機械学習を進めるにあたっては、最適なプログラミング言語を使って、効率的に開発していきたいですよね。使用する言語を間違えてしまうと、開発が行き詰まってしまい、挫折してしまうかもしれません。
言語選びに失敗したくない、という人におすすめなのが、Pythonです。Pythonは初心者向けの言語といわれており、AI(人工知能)やプログラミングの知識がない、という人でも容易に習得できます。そんな方がこの記事を読めば、Pythonや機械学習に関する知識を身につけ、すぐに開発を始められるようになるでしょう。
そこで今回は、Pythonを使って機械学習を実行したい人に向けて、Pythonや機械学習についての書籍やサイト、おすすめのライブラリに関する情報をお伝えします。
機械学習とは
コンピューターに膨大な量のデータを入力し、データ上のパターンや傾向を発見させることを、機械学習といいます。見つけた特徴に基づき分析することで、データの分類や予測が可能です。その成果は、ECサイトのおすすめ機能や、カメラの顔認識機能など、私たちの身近なところで活用されています。
機械学習をPythonで開発するメリットって?
Pythonを機械学習に用いることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。考えられるメリットは、次のようなものがあります。
プログラミング言語として使いやすい
機械学習ではデータの前処理やアルゴリズムの構築など、複数のタスクをこなさなければなりません。記述形式が複雑な言語では、実装に時間がかかってしまいます。
Pythonは、プログラミング初心者でも習得しやすいほどコードがシンプルで分かりやすく、可読性が高い言語なので、コーディングに手間がかかりません。
情報収集に困らない
プログラミング初心者や独学で勉強している人は、疑問点をどう解決すればいいか分からない、という状況に陥りがちですよね。
Pythonは効率的な開発を支援するライブラリやフレームワークが充実しており、コミュニティも活発です。必要な情報をすぐに集められるので、スムーズに学習を再開できるでしょう。
Pythonを勉強!おすすめ入門書籍&サイト3つ
機械学習をPythonで開発するのであれば、まずPythonについて勉強する必要があるでしょう。Pythonについて学べるおすすめの書籍やサイトを3つ厳選しましたので、ぜひ参考にしてください。
『図解! Pythonのツボとコツがゼッタイにわかる本 “超”入門編』
「超入門編」というタイトルどおり、学習範囲を限定し、基礎的な内容に絞って解説されています。Pythonやプログラミングを勉強したい人向けに書かれており、Windowsの操作方法が分かるレベルであれば問題ありません。
図解が豊富なため分かりやすく、スムーズに読み進められるでしょう。Pythonの全てを網羅しているわけではないので、学習の土台を築くための一冊として利用することをおすすめします。
Progate
Progateはオンライン上でプログラミングを学べるサービスです。Pythonの環境構築が不要なので、手軽に学習を始められます。イラスト中心のスライドで復習しやすく、反復学習を繰り返すことで知識の定着を図れます。
達成度や勉強量が可視化されるので、学習意欲が下がりにくく継続しやすいです。Pythonの基本的な使い方を学べる「Python I」のみ無料で、より実践的な内容を学ぶには、有料会員になる必要があります。
Python-izm
Python-izmは、Pythonの学習に特化したサイトです。内容は入門、基礎、応用の3つに分かれており、自身の習熟度に合わせて段階的に学べます。サンプルコードと実行結果が一緒に掲載されており、自分でコードを書く際の参考にしやすいです。
またアプリやデータベース、実務的な文法なども解説されていて、完全無料ながらPythonについて幅広く勉強できるサイトです。
機械学習の初歩を学べるおすすめ書籍&サイト3つ
Pythonで機械学習をおこなうのであれば、機械学習への理解も欠かせません。ここでは、機械学習に触れたことがない人におすすめの書籍やサイトを、3つご紹介します。
『世界一カンタンで実戦的な文系のための人工知能の教科書』
機械学習を理解するために必要な、人工知能(AI)について書かれた一冊です。数学やプログラミングの知識は必要なく、平易な文体で解説されており、文系の人でも抵抗感を覚えにくい内容となっています。
AI(人工知能)の歴史や仕組みに始まり、今後の展望について、論理的かつ具体的に述べられています。この本を読むことで、AI(人工知能)に関する体系的な知識を得られるでしょう。
キカガク
キカガクでは、AI(人工知能)や機械学習について学べるサイトです。サイトに登録することで、機械学習で用いる数学や、統計・データサイエンスの基礎を学習できる「脱ブラックボックス講座」を無料で受講できます。講義はプロの講師が解説する動画形式です。
動画の最後には演習形式のテストが用意され、理解度を確認しつつ確実にスキルを身につけられます。基礎を学んだ後は、「AI人材育成長期コース」など合計7つのコースを受講することで、さらなるレベルアップが可能です。
AI Academy
