5年がタイムリミット。AIが麻雀でも人間に勝つ未来はやってくる | AIZINE(エーアイジン)
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5年がタイムリミット。AIが麻雀でも人間に勝つ未来はやってくる

麻雀のイメージ

2017年、囲碁AI(人工知能)がついに人間のプロプレイヤーに勝利しましたよね。近年、囲碁や将棋のようにルールが明確なゲームにて、AI(人工知能)が勝利するようになりました。「まさか、こんなにも早くコンピュータが人間に勝つなんて」と驚かれた方も多いでしょう。

しかし世間では、

「囲碁では勝利できたが、麻雀においてAI(人工知能)が人間のトッププレイヤーに勝利するには、あと5年はかかるだろう」

と言われています。では人間のうわさ通り、あと5年でAI(人工知能)は麻雀でも人間のトッププレイヤーに勝利できるのでしょうか。

そこで今回は、あと5年でAI(人工知能)は麻雀でも人間のトッププレイヤーに勝利できるのか、そもそも囲碁で勝利したからといって麻雀でも勝利できるのか、という疑問についてお話していきます。

AI(人工知能)が囲碁のトッププレイヤーに勝利した

勝利のイメージ

近年では、「囲碁やチェスでAI(人工知能)が人間のトッププレイヤーに勝利できたのなら、ポーカーや麻雀でもAI(人工知能)が勝利できるのではないか」と人々の注目が集まっています。

コンピュータが開発されて以降、囲碁の分野においても

「いつコンピュータが人間に勝つ時代がやってくるだろうか」

と囲碁プレイヤーやプログラマーたちがワクワクしながら研究を続けてきました。

そしてAI(人工知能)が誕生してからも

「AI(人工知能)が囲碁で人間のトッププレイヤーに勝利するにはあと10年以上はかかるだろう」

と噂されていました。しかし、AI(人工知能)は人間の予想よりもはるかに早く囲碁のトッププレイヤーに勝利したのです。

こうなると「麻雀においても人間の予想よりもずっと早く人間のトッププレイヤーに勝利する時がやってくるのではないか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、囲碁と麻雀はゲームの性質がやや異なります。まずは、囲碁と麻雀というゲームの違いについてお話しましょう。

囲碁と麻雀というゲームの違い

囲碁のイメージ

AI(人工知能)がすでに人間のトッププレイヤーに勝利している「囲碁」や「チェス」などは、ゲーム中に相手の状況も目で見て把握することができますよね。

このようなゲームを「完全情報ゲーム」といいます。

一方で、「麻雀」や「ポーカー」は、相手が持っている牌(パイ)やカードが見えません。

このように相手の状況を把握できないゲームを「不完全情報ゲーム」。

囲碁と麻雀は、完全情報ゲームであるか、不完全情報ゲームであるか、という点が異なります。

このように、麻雀は不完全情報ゲームなので、ゲームの面白さのひとつが「相手の表情や態度、仕草などから相手の状況を予測する」という点でしょう。トッププレイヤーの中には、ゲームで不利な状況にあるにも関わらず、堂々とした態度をとり、相手に弱みを見せないと強者も存在しますよね。

しかし、多くのプレイヤーが少なからず自分の状況を無意識に表情や仕草で表現してしまっているのではないでしょうか。そのような相手の様子を敏感に読み取る能力が、麻雀では必要となってきます。

AI(人工知能)は麻雀でも人間に勝てるのか

AI(人工知能)のイメージ

しかし、AI(人工知能)は数式の計算や文章の生成は得意ですが、人間のちょっとした表情や仕草から感情を読み取るのはまだまだ苦手です。相手を観察して、相手のレベルを見積もることが上手にできないため、麻雀などの不完全情報ゲームでは人間に上手く騙されてしまうことも少なくありません。

しかも麻雀は、実力だけでなく「運」や「流れ」も勝敗に影響します。

運や流れのような不確定要素は、AI(人工知能)がどれだけ高い能力を持っていたとしても、どうにもできません。ということは、AI(人工知能)が人間のトッププレイヤーに勝利する日は来ないのでしょうか。

