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機械学習をする人なら読むべき「パターン認識と機械学習」とは

機械学習をする人なら読むべき「パターン認識と機械学習」とは

機械学習について学び始めた際に、本を読む人は多いですよね。そんな機械学習を学べる本で「パターン認識と機械学習」があります。

本書の内容は、パターン認識と機械学習に使われる様々な理論について解説するものになっています。非常に網羅的な内容でありながら一つ一つのトピックを数学的背景から読み解いていくため、機械学習についての深い理解を促してくれるに違いありません。

さらに、この記事では本の内容そのものだけではなく、本を読んだ後にやるべきことも説明しています。ぜひ、この本で学べる内容を漏らしなくマスターしましょう。

それでは今回は、「パターン認識と機械学習」という本の内容と魅力、読み終わった後にやるべきことについてお伝えします。まずは、「パターン認識と機械学習」とはどんな本なのかについてみていきましょう。

「パターン認識と機械学習」とは

機械学習のイメージ
「パターン認識と機械学習」とは、「Pattern Recognition and Machine Learning」を5名の監訳者のもと、14名の日本人研究者が丁寧に翻訳し、日本語版として出版した本です。

Amazon.co.jp: パターン認識と機械学習 上 : C.M. ビショップ, 元田 浩, 栗田 多喜夫, 樋口 知之, 松本 裕治, 村田 昇: 本
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Amazon.co.jp: パターン認識と機械学習 下 (ベイズ理論による統計的予測) : C.M. ビショップ, 元田 浩, 栗田 多喜夫, 樋口 知之, 松本 裕治, 村田 昇: 本
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内容のポイントとして機械学習とパターン認識の理論について広い範囲かつ詳しい情報で書かれた、非常に濃い内容の本となっています。そのため、読み終わった後も、用語を辞書的に用いたり何回も読み返して新たな学びを得たりと、長く学習に使えるでしょう。

本書の内容は上巻と下巻に分かれており、上巻では機械学習の概要や過学習などの基礎的な内容、下巻ではカーネル法や主成分分析、サポートベクターマシンなどの応用的な内容について説明しています。上下巻どちらも共通して、非常に多くの理論について数式を用いながら丁寧に説明しています。そのため、各内容について根本から理解することが可能なのもこの本の良いところといえるでしょう。

また、この本は技術の使い方や用途ではなく、分析手法や理論など開発者向けの説明がメインとなっています。開発者が知っておきたい知識を詰め込んだ内容となっているため、機械学習の開発に携わる人はぜひ読んでおきましょう。

ただし注意点として、パターン認識と機械学習について学ぶ人におすすめできる一方、数式や専門的な内容が多く含まれているため難易度は少し高めとなっています。そのため、機械学習に触れるのが初めての人は、まず他の本で理解を深めてから読むことをおすすめします。

※初心者に機械学習についての本はこちらから

「パターン認識と機械学習」上巻の内容

本のイメージ
まずは、「パターン認識と機械学習」上巻の内容について紹介します。上巻では、機械学習の概要や過学習などの説明があります。本書の雰囲気をつかんでもらうために、今回はこの2つの解説部分について見ていきましょう。

機械学習の概要

第1章冒頭では、機械学習の概要についての説明が書かれています。機械学習とは、人間が自然に学習できるのに機械には難しいような内容を、機械が理解できるように学習させることを指します。

本書ではまず、機械学習がどういったものかについて、手書き数字の例を用いて分かりやすく説明しています。以下は、本書の第1章冒頭での機械学習の説明について、短くまとめた内容です。

「手書き数字は、自分のクセとは違っていたとしても、私たち人間にはそれがどの数字かを認識することができます。しかし、同じことを機械が行うのは難しいです。数字の書き方のルールは決まっておらず、人力で見つけられた経験的な規則に基づいて書かれているからです。

そこで、機械が扱う規則性は、機械自身に発見してもらいます。そのことを、機械学習と呼びます。」

このような分かりやすい例えと具体的な説明があると、すんなり入ってきますよね。機械学習の基礎をしっかりと理解してから学び始められるのは、理解が速くなるでしょう。

過学習

次に、過学習についての部分です。過学習とは、ある学習データに適合しすぎるあまり、他のデータでの正解率が低くなってしまうことです。

本書では、このような過学習についても詳しく説明されています。内容を、以下にまとめました。

「自由度が高くなると、多少複雑なモデルでも柔軟に処理できます。しかし、自由度が高すぎると訓練データのノイズ、つまり不要な部分に引きずられ、訓練データに合わせようとしてしまいます。その結果、別のテストデータにはとても合致しないような曲線を出します。このような現象のことを過学習といいます。」

