今後のために今から備えよう!整骨院×DXで成功した事例まとめ | AIZINE(エーアイジン)
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今後のために今から備えよう!整骨院×DXで成功した事例まとめ

今後のために今から備えよう!整骨院×DXで成功した事例まとめ

昔ながらの整骨院といえば顧客のデータなどは全て紙媒体で保存し、予約の対応は電話で行うのが常でしたよね。しかし、現在では他分野でも推進されているDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、整骨院は新たなステージへと移行しています。

なお、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは企業の経営をデジタル化して、部署ごとの業務を効率化したり、他の部署でも同様にできるように共通化などを進めていくことです。最終的にはデジタル化によって得られたデータから、経営の戦略を建てられるように企業を変革していくことを目標にしています。

この整骨院×DXの流れは市場の縮小や店舗数の飽和によって、顧客の争奪戦が始まっていることから推し進められているものです。ぜひ、この記事でこれまでは縁遠い存在であったDXで、整骨院の業務や経営にどのような変化があったのか知って、現在抱えている問題の解決ができないか検討しましょう。

そこで、今回は将来に備えるために整骨院×DXで成功した事例を紹介します。

整骨院とは、接骨院との違いとは

骨のイメージ

まずは、よく誤解しがちな整骨院と接骨院との違いについて簡単に説明しましょう。結論から述べてしまうと、両者についてはほとんど違いがありません。

これはどちらも柔道整復師の国家資格を有する人が、骨折や脱臼などのケガに対して施術を行っている場所だからです。なお、「整体院」は明確な違いを持っており、こちらは専門学校などを卒業して得られる、民間資格を有する人がマッサージなどの施術を行う場所です。

そのため、整骨院と接骨院では保険がききますが、整体院では使えません。話を整骨院と接骨院に戻すと両者の違う点はどこなのかというと、名称が法律的に確実に使えるのが接骨院であり、整骨院はそうではないということです。

実は柔道整復師が開業する場合に使える名称というのは法律で明確に指定されています。

  • 接骨院
  • ほねつぎ
  • 柔道整復院

しかし、整骨院という言葉自体は柔道整復師の行うイメージを誤認させるものではないため、行政に届け出を行った場合に認められるケースがあります。ちなみに柔道整復師の法律では名称以外にも、カイロプラクティックなどの医業類似行為について記載してはいけないなど、色々な制限が設けられています。

したがって、地域によって整骨院の名称で開業している柔道整復師の人もいるのです。まとめると、整骨院と接骨院の違いは公的な名称は接骨院が正しいが、行政の判断によっては整骨院も名乗ることができるという違いがあり、それ以外の内容については全く変わりません。

整骨院ができるDXとは、何があるのか

デジタルのイメージ
それでは、整骨院ができるDXとはどのようなものなのか説明しましょう。そもそも整骨院はDXとは程遠い業種でした。

実際、紙媒体のデータ管理やあってもエクセルで管理を行うという必要最低限のITを駆使すれば、経営自体はできていた業種です。しかし、1998年以降は柔道整復師になる学校の数が規制緩和によって増え、これによって多くの柔道整復師、および整骨院が開業することになりました。

つい最近の調査ではコンビニの2倍もの店舗が存在しており、倒産件数もそれに比例して多くなっているのが現状です。つまり、今後は顧客をいかに獲得するのかという点が非常に重要になっています。

なお、整骨院にDXを具体的にどう取り入れているのかというと、多くの場合ではデジタル化を行います。例えば、紙媒体データからデジタルへ移行することで、顧客の年齢や悩みの傾向を数値として客観視できます。

他にもSNSを有効活用して宣伝を行えば、よりたくさんの人に整骨院の特徴やメニューなどを知ってもらうことで、顧客アップが期待できるでしょう。これらは他の業種と比較して、デジタル化が必要のなかったため実行されていないこともあり、整骨院にDXを取り入れる初期のステップとしてすぐに効果が出やすいです。

