ニューラルネットワークが学べるおすすめの参考書4つ&サイト3つ | AIZINE(エーアイジン)
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ニューラルネットワークが学べるおすすめの参考書4つ&サイト3つ

ニューラルネットワークが学べるおすすめの参考書4つ&サイト3つ

「2045年にAI(人工知能)が人間の知能を上回る」技術の進歩とともに衝撃的な予測が発表されました。このような予測が生まれた背景として学習するAI(人工知能)が進化してきたことが挙げられます。

以前は「AI(人工知能)は指示されたことしかできない」と言われていました。しかし今ではAI(人工知能)が自ら学び、その場に応じて最善の行動を選択することができるように。このように学習することができるAI(人工知能)には「ニューラルネットワーク」という技術が使われていることが多いです。

例えば、世界チャンピオンに勝ったことが大きなニュースとなった、Googleが開発した囲碁用AI(人工知能)「AlphaGo」にもニューラルネットワークの技術が使われています。また最近よく耳にする「ディープラーニング」もニューラルネットワークから派生した技術です。

では、ニューラルネットワークとは一体どのような技術なのでしょうか。

そこで今回はニューラルネットワークの理論、AI(人工知能)との関係性について簡単に紹介した後、これからニューラルネットワークを学び始める人、既に実践している人におすすめの参考書、ウェブサイトを紹介しましょう。

ニューラルネットワークとは

ニューラルネットワークのイメージ

まずニューラルネットワークとは簡単に言うと人間の脳を真似した技術です。と言ってもよくわからないですよね。

人間の脳には「ニューロン」と呼ばれる神経が無数に入っていて、ニューロン同士の電気信号によって情報がやり取りされています。そしてニューロンにおける情報のやり取りには3つの特徴があります。

関係ある情報を選ぶ (情報がニューロンを通過させるか判断する)
関係ある情報同士をつなげる (ニューロン同士の繋がり方を変える)
重要な情報と重要ではない情報を判断する (情報の重み付けを行う)

このニューロンの働きをAI(人工知能)に読み取れる形にしたものがニューラルネットワーク。ニューラルネットワークではニューロンの働き方を数学的な理論を基にしたプログラムとしてAI(人工知能)に読み込ませているのです。

またニューラルネットワークはデータを受け取る「入力層」、受け取ったデータ同士をやり取りする「中間層」、予測結果を出す「出力層」の3つの層に分けられます。この「中間層」がニューロンの役割をしており、中間層がニューロンのつながりと同じように情報のやり取りをすることでニューラルネットワークは予測結果を出力。

ニューラルネットワークの処理におけるポイントは以下の3点です。

「閾値」:その情報を送るか否かを判断する
「情報のつなげ方」:どんな情報同士をつなげるか
「重み付け」:その情報の重要性はどれくらいか

ニューラルネットワークでは新たに学習した結果を通じて、中間層の繋がり方を変えたり、閾値や重み付けの係数を変えることによって予測精度を改善していきます。

ニューラルネットワークとAI(人工知能)の関係

aiのイメージ

ではAI(人工知能)の分野でなぜニューラルネットワークは頻繁に使われるのでしょうか。大きな理由としてニューラルネットワークではAI(人工知能)が人の手を借りずに予測精度を上げられる、という点が挙げられます。

例えば先程紹介した囲碁で考えてみましょう。

囲碁はどこに石を置くか、選択肢が非常に多いゲームです。また打ち手によって戦略が大きく異なりますよね。したがって単純な勝ちパターンを構築することはできません。そこでニューラルネットワークを用いたAlphaGoは人間同士の試合データを大量にインプットして、AlphaGo自身で中間層の繋がり方、重み付けを変えることによって最善の手を導きました。そして試合データのインプット、学習を繰り返すことによってAlphaGoはどんどん強くなり、世界チャンピオンを倒すまでになったのです。
このような複雑な事象をAI(人工知能)が学習し、予測を改善させるにはインプットした結果を基に「中間層」の繋がり方を変えることができるニューラルネットワークが適しています。そして高性能のコンピューターがあれば中間層の数は何千、何万層まで増やすことが可能です。

この中間層の数を増やして非常に複雑な事象を予測しているのがディープラーニングという技術です。

今ではディープラーニングを用いて人とコミュニケーションを取れるAI(人工知能)の研究も行われています。近いうちに人間の感情を理解したり、冗談を言うようなAI(人工知能)も登場するかもしれません。

ニューラルネットワークが学べる参考書4つ

参考書のイメージ

次にニューラルネットワークをこれから学ぶ人におすすめの参考書を4つ紹介しましょう。

今回はニューラルネットワークに関する参考書のほか、ニューラルネットワークを支える数学とプログラムに関する本も紹介します。

ゼロから学ぶDeep Learning

まず最初にご紹介する本は「ゼロから学ぶDeep Learning」。コンピューター業界で非常に有名な出版社であるオライリー社の本です。表紙にリアルな生き物が書かれている本を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

この本はPythonというプログラミング言語を用いてニューラルネットワーク、ディープラーニングのコードを実際に書きながら学ぶことができます。基礎から書かれているため初めての人でも読みすすめることが可能。
ただし実際にプログラムを書きながら学ぶため、Pythonに関する基本的な知識があったほうが読みやすいです。

図解即戦力 機械学習・ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書

これから機械学習を始める人に向けた参考書は「図解即戦力 機械学習・ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」です。

この本は機械にとっての「学習」とはどういうことか、どのようなプロセスで機械は学習しているのか、という点から始まり、ニューラルネットワークなどの機械学習で使われる技術まで説明しています。