確かに、1回や2回のプレイでは、運や流れに左右されてしまうかもしれません。しかし、数百回ゲームを重ねていけば、より多く勝利するのは実力のあるプレイヤーです。

つまり、「運」や「流れ」などの不確定要素は、経験と実力にはかなわないということでしょう。

ということは、AI(人工知能)にも勝利の可能性が見えてきましたよね。

とはいっても、実はすでに麻雀においても、AI(人工知能)はトッププレイヤーには及ばないものの、普通のプレイヤーよりははるかに強い実力を持っています。

つまり、素人プレイヤーがどんなポーカーフェイスを使っても、運や流れが人間に味方したとしても、AI(人工知能)の実力にはかなわないでしょう。

なぜなら、AI(人工知能)は私たち人間よりもはるかに多く麻雀の学習と実践練習を行っているからです。やはり人間対AI(人工知能)のゲームにおいても運よりも経験や努力が勝るということでしょうか。

感情認識でAI(人工知能)はより強くなる

表情のイメージ

さらに、AI(人工知能)は人間の表情や仕草を読み取って察するのが苦手、と先ほどお話ししましたが、あと数年で簡単に読み取れるようになる可能性があります。なぜなら、AI(人工知能)の画像認証や音声認識の研究はかなり進んでおり、すでに人間の感情認識ができるAI(人工知能)が登場しているから。

パナソニックは、言語解析と音響解析により人間の感情を認識するAI(人工知能)を開発しました。言語解析では、「楽しい」「悲しい」などの言葉などから感情を解析し、そして、音響解析では音声の特徴量から感情を解析します。例えば、声のトーンや柔らかさなどから感情を判定します。嬉しい時や楽しい時はテンションが上がって声が高くなりますよね。そのような声のトーンや柔らかさをAI(人工知能)は聴き取ります。

このような感情を認識するAI(人工知能)は、コールセンターにおいて、顧客の感情に配慮した受け答えや、社内でのパワハラの防止に役立つでしょう。ですから当然、麻雀などの不完全情報ゲームにおいても活用できますよね。ゲーム中の相手の苛立ちや余裕な感情などは、言葉にも表れます。AI(人工知能)は相手のちょっとした発言を聴き取ることで、相手の状況の予測が可能になるでしょう。

他にも、

シーエーシー(CAC)が開発した「心sensor」は、人間の表情から感情を判定します。人間の顔の画像をリアルタイムに計測し、顔の34か所の動きから7種類の感情値と21種類の表情値を計測。このような感情認識のAI(人工知能)は、企業の顧客満足度の向上やリサーチなどに役立つでしょう。

「心sensor」はディープラーニング技術により、膨大な人間の表情のデータを吸収し、認識と解析を行っています。ディープラーニング技術による識別の制度の向上によって、人間の瞬間的に生じる表情を確実に読み取れるようになりました。「心sensor」を使えば、私たちのちょっとした表情なども読み取られてしまいそうですよね。普段から感情を隠している人は、注意しましょう。

 

麻雀のイメージ

今回は、AI(人工知能)は5年で麻雀のトッププレイヤーにも勝利できるのか、というお話をしました。完全情報ゲームである囲碁では人間のトッププレイヤーに勝利しても、不完全情報ゲームの麻雀でトッププレイヤーに勝利するのはまだ難しいようです。

なぜなら、不完全情報ゲームでは相手の表情や仕草から相手の状況を察する必要があるから。

しかし、

AI(人工知能)が人間の表情や声から感情を判定する能力は日々向上しており、麻雀の能力も運や流れに左右されないくらいアップしています。こうなれば、AI(人工知能)が麻雀でも人間のトッププレイヤーに勝利するのは時間の問題でしょう。

AI(人工知能)が麻雀で人間に勝利するのは5年後くらいか、と言われていますが、もしかするともっと早くに勝利できるかもしれません。その時が来るのが今から楽しみですよね。

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