また、デジタル化で得られた顧客に関するデータを有効活用すればリピート率などから満足度を把握したり、施術者による売上の違いをデータで把握できます。これによってアナログな手法による曖昧なデータ管理ではなく、デジタルを生かした経営を行えます。

例えば、得られたデータを分析することでこれまでは見落としていた顧客層を把握できれば、そこからどうすれば来院してもらえるのか営業の在り方を検討できます。さらに、施術者によるリピート率や売り上げの違いを把握できれば、人事評価を成果により平等に行うことや、人員の配置を効率化することもできるでしょう。

以上のように整骨院×DXによってデジタルを導入し、それを使いこなすことができれば業務のあり方が変わったり、データによって経営をスタイルを大きく変革することが可能になります。以下ではそんな整骨院×DXに成功した事例を3つ紹介しましょう。

整骨院が行ったDX事例:山口鍼灸整骨院で行われたLIGUA社のDX

データベースのイメージ
大阪を拠点とする山口鍼灸整骨院では元々別の企業にコンサルを依頼していましたが、それでも売上が向上しないといった悩みを抱えていました。そこで以前講習会に参加したことのあるLIGUA社に相談を行い、山口鍼灸整骨院のDXはスタートします。

なお、この山口鍼灸整骨院のDXに協力したLIGUA社は、接骨院などの事業を支援している企業であり、コンサルティングやツールなどを提供しています。そして、LIGUA社の担当の方と打ち合わせをする中で以下の提案を採用しました。
  1. 売上向上の目的でEMSを導入
  2. より詳細なデータを入手するためにCRMを導入

まず、1にあるように売上向上の目的でEMS「Electrical Muscle Stimulation」製品の「EMS -indepth-」を導入しました。こちらはどの年代の人であっても筋肉に刺激を与え、トレーニングができるものです。

これによってこれまでものよりも魅力的なメニューを加え、より多くの顧客の獲得と自費の施術による売り上げアップを目指しました。こちらについては導入が上手くいき、僅か2ヶ月で投資分を回収するという大きな成果を出しました。

次に、2にあるようにより詳細なデータを入手するためにCRMを導入しました。これは1のEMSによって売り上げを向上させるという目標は達成したのですが、経営に生かしていくという点ではどうしても詳細なデータが必要になったからです。

そこでPOS機能搭載のCRM、現「レセONEプラス」を導入し、データを活用することで業務と経営の効率化を行いました。これによってそれまでは把握できなかった情報を数字としてみることができるようになり、表面化した課題に対する対応を取るようになったのです。

例えば、データをみていくと途中で来なくなった人がどれくらいおり、どれくらいの期間でそうなったのかをこのCRMを利用する中で数字として把握することができました。そのため、それ以降は顧客の中に該当する人がいる場合には、電話で営業を掛けるようにしてリピート率が向上するように経営のあり方を変えました。

以上のように山口鍼灸整骨院ではLIGUA社のDXによって、新たなメニューの採用で利益を向上させ、CRMから得られたデータにより経営のアプローチを変革できたのです。

整骨院が行ったDX事例:ゆめたか接骨院(株式会社タカナリ)で行われた船井総合研究所のDX

Webサイトのイメージ
富山や金沢に拠点を持つゆめたか接骨院では現在の整骨院が直面する問題に悩んでいました。それは業界自体がこれ以上成長が見込めず、将来競争が激化することが予測される中で顧客のニーズが読めないという問題です。

実際、他の整骨院と差別化するために新規のメニューなどを作成しましたが、効果はそれほどなかったため船井総合研究所に頼りました。なお、このゆめたか接骨院のDXに協力した船井総合研究所は、企業のDX化を推進している企業であり、これまでに多くの企業に手助けをしています。

