が低下してしまうおそれもあります。そのため導入する前の段階で問題点と目的を再確認し、何故PDMを利用する必要があるのかを全社員が理解しておくべきです。
単なるシステム導入と考えるのではなく、企業全体としての組織改革であることを浸透させましょう。

管理方法が複雑すぎないか常に気を配る

業務プロセスの管理方法が複雑だと、せっかくPDMシステムを導入しても効果が出ないかもしれません。より効果的にシステムを活用するには、仕組みをシンプルにしましょう。

ステータスの更新作業やワークフロー上のチェックポイントなどが分かりづらいと運用者に負荷がかかり、面倒になって結局うまく使えないという事態に陥ります。これでは導入した意味がありません。
現場の状況を常にチェックして、システムが複雑でないか、分かりづらくないか、簡易的に変更できないかなどを検討する必要があります。PDMを導入したからといって満足するのではなく、定期的なプロセスの見直しや改善は必ず行いましょう。

 

システムのイメージ

今回はPDMについてお話しました。PDMを用いればデータの一元管理から始まり、リアルタイム共有やワークフローの標準化など製品開発における多様な恩恵を受けられます。

しかし機能が豊富なだけに仕組みが複雑でうまく使いこなせず、効率性が低下してしまうかもしれません。そういった事態を防ぐためには、PDMシステムへの深い理解が必要です。現時点での問題点を洗い出し、どうすれば効果的にシステムを運用できるか模索していかなければなりません。

またPDMシステムの効果が表れるのには時間がかかりますから、導入してからも運用状況に気を配る必要があります。PDMシステムは上記で紹介した3つ以外にも多くの商品が提供されており、充実したサポートが受けられるものばかりです。

メーカーからの支援も受けつつ、長期的にシステムを活用していきましょう。

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