「2045年にAI(人工知能)が人間の知能を上回る」技術の進歩とともに衝撃的な予測が発表されました。このような予測が生まれた背景として学習するAI(人工知能)が進化してきたことが挙げられます。
以前は「AI(人工知能)は指示されたことしかできない」と言われていました。しかし今ではAI(人工知能)が自ら学び、その場に応じて最善の行動を選択することができるように。このように学習することができるAI(人工知能)には「ニューラルネットワーク」という技術が使われていることが多いです。
例えば、世界チャンピオンに勝ったことが大きなニュースとなった、Googleが開発した囲碁用AI(人工知能)「AlphaGo」にもニューラルネットワークの技術が使われています。また最近よく耳にする「ディープラーニング」もニューラルネットワークから派生した技術です。
では、ニューラルネットワークとは一体どのような技術なのでしょうか。
そこで今回はニューラルネットワークの理論、AI(人工知能)との関係性について簡単に紹介した後、これからニューラルネットワークを学び始める人、既に実践している人におすすめの参考書、ウェブサイトを紹介しましょう。
ニューラルネットワークとは
まずニューラルネットワークとは簡単に言うと人間の脳を真似した技術です。と言ってもよくわからないですよね。
人間の脳には「ニューロン」と呼ばれる神経が無数に入っていて、ニューロン同士の電気信号によって情報がやり取りされています。そしてニューロンにおける情報のやり取りには3つの特徴があります。
このニューロンの働きをAI(人工知能)に読み取れる形にしたものがニューラルネットワーク。ニューラルネットワークではニューロンの働き方を数学的な理論を基にしたプログラムとしてAI(人工知能)に読み込ませているのです。
ニューラルネットワークの処理におけるポイントは以下の3点です。
ニューラルネットワークでは新たに学習した結果を通じて、中間層の繋がり方を変えたり、閾値や重み付けの係数を変えることによって予測精度を改善していきます。
ニューラルネットワークとAI(人工知能)の関係
ではAI(人工知能)の分野でなぜニューラルネットワークは頻繁に使われるのでしょうか。大きな理由としてニューラルネットワークではAI(人工知能)が人の手を借りずに予測精度を上げられる、という点が挙げられます。
例えば先程紹介した囲碁で考えてみましょう。
この中間層の数を増やして非常に複雑な事象を予測しているのがディープラーニングという技術です。
今ではディープラーニングを用いて人とコミュニケーションを取れるAI(人工知能)の研究も行われています。近いうちに人間の感情を理解したり、冗談を言うようなAI(人工知能)も登場するかもしれません。
ニューラルネットワークが学べる参考書4つ
次にニューラルネットワークをこれから学ぶ人におすすめの参考書を4つ紹介しましょう。
今回はニューラルネットワークに関する参考書のほか、ニューラルネットワークを支える数学とプログラムに関する本も紹介します。
ゼロから学ぶDeep Learning
まず最初にご紹介する本は「ゼロから学ぶDeep Learning」。コンピューター業界で非常に有名な出版社であるオライリー社の本です。表紙にリアルな生き物が書かれている本を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
図解即戦力 機械学習・ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
これから機械学習を始める人に向けた参考書は「図解即戦力 機械学習・ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」です。
図を多く使って視覚的に分かりやすく丁寧に書かれているため初心者の人たちでも読みやすいです。これからニューラルネットワークを学ぶ人がまず大枠を掴むためにおすすめの本でしょう。
最短コースでわかる ディープラーニングの数学
ニューラルネットワークを理解する上で数学は欠かすことができません。そこで「最短コースでわかる ディープラーニングの数学」をご紹介しましょう。
入門 Python3
ニューラルネットワークを実践するためにはプログラミングに関するスキルも欠かせませんよね。
AI(人工知能)の業界では様々なプログラミング言語が使われていますが、使われることが多く、初心者が覚えて損はない言語はPythonです。そこでおすすめなのが「入門 Python3」。
ニューラルネットワークが学べるサイト3つ
またニューラルネットワークを学ぶうえで参考になるウェブサイトも多いです。
ウェブサイトならばどこでも見ることができますし、お金も掛かりません。そこで次にニューラルネットワーク初心者の人にとっておすすめのサイトを3つ紹介しましょう。
ニューラルネットワークの「基礎の基礎」を理解する ~ディープラーニング入門
「ニューラルネットワークの「基礎の基礎」を理解する ~ディープラーニング入門」は、ニューラルネットワーク、ディープラーニングの基礎について解説した連載記事。
ニューラルネットワークの「基礎の基礎」を理解する ~ディープラーニング入門
筑波大学オープンコースウェア 機械学習
次にご紹介するのは筑波大学で行われている講義、資料を公開しているサイトです。
ちなみに講義は全部で20コマあるので基礎からじっくり学びたい方に向いています。
データ化学工学研究室(金子研究室)@明治大学 理工学部 応用化学科
最後にご紹介するのは材料科学の分野で機械学習を行っている研究室のサイトです。
データ化学工学研究室(金子研究室)@明治大学 理工学部 応用化学科
ニューラルネットワーク中級者上級者におすすめの参考書&サイト
それでは今度はニューラルネットワークを使ってAI(人工知能)、機械学習を既に行っている人に向けた、おすすめの参考書、サイトを紹介しましょう。
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践
1つ目は、Pythonを用いて機械学習の理論と実際のプログラムコードを解説した本「
Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践」です。
直感 Deep Learning
企業等でニューラルネットワークを実装しているプログラマー、データサイエンティストにおすすめです。こちらも基本的な部分の記述は少ないため、Pythonとニューラルネットワークの基礎を理解してから読むのがおすすめです。
DeepMind (英語サイト)
次はGoogleの子会社であるDeepMind社のサイトをご紹介します。
今回はニューラルネットワークについて紹介し、初心者から上級者まで、レベルに応じたおすすめの参考書、サイトを紹介しました。
ニューラルネットワーク、ディープラーニングを使ったAI(人工知能)の技術は今後ますます進んでいきます。人間とコミュニケーションを取ることができたり、手書きの文字やイラストを認識できるAI(人工知能)が登場するのも時間の問題かもしれません。
そしてAI(人工知能)技術の進歩とともに、ニューラルネットワークを習得しているプログラマー、データサイエンティストの需要はますます高まってくるでしょう。したがって今からニューラルネットワークを学び、実際にプログラムとして書くことができる能力はこれからの時代にとって非常に有用なスキルとなります。
ぜひ本日紹介した参考書、サイトを読んでニューラルネットワークに関する理解を深め、ご自身のスキルアップにお役立てください。