そして、以下の提案を採用して実行しました。

  1. 顧客のニーズに応じてWebサイトをより魅力的なものに変更
  2. SNSやイベントを通して親しみやすい整骨院であることをアピールする

まず、1にあるように顧客のニーズに応じてWebサイトをより魅力的なものに変更しました。こちらについては顧客の多くが完治させることを望み、ネットから整骨院を探していることを突き止め、そのニーズを満たすようにWebサイトを変更しました。

実際のサイトでは交通事故によるむちうち治療では、むちうちの原因やゆめたか接骨院で行っている専門性の高い治療の内容、手順などを文章と動画で解説します。このようにゆめたか接骨院の施術が専門性の高いことを示す内容にしています。

また、サイトの変更と同時に女性ニーズを満たす目的で小顔・痩身などの美容整体を開設し、ゆめたか小顔ROOMでこちらの施術を始めました。これによって通常の施術と美容整体による施術の2本柱によってシナジーを生み、現在は後者が全体の過半数を超える売上になるまで成長しています。

次に、2にあるようにSNSやイベントを通して親しみやすい整骨院であることをアピールしました。前者のSNSについてはゆめたか接骨院がどのような場所であるのかを写真や動画を使ってみせたり、質問箱で気軽に相談を募集するなど顧客との距離をなくすように努めています。

そして、後者のイベントでは施術に関するセミナーを利用者に向けて開いたり、施術によらない癒しとしてアートヒーリングなどが体験できるイベントを開催。これによって、顧客のみなさんや地域の人に親しみのある整骨院であることをアピールしています。

これらの結果としてゆめたか接骨院は月商を300万円から1200万円に大きく伸ばすことに成功しました。この事例は顧客のニーズを掴むことに重点を置き、売上の向上や集客を成功させた接骨院(整骨院)×DXだといえるでしょう。

整骨院が行ったDX事例:ぷらす鍼灸整骨院グループで行われた株式会社ユビレジのDX

レジのイメージ
30店舗以上を展開するぷらす鍼灸整骨院グループでは現場でのアナログな業務が問題になっていました。これは紙媒体でのデータ管理やPOS機能のないオーソドックスなレジを利用して業務が行われていたということです。

これらの作業に関しては記入ミスなどが発生したり、スタッフの負担が大きい、データが活用できないなどさまざまな問題がありました。そこで、株式会社ユビレジのサービス、POSレジ「ユビレジ」の利用を決定しました。

なお、株式会社ユビレジはiPadで利用できるPOSレジ「ユビレジ」のサービスを提供している企業であり、このユビレジは多くの企業で採用され、2019年度の自社調査では30000店舗以上に利用されています。

これによってぷらす鍼灸整骨院グループでは以下のことが実現しました。

  1. レジ業務などを簡略化して、デジタルでデータを管理できるようになった
  2. リアルタイムで全店舗の情報を確認できるようになった

まず、1にあるようにユビレジによってレジ業務などを簡略化して、デジタルでデータを管理できるようになりました。ちなみに今回は顧客情報を関連付ける「ユビレジ for Salesforce」もあわせて導入し、連携させることで店舗ごとの売り上げや顧客分析を行えるようにしました。

これによって業務は大きく軽減することになり、以前は60分以上かかっていたレジ締めが数分で終えるようになったのです。また、全店に同様のシステムが導入されたことで、それまでは店ごとに独自で管理されていたデータを、共通の方式で統一することができました。

こちらについてはスタッフの負担軽減だけでなく、事務作業の教育に掛かる時間にも影響を与え、実際、研修に掛かる時間を三分の一に減少させることに成功したのです。もちろん、顧客のデータを確認できるようになったことでマーケティングも行えるようになりました。

例えば、広告についてはデータから店頭POPよりもWebからの方が比重が重いことが判明したため、Web広告を重視した予算配分に変更することを検討しています。リピート率についても以前の紙媒体では何となく対応していましたが、DX後では来なくなった顧客がどれくらいいるのかを数字で把握できるようになったため、適切なタイミングで漏れなく営業を掛けられるようになりました。

