機械学習でパターン認識って出てくるけど何が何だかわからない!
機械学習について勉強しているとこの用語を見かけることがありますよね。
パターンを認識するのかなとなんとなくイメージはできても正確な定義やイメージ、どういった仕組みになっているかまで聞かれてしまうとなかなか答えづらいというのも事実。
それではまず、そもそもパターン認識とは何かというところからお伝えします。
パターン認識って何だろう
パターン認識とは何かを具体的に話していく上でまずは友人と待ち合わせをしているのをイメージしてみましょう。
待ち合わせ場所には友人だけでなく様々な人がいます。
このように何らかの特徴に基づいて欲しいものを見つけるという一連の行動をパターン認識というのです。
パターン認識の種類
パターン認識がどういったものであるか触れたところでどういったものがあるか見ていきましょう。
顔認識
顔認識は文字通り顔を扱うパターン認識。顔認識が行うタスクは大きく分けて2つあります。
1つは「認証」。新しく入力された画像を既に入力してある顔データと比較するというものになります。わかりやすい例がスマホのロック解除。スマホを買って新しく登録する時自分の顔を撮りますよね。その後ロックを解除する時は新しい顔の画像を既に登録したものと比較することで判別をしているのです。
もう1つは「認識」。これはデータとして入力された顔を顔の画像を複数集めたデータベースと比較するというもの。セキュリティや監視システムなどで使われることが多くなります。
文字認識
文字認識は画像から文字や文章を認識するというもの。
オフライン文字認識は紙に書かれていたり印刷されている文字を判別するもの。その場で読み取ってキーボードで入力しなくても自動でパソコンに表示されます。
オンライン文字認識は画面に入力した手書き文字を判別するもの。パソコンやゲーム機などに専用のペンなどを使って直接書いた文字を認識しパソコンに表示してくれます。
音声認識
音声認識は音声データをテキストデータに変換する技術のこと。私達人間であれば言葉をそのまま理解することはできるもののコンピューターだとそうはいきません。音声情報と言語情報の両方を用いて音声を解析し認識するまでに至るのです。
iPhoneに搭載されているSiriやAmazonやGoogleのスマートスピーカーの広まりに合わせ近年利用が拡大しています。
機械学習におけるパターン認識とは
「特徴を用いて欲しいものを見つける」と聞くと機械学習と似ていますよね。
一方で両者が両輪となってAI(人工知能)の発展に貢献しています。
機械学習でのパターン認識の仕組みとは
機械学習とパターン認識の関係について触れたので具体的にどう動いているか見ていきましょう。
その流れは「学習」して「認識」するというもの。
学習
文字認識ではまず教師画像というものを用意します。
あという画像にはあ、いという画像にはい…という風にすべての画像に正解のラベルが振られています。
これらの画像をコンピューターが扱いやすいよう整えた上で学習をしていくことになるのです。
認識
学習をしたらテスト画像を用いて認識の段階に入っていきます。
そのため文字がどの領域にあるか見つけていく必要があります。
一番単純なのは適当な大きさの領域を設定し端からずらしていくというもの。異なる文字にも対応できるよう調節も行うことも。
パターン認識を用いた実用事例
最後にパターン認識がどう使われているか事例を見ていきましょう。
監視用サングラス
BBCの報告によると中国の警察では顔認識技術を用いたサングラスの使用を始めています。
グラスは無線となっており容疑者のデータベースにリンクされています。
警察官は群衆の中から犯人をスキャンし特定できるようになっているのです。
警察官が自分で探すより早いのは言うまでもありません。
中国のメディアは鄭州の警察官が既にこれを活用、容疑者の数名を逮捕するのに繋がったと報告しています。
顔認証システム
画像認識の技術は顔認証システムにも応用されています。
その例として挙げられるのは観光業界。
- アメリカン航空などでは顔認証を搭乗券の代わりとし搭乗手続きや手荷物検査を行うという試みが始められています。
- また、不正入国を試みている旅行者を公式身分証明書のデータベースと照合し摘発できた事例も。
- 中国のマリオネットホテルでは顔認証のおかげでチェックインの手続きを1分程度にまで短縮、宿泊費などの費用は顧客の口座へ自動で請求がかかるよう仕組みが整えられています。
感情分析
音声認識を応用し人の声から喋っている人の感情を分析することも可能となっています。
それはEmpathというもの。
今回はパターン認識とは何かといったところから解説をし、どういったものがあるかや機械学習との関係性、どのような仕組みで動いているか見た上で実際に使われている事例を紹介しました。
パターン認識は何らかの特徴に基づいて欲しいものを見つけるという一連の行動のことで顔認識、文字認識、音声認識といったものがあります。
パターン認識は機械学習でできることの幅を広げる大きな役割を果たしており、学習と認識という2つのステップで目的の達成をしていくことに。
中国の監視用サングラスや顔認証、感情分析など幅広い領域での応用が進められています。
AI(人工知能)の発展とともにパターン認識が私達の生活をどう便利に変えていくか今後も注目していけるといいですよね。