整体院は、肩こりや腰痛の治療・改善で多くの人が利用していますよね。その整体院がDXで進化しています。
DXとは、クラウドなどのデジタルツール・サービスを導入して、企業の業務をデジタル化することです。DXを進めると、企業は業務の効率化や収益の向上を実現できます。
これは整体院でも同じで、DXは経営面に大きなメリットが期待できる取り組みです。そして整体院のDXは、利用する患者にとってもメリットがあり、利便性がよくなります。その一例をあげるとするならば、患者自身も経過状態を把握でき、回復に向けてモチベーションアップできることです。
では、具体的に整体院のDXとはどうすることなのか、整体院と患者にはどんなメリット・利便性があるのかを知りたいですよね。そこで今回は、整体はDXによってどのように変わったのかについて、事例の紹介とともにお伝えします。
整体とは
整体とは、マッサージや骨格矯正などで、骨のズレやゆがみなどを直し筋肉のコリをほぐして、肩こりや腰痛などの体の不調を改善させる施術です。一般的に「整体院」という看板をかかげているお店に行くと整体が受けられます。
いっぽうで整体の場合は、民間資格がありますが必要ではなく、施術は健康保険の対象外です。つまり整体とは、治療ではなく痛みの改善やリラクゼーションが目的になります。例えば、仕事で疲れが溜まった体を癒したい人におすすめなのが、整体です。
そんな整体業界は、DXで、以前と比べて変化しています。
整体のDXとは具体的にどんなことか
DX(デジタルトランスフォーメーション)について、経済産業省は次の通りに定義しています。
<「DX 推進指標」における「DX」の定義>
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
(出典:「DX推進指標」とそのガイダンス 令和元年7月-経済産業省)
要するにDXとは、「利便性が高いデジタルツール・サービスを取り入れて、業務を効率化させ競争力を高めよう」という推進活動のことです。
現代のビジネスでインターネットは欠かせない通信手段であり、それを上手く使うためにはデジタルツール・サービスが欠かせません。そして、整体のDXも同じです。デジタルツール・サービスの導入は、従来の業務を効率化して収益の向上が可能になります。
このように電子カルテの導入だけでも、DXで業務を効率良くできるのがわかりますよね。このほか整体院のDXには、集客や予約、顧客管理などにデジタルツール・サービスが導入されています。
では、これから実際にDXを進めている整体院の事例を紹介しましょう。
整体にDXが導⼊された事例:たつ整体院
大阪府高石市にある「たつ整体院」がDXで導入したのは、SMS(ショートメッセージサービス)を使った口コミで集客できるデジタルサービスです。
導入以前は、集客のために月4~5万円でネット広告を出し、利用してくれた患者にメールで口コミをお願いしていました。しかし、思うような効果はなく、月に訪れる新規の患者は5人程度。また、口コミを投稿してくれる患者はいませんでした。
そこで、たつ整体院では、集客率を上げるために株式会社cocoが提供している集客支援サービス「coco」を導入。cocoとは、SMSを使って口コミやアンケートを取り、それをもとに集客率を向上させられるデジタルサービスです。
そして、cocoを導入した翌月から新規の患者が増えはじめ、3か月目には20人近くも来院しています。
現代では、集客にネットの口コミが大きな効果を発揮します。しかし、顧客にお願いしても思うように投稿しないことが多いのが現状。以前のたつ整体院のように、集客に苦労している場合は、cocoのようなデジタルサービスでDXを進めましょう。
整体にDXが導⼊された事例:タスク鍼灸接骨院・整体院
静岡県浜松市にあるタスク接骨院・整体院では、DXでAI(人工知能)姿勢分析システムを導入しました。同院がAI(人工知能)姿勢分析システムを導入した目的は、患者の症状を改善させる指導内容のバラツキを抑えて、精度を向上させるためです。
そして、タスク接骨院・整体院が導入したのは、株式会社SapeetのAI(人工知能)姿勢分析システム「シセイカルテ」です。シセイカルテは、患者の体をカメラで撮影した画像から、姿勢の状態をAI(人工知能)が分析し、画像と数値で可視化します。