次に、2にあるようにリアルタイムで全店舗の情報を確認できるようになったのです。以前までの紙媒体ベースの管理では、売り上げのデータは翌日以降でなくては把握できませんでした。

そのため、情報を素早く掴み判断することができず、経営に関する判断を店舗に任している部分があったのです。しかし、ユビレジとユビレジ for Salesforceによる連携で、リアルタイムの情報は簡単に得らえるようになり、これによってその都度適切な判断を下せるようになりました。

具体的には各店舗の現在の売り上げを比較して、Aという店舗で人員が余っている場合には、とても忙しいB店舗に回すといったことを当日に判断し、指示することが今では可能です。したがって、ビジネスチャンスを失う可能性を低くし、売り上げを最大化できるような経営をデータを活用して実現しています。

以上のようにこの事例では、整骨院×DXによってスタッフ一人の業務に対する負荷は減らし、データを活用したマーケティングやビジネスチャンスを捉えるような経営が行えるようになっています。

整骨院の今後

マッサージのイメージ
整骨院については今後より生き残り競争が激化していくことは、業界の環境からも想像できるでしょう。柔道整復師としての能力が経営自体を左右する時代は終わり、今後はより顧客にとってメリットのある整骨院が選ばれていくに違いありません。

例えば、他にはない魅力的な施術を行ってくれたり、顧客に親身に対応してくれる整骨院を選びますよね。しかし、顧客に選んでもらうには整骨院として売り込みを行ったり、需要をしっかりと把握する必要があります。そのため、整骨院×DXによってマーケティングを行ったり、データを活用した経営を行いましょう。

また、整骨院×DXではスタッフの職場環境も改善する場合があります。例えば、上の整骨院×DXに成功した事例でもPOSレジの導入によって、余計な作業に掛かる時間が大きく減少したケースがありました。

日本では今後働き手が減少していく予想がなされており、業界として拡大が見込めない現状で整骨院で働いてくれる人材は貴重です。この整骨院×DXではそんなスタッフに働きやすい環境を提供できるので、経営者としては取り入れていくべきでしょう。

以上のように整骨院の経営には業界としての問題や日本における労働層の減少という問題があるので、整骨院×DXによって現状を変革していく必要があります。

まとめ
さて、今回は将来に備えるめに整骨院×DXで成功した事例と以下の内容について説明と紹介を行いました。

  • 整骨院と接骨院は、基本的には一緒だが公的な名称は接骨院が正しく、行政の判断により整骨院の名称を名乗れるという違いが両者にはある
  • 整骨院×DXではデジタルで顧客データなどの管理を行い、そこから分析していくことで業務や経営のあり方を変革できるメリットがある
  • 山口鍼灸整骨院で行われたLIGUA社の整骨院×DXではEMSの導入で売り上げを向上させ、CRMからのデータの分析により経営戦略を建てられるようなった
  • ゆめたか接骨院(株式会社タカナリ)で行われた船井総合研究所の整骨院×DXでは、顧客のニーズに沿ったWebサイトに変更し、SNSなどを活用して親しみやすい整骨院をアピールすることで月商を大きく伸ばすことに成功した
  • ぷらす鍼灸整骨院グループで行われた株式会社ユビレジの整骨院×DXでは「ユビレジ」と「ユビレジ for Salesforce」を導入し、業務の負荷の軽減やデータを活用したマーケティング、リアルタイムでの経営判断を可能にした
  • 整骨院の経営には業界や日本社会の問題があるので、整骨院×DXによって現状を変革していく必要がある

整骨院×DXを行えば経営などを変革できます。したがって、現在経営に何らかの悩みや問題を持っていたり、5年後や10年後の経営に不安を感じている場合には、今すぐDX化に協力してくれる企業に相談を行ってみましょう。

そうすれば現状を好転させ、将来も生き残っていける整骨院経営を行えるかもしれません。

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