AI Academyでは、AI(人工知能)や機械学習の実践的なスキルを習得できる、オンライン学習サービスです。プログラミングの基礎を学びたい、機械学習を活用したWebアプリを作りたい、など目的ごとに最適なカリキュラムが自動で生成され、効率的に勉強を進められます。
400種類以上用意されたコンテンツを全て閲覧するためには、有料プランへの加入が必要。無料でも100以上のテキストを利用できるので、気軽に機械学習に関する学習を始められます。
Pythonで機械学習をするためのおすすめ書籍&サイト3つ
Pythonと機械学習の両方を同時に学びたい、Pythonを使った機械学習の進め方について知りたい場合には、以下の書籍やサイトを使いましょう。
『スッキリわかるPythonによる機械学習入門 スッキリわかるシリーズ』
数学理論やプログラミング、ライブラリなど、Pythonによる機械学習に必要な知識を習得できます。
初心者向けに易しく書かれていますが、全体の流れが意識されており、読み進めることで自然とステップアップできる内容です。解説、サンプルコード、実装結果がセットで記載されているので、手を動かしながら実践的なスキルを身につけやすい仕様になっています。
Aidemy
Aidemyは、Python特化型のプログラミング学習サービスです。機械学習の基礎や、Pythonを使った自然言語処理、データクレンジングなどを学べます。
Aidemyのサービス形態は完全オンラインなので、生活スタイルに合わせて無理なく勉強を続けられます。また講師がマンツーマン形式でサポートしてくれるため、初心者でもつまずきを感じにくく、学習を進めやすいです。利用料金は月額14,666円(税込)で、受講後8日以内であれば全額返金にも対応しています。
Pythonと機械学習の入門サイト
Pythonと機械学習の入門サイトはサイト名のとおり、Pythonと機械学習に関する情報のみを取り扱っています。Pythonのダウンロードやインストール方法からしっかり解説されており、全くの初心者でも問題ありません。記事一つひとつの内容が濃く、画像がふんだんに使われていて、理解を深めやすいです。
機械学習で数字画像認識をおこなうプログラムやPythonを使ったオセロプログラムなど、実際に動かせるプログラムの作成方法も紹介されています。
Pythonで機械学習するためのおすすめライブラリ3つ
ライブラリとは関数やコードなど、よく使われるプログラムをまとめたものです。システム開発に欠かせないものなので、Pythonで機械学習を進める際にも、必要な機能がそろったライブラリを使用しましょう。おすすめのライブラリは、以下の3つです。
NumPy(ナムパイ)
NumPyは、Python用の数値計算ライブラリです。機械学習における大量のデータ処理が可能で、効率的な開発が実現します。配列処理にも優れており、多言語配列や画像・音声処理など、幅広く活用できます。
また実際の開発現場で他のライブラリと併用されることも多いので、最初に利用して慣れておきましょう。
Pandas(パンダス)
Pandasでは表計算やデータ整形など、テーブルデータの取り扱いに長けたライブラリです。データの読み込みやクリーニングが可能で、機械学習によるデータ分析精度を高めるための前処理によく用いられます。
ExcelやCSV、SQLデータベースなどの入出力に対応しています。
scikit-learn(サイキャット・ラーン)
scikit-learnでは「回帰」「分類」「クラスタリング」「次元削減」など、機械学習に必要な機能を搭載しており、使い勝手がよく人気の高いライブラリです。数多く存在するアルゴリズムの中から、適切なものを選べる「チートシート」が用意されています。
機械学習全般の実装が可能なため、Pythonによる機械学習には必須のライブラリといえるでしょう。
Pythonで機械学習をする上で注意しておくこと
Pythonで機械学習を進めるにあたっては、以下の点に注意しましょう。
高品質なデータを使用する
機械学習では、クリーニングされたデータを使いましょう。重複があったり、関連性が低かったりなどデータに不備があると、正確なテスト結果を出力できません。前処理をしっかりおこない、データの質を高める必要があります。
データの時系列を守る
並び順に意味があるデータを用いる場合には、その順番を守る必要があります。例えば天気や株価など、未来にどうなるのか知りたい場合にデータがシャッフルされてしまうと、結果が分かっている状態で予測することになってしまい、意味がありません。
さて今回は、Pythonや機械学習についての書籍やサイト、おすすめのライブラリなどに関する情報をお伝えしました。
Pythonには文法がシンプル、ライブラリやコミュニティが充実している、という特徴があり、機械学習でも使いやすい言語です。Python及び機械学習について学ぶのであれば、今回ご紹介した書籍やサイトを参考にしてみてください。
また自身のやりたいことや、スキルレベルに合った教材を探してみるのもおすすめです。機械学習を実行する際には、極力不備のないデータを使用する、データを勝手にシャッフルしない、などの点に気をつける必要があります。
Pythonをマスターし、機械学習ができるようになると、できることの幅がグッと広がります。本記事の情報を元に、Pythonを使った機械学習を始めましょう。
【お知らせ】
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