ここでは省略していますが、実際は数式に基づいた解説で一歩ずつ進んでいくという、更に丁寧な内容になっています。過学習も、機械学習において大事な内容のひとつなので、ぜひ読んでおきたい項目です。

「パターン認識と機械学習」下巻の内容

理論のイメージ

「パターン認識と機械学習」下巻は、応用的な内容となっているのが特徴です。上巻を読んでいる前提の内容なので、ここでは下巻の魅力について紹介しましょう。

下巻は内容が応用に寄っているということもあり、上巻よりも難易度が上がっています。しかし、例を用いて分かりやすく説明してくれる点は変わらないため、上巻の内容を理解していればすんなりと読み進められるでしょう。

学べる内容は、カーネル法や主成分分析、サポートベクターマシンなどについてです。どれも高頻度で使用される手法となっているため、これらを学びながら効率よく実践的な知識を身につけることができます。

※それぞれの内容について解説した記事はこちら

上巻に引き続き下巻も非常に濃い内容となっているため、機械学習に関わる開発者はこちらも必見です。上巻を読み終えた人は、ぜひ下巻も読みましょう。

「パターン認識と機械学習」で学習したあと、やるべきこと

手を動かすイメージ

「パターン認識と機械学習」を読むことで、開発者として必要な知識と経験を積むことができます。そのため、読んだ後にやるべきことは、本書の復習か技術の使い道についての勉強がメインです。

以下の3つが、「パターン認識と機械学習」で学習したあとにやるべきことです。

  • 分からなかった部分を復習する
  • 詰まってしまった場合、参考書や解説サイトを参考にしてしっかりと理解する
  • 本書で学んだ技術の使い道について学ぶ

それぞれ詳しく解説ししましょう。

分からなかった部分を復習する

「パターン認識と機械学習」は開発者向けの知識が学べる反面、専門的で難しい内容になっています。そのため、しっかりと理解できていなかった部分は繰り返し復習するのがおすすめです。

本書の内容を自分の力にするためにも、納得できるまで繰り返し学びましょう。

詰まってしまった場合、参考書や解説サイトを参考にしてしっかりと理解する

「パターン認識と機械学習」では、理論の説明のために多くの数学知識などが使用されています。本書にて多少の説明はあるのですが、それでも詰まってしまうことはあるでしょう。

そんなときは、自分の知りたい内容を解説しているサイトを見るのがおすすめです。内容を分かりやすくまとめているサイトは多数あるので、ぜひ参考にしながら本書を読み進めていきましょう。

本書で学んだ技術の使い道について学ぶ

「パターン認識と機械学習」は、技術や理論の説明を重視しており、機械学習の技術をどう使用するかについてはあまり説明していません。そのため、そこを補完する形で技術の使い道について学ぶのをおすすめしています。

現在、機械学習を使用した人工知能(AI)は各分野で広く活躍しています。活用事例としては、がんの検出による医療診断支援やチャットボットを使用した自動お問合せ対応など、様々なものがあります。

このような使い道を学び、機械学習への興味を高めましょう。

まとめ
さて、今回は「パターン認識と機械学習」という本の内容と魅力、読み終わった後にやるべきことお伝えしました。

本書は、ベストセラーである原著「Pattern Recognition and Machine Learning」の日本語版です。内容としては、機械学習の分析手法や理論についてまとめられたものであり、上下巻通して読むことで基礎から応用的な内容まで満遍なく学ぶことができます。上巻は主に機械学習における基本的な内容、下巻は上巻の内容の応用や実際の理論に触れています。

また、読むうえで気を付けるポイントは、数式での理論的説明が多いので深く理解できる反面、内容が難しく感じるかもしれません。本を読み終わった後については、わからない点を復習したり参考書や解説サイトで理解しながら潰していきましょう。そこから、機械学習の技術の使い道を考えるのが、応用するポイントです。

機械学習に必要な知識が学べる「パターン認識と機械学習」。本書を読んで、機械学習の知識と技術を自分のものにしましょう。

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