図を多く使って視覚的に分かりやすく丁寧に書かれているため初心者の人たちでも読みやすいです。これからニューラルネットワークを学ぶ人がまず大枠を掴むためにおすすめの本でしょう。

最短コースでわかる ディープラーニングの数学

ニューラルネットワークを理解する上で数学は欠かすことができません。そこで「最短コースでわかる ディープラーニングの数学」をご紹介しましょう。

この本は行列や微積分、統計などのニューラルネットワークやディープラーニングを支える数学的な理論について高校レベルから学ぶことが可能。これからニューラルネットワークを実践するにあたって最低限の理論を理解したい、という人におすすめです。

入門 Python3

ニューラルネットワークを実践するためにはプログラミングに関するスキルも欠かせませんよね。

AI(人工知能)の業界では様々なプログラミング言語が使われていますが、使われることが多く、初心者が覚えて損はない言語はPythonです。そこでおすすめなのが「入門 Python3」。

この本はPythonについて実際にコードを書きながら基礎的な部分から習得することができます。これから実際にプログラムを書いてみる人は必携の本です。

ニューラルネットワークが学べるサイト3つ

webのイメージ

またニューラルネットワークを学ぶうえで参考になるウェブサイトも多いです。

ウェブサイトならばどこでも見ることができますし、お金も掛かりません。そこで次にニューラルネットワーク初心者の人にとっておすすめのサイトを3つ紹介しましょう。

ニューラルネットワークの「基礎の基礎」を理解する ~ディープラーニング入門

「ニューラルネットワークの「基礎の基礎」を理解する ~ディープラーニング入門」は、ニューラルネットワーク、ディープラーニングの基礎について解説した連載記事。

連載記事ということもあり、短い文章で大枠をつかめる内容となっています。図も多く使われていて文章も分かりやすいため、これからニューラルネットワークを学ぶ人がまず全体像を理解するためにおすすめの記事です。

ニューラルネットワークの「基礎の基礎」を理解する ~ディープラーニング入門

筑波大学オープンコースウェア 機械学習

次にご紹介するのは筑波大学で行われている講義、資料を公開しているサイトです。

ここでは機械学習やニューラルネットワークの基礎から応用まで学ぶことができます。講義資料だけではなく、学生に向けて教授が実際に講義している動画も視聴することが可能。この講義は機械学習を学んだことがない学生に向けた内容なので初学者の人におすすめです。

ちなみに講義は全部で20コマあるので基礎からじっくり学びたい方に向いています。

筑波大学オープンコースウェア 機械学習

データ化学工学研究室(金子研究室)@明治大学 理工学部 応用化学科

最後にご紹介するのは材料科学の分野で機械学習を行っている研究室のサイトです。

ニューラルネットワークをはじめ、機械学習で用いられている手法について資料をたくさん公開しています。また実際にデータを取り扱うときに非常に重要となる、データの前処理、解釈について解説した資料も公開されていますのでニューラルネットワークを用いて実際に何かを予測したり、データを解析する人におすすめのサイトです。

データ化学工学研究室(金子研究室)@明治大学 理工学部 応用化学科

ニューラルネットワーク中級者上級者におすすめの参考書&サイト

勉強する人のイメージ

それでは今度はニューラルネットワークを使ってAI(人工知能)、機械学習を既に行っている人に向けた、おすすめの参考書、サイトを紹介しましょう。

Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践

1つ目は、Pythonを用いて機械学習の理論と実際のプログラムコードを解説した本「
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践」です。

ディープラーニングや強化学習などを重点的に説明しており、ニューラルネットワーク、ディープラーニングを使った予測を行いたい人におすすめ。
ただしPythonや機械学習の基礎の知識は必要です。

直感 Deep Learning

開発の現場では他の人でもコードを理解できるように、簡潔に分かりやすいコーディングが必要です。「直感 Deep Learning」ではPythonを用いた機械学習、ニューラルネットワークのプログラムをいかに短く、効率的に書くかという点を重視しています。

企業等でニューラルネットワークを実装しているプログラマー、データサイエンティストにおすすめです。こちらも基本的な部分の記述は少ないため、Pythonとニューラルネットワークの基礎を理解してから読むのがおすすめです。

DeepMind (英語サイト)

次はGoogleの子会社であるDeepMind社のサイトをご紹介します。

このサイトは最初に紹介したAlphaGoで使われている理論や原理についても書かれています。ある程度技術を身につけた後に最先端のAI(人工知能)の適用例を知ると学びがより深まるでしょう。また最新の技術を習得できるのでご自身のスキルアップにも効果的で、英語に抵抗がない人におすすめのサイトです。

DeepMind (英語サイト)

 

勉強する人のイメージ

今回はニューラルネットワークについて紹介し、初心者から上級者まで、レベルに応じたおすすめの参考書、サイトを紹介しました。

ニューラルネットワーク、ディープラーニングを使ったAI(人工知能)の技術は今後ますます進んでいきます。人間とコミュニケーションを取ることができたり、手書きの文字やイラストを認識できるAI(人工知能)が登場するのも時間の問題かもしれません。

そしてAI(人工知能)技術の進歩とともに、ニューラルネットワークを習得しているプログラマー、データサイエンティストの需要はますます高まってくるでしょう。したがって今からニューラルネットワークを学び、実際にプログラムとして書くことができる能力はこれからの時代にとって非常に有用なスキルとなります。

ぜひ本日紹介した参考書、サイトを読んでニューラルネットワークに関する理解を深め、ご自身のスキルアップにお役立てください。

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