シセイカルテの導入でタスク接骨院・整体院では、患者への施術の効果や改善に向けた提案も説明しやすくなりました。そのため整体に関する知識がない患者も、体の状態がわかりやすくなり好評を得ているとのこと。
このようにタスク接骨院・整体院では、DXでAI(人工知能)姿勢分析システムを導入して、以前よりも施術内容が向上し、患者とは密接な信頼関係が築けるようになりました。
整体にDXが導⼊された事例:巡り整体院
埼玉県さいたま市にある巡り整体院は、DXで顧客管理ツールを導入して、業務効率を向上させています。
そこで巡り整体院では、顧客管理ツールを導入。同院が導入したのは、株式会社プロデュース・アクティビストの「COCKPIT」です。この顧客管理ツールによって、これまで手作業していた顧客管理業務の自動化を実現し、その業務に割いていた時間が削減できて業務効率が向上しました。
そして、集客コスト、LTV、受信回数などはすべて自動計算してくれるので、経営状況を把握できるようになりました。そして今後は、さらなるDXで、収益の向上を目指していくとのことです。
整体とDXで、今後こんなことができる
紹介した3つの事例は、整体で実施されているDXの主な代表例です。そして、今後もDXで整体のサービス、業務の内容は変化していくでしょう。
現在、その変化の1つとして考えられるのが、診察や施術をするAI(人工知能)ロボットの登場です。具体的には、まず整体院に行くとAI(人工知能)ロボットが問診をして、カメラで患者の姿勢の状態を把握します。そして、それらの情報をもとにAI(人工知能)ロボットが患者の症状を分析し最適な療法を導き出して、ロボットが施術を実施。
これは、あくまでも予測ですが、すでにAI(人工知能)ロボットは、企業の倉庫や工場で荷物の搬送や製品の仕分けで実用化しており、そのほかの分野でも普及が進もうとしています。同じように、整体でも診察と施術をするAI(人工知能)ロボットが開発され実用化しても、おかしくはありません。
そして、野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究では、近い将来に現在は人が担っている職種のうち、約49%がAI(人工知能)に代替される結果が出されました。しかし整体の仕事は、マッサージなどで繊細な指使いが求められるので、AI(人工知能)が代替するのは難しいとされています。
ただテクノロジーの進化によって、診察や施術のすべてではなくても、部分的にAI(人工知能)ロボットが人に代わるのは十分に考えられます。そのため近い将来、整体院に行くとAI(人工知能)ロボットに診察や施術してもらうのが当たり前になっているかもしれません。
さて、今回は整体がDX(デジタルトランスフォーメーション)により変化していることについて、お伝えしました。
整体とは、一般的に整体院で受ける施術です。患者がそれを受けると、骨のズレやゆがみなどが治り、体のバランスを整えられます。
その整体を受けられる整体院では、現在、電子カルテなどのデジタルツール・サービスを導入して、業務の効率化、収益の向上が図れるDXが進められています。その大きな理由は、DXで整体院の業務全般が効率化できるメリットがあるためです。
その中でも、代表的なDXの事例を今回は3つ紹介しました。
- たつ整体院:SMS(ショートメッセージサービス)を使った集客支援サービス「coco」で、集客率が向上
- タスク接骨院・整体院:AI(人工知能)姿勢分析システム「シセイカルテ」を導入、体の状態がわかりやすくなり患者からも好評
- 巡り整体院:顧客管理ツール「COCKPIT」の導入で業務効率が向上、今後はAIコンサルを導入して収益向上を目指す
事例のように現在のところ整体では、デジタルツール・サービスでDXが進められています。そして今後、テクノロジーの進化でAI(人工知能)ロボットが開発され、それが診察や施術を人に代わってすることも考えられます。
現時点で患者から見ても、AI(人工知能)姿勢分析システムなどで、質の高い整体が受けられるのは、DXによるものです。そのため整体のDXとは、整体院と患者をWin- Winにしてくれる望ましい変化になるのは間違いありません。
そんな中で、当メディア(AIZINE)の運営会社のグループ会社であるPosen株式会社が、姿勢をチェックするAI(人工知能)「Posen」を開発しました。整体のDXをお考えの場合は、まず以下のページをご覧ください。