AI(人工知能)の技術が発展してきた現在、AI(人工知能)に関連した用語を聞く機会も増えましたよね。とくによく聞く用語といえば機械学習と深層学習(ディープラーニング)でしょう。機械学習も深層学習(ディープラーニング)もAI(人工知能)に関連した技術の中でもとくに大事な技術であり、その理解はAI(人工知能)を学ぶに当たって避けては通れません。
しかし、機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いがどうにも理解できない、何が違うのかよくわからない、そもそもこの2つの単語はどんな意味なのだろうか、という人も多いでしょう。機械学習と深層学習(ディープラーニング)はところどころ似た概念の技術であり、理解が難しい点が出てくることもあるはず。似ているふたつの技術ですが、正確には異なる技術を指す用語であり、その違いと関連性は押さえておきたいですよね。
そこで今回は、機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いや関連性に焦点を当てて、それぞれの技術について解説しましょう。まずは機械学習と深層学習(ディープラーニング)とは何かについての解説です。
今機械学習や深層学習って聞くけどこれらは何?
機械学習や深層学習(ディープラーニング)の違いや関連性を知る前に、そもそもこのふたつが何物なのか知りたいところ。そこでまずは、機械学習と深層学習(ディープラーニング)とは何かについて確認しましょう。
機械学習や深層学習(ディープラーニング)とはAI(人工知能)に関連した技術で、2つとも機械の学習方法のことを指します。ここでの学習とは、大量のデータを与えてアルゴリズム(計算方法)をもとに解析し、規則性や関係性を見つけ出すことです。
ここからより深掘りして、次では機械学習についての解説をしましょう。
機械学習とは
機械学習とは機械が与えられたデータをもとに反復的に学習し、規則性や関係性を見つけ出すことです。それにより株価変動などの将来の予測や製品が異常か異常じゃないかなど分類をするモデルを構築します。
機械学習には主に、それぞれ教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3種類に分けられます。
教師あり学習
出力の正解がわかっている膨大なデータを入力することで、データのルールやパターンを学習し、モデルを構築する手法です。その後、構築されたモデルに正解が未知のデータを新たに入力して、ルールやパターンに基づいて認識や予測をします。代表的な手法は、売り上げや降水量など連続する値を具体的に予測する「回帰」です。
教師なし学習
教師あり学習とは異なり、正解が不明なデータを用いて学習させる手法で、アルゴリズム自身がデータを分析し、データの構造やパターンを見つけ出したり、データの分類をおこなったりします。代表的な手法は、年齢や消費傾向などの特徴から似たもの同士のデータを同じグループにわける「クラスタリング」です。
強化学習
強化学習も正解のデータは与えられません。その代わりに、一連の行動が望ましいものであれば報酬を与え、その最大の報酬になるように機械が試行錯誤しながら学習していく手法です。株式の売買やゲームの学習に使われることが多く、例えば囲碁ソフトのAlpha Goではより良い一手を導き出すように強化学習が活用されています。
機械学習の次は深層学習(ディープラーニング)についてです。
深層学習(ディープラーニング)とは
ディープラーニングとは、人間の手を煩わせずに機械が自動で大量のデータから特徴を発見する技術のこと。AI(人工知能)は現在を含め3回のブームがあり、3回目の現在のAI(人工知能)ブームに火をつけたのはディープラーニングといっても過言ではありません。
さて、深層学習(ディープラーニング)の技術のベースには機械学習の一種であるニューラルネットワークがあります。では、ニューラルネットワークをはじめとした機械学習や、深層学習(ディープラーニング)によって支えられているAI(人工知能)は深層学習(ディープラーニング)とどのような関係にあるのでしょうか。続いては、そのAI(人工知能)と機械学習と深層学習(ディープラーニング)の関係について解説します。
AI(人工知能)と機械学習と深層学習の関係
AI(人工知能)と機械学習と深層学習はそれぞれを混同したり、逆にまったく別の技術であったりと認識されがちですよね。でも実はこれら3つの技術は大いに関係があり、一方で同じの技術とも限りません。
AI(人工知能)と機械学習と深層学習(ディープラーニング)の関係を非常に簡潔に述べると
となります。細かく説明すると、AIは機械学習を含み、機械学習は深層学習(ディープラーニング)を含む存在です。そのため、機械学習や深層学習(ディープラーニング)はAI(人工知能)を支える技術というより、AI(人工知能)の一種である、といった方が正確な表現になります。
そして、機械学習の一種であるニューラルネットワークもまたAI(人工知能)の一種であり、深層学習(ディープラーニング)の基盤技術です。ニューラルネットワークとは、人間の脳の神経回路を模した数理的モデルで、データを入力する入力層、データの重み付けをおこなう(複数の)中間層、データの出力をする出力層にわけられます。
AI(人工知能)と機械学習と深層学習(ディープラーニング)の関係はわかったけど、機械学習と深層学習(ディープラーニング)がどう違うのかが次なる疑問として浮かびますよね。次に機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いについてお伝えします。
機械学習と深層学習の違いとは
機械学習と深層学習(ディープラーニング)との違いは機械学習の一種であるニューラルネットワークを活用したものが深層学習(ディープラーニング)である、ということだけではありません。もうひとつの大きな特徴として、データから特徴を人間の手を介して見つける手法なのか、機械が自動で見つけ出す手法なのか、という点です。
機械学習では構造化データ(整って並んだデータ)を使える場合に利用され、複雑な非構造データ(整ってない)の場合には深層学習(ディープラーニング)が利用されます。深層学習(ディープラーニング)は非常に画期的な技術で、非構造データを自動的に扱えることから人間では見つけられなかった特徴を見つけることができるようになったことで、現在の画像認識や音声認識が可能となったとのこと。
機械学習や深層学習(ディープラーニング)の関係性や違いの次は、これらの技術のこれからの進展も気になりますよね。最後に機械学習と深層学習(ディープラーニング)の未来についてお伝えします。
これからの機械学習と深層学習
機械学習、とくに深層学習(ディープラーニング)のブームや発展はこれからもまだまだ続くと考えられます。そのなかでも、なかなか解決の難しい社会問題に機械学習や深層学習(ディープラーニング)の技術が注がれると予想されるでしょう。
このように機械学習も深層学習(ディープラーニング)も最先端の技術とはいえ、メリットだけでなくデメリットも抱えているので、使うに当たって注意が必要ですよね。
さて、今回は機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いや関連性に焦点を当てて、それぞれの技術について解説しました。
機械学習とは機械が与えられたデータをもとに反復的に学習し、規則性や関係性を見つけ出すことでした。機械学習は主に3種類に分類されます。
- 教師あり学習:入力したときの出力に正解のあるデータを機械に与えてやる手法。連続する値を予測する「回帰」が代表例。
- 教師なし学習:正解のないデータを機械に与えてやる手法。似た者同士に分類する「クラスタリング」が代表例。
- 強化学習:正しい行動(目的に沿った行動)をした場合に報酬を与える手法。囲碁ソフトのAlpha Goなど。
ディープラーニングは自動で大量のデータから特徴を発見する技術で、現在起こっているAI(人工知能)の第三次ブームの火付け役です。ディープラーニングの登場で、特徴量を自動で見つけ出すことが可能となり、画像認識や音声認識の分野でさまざまなことができるようになりました。
AI(人工知能)、機械学習、深層学習(ディープラーニング)の関係を簡潔にまとめると「AI>機械学習>深層学習」ということになるでしょう。機械学習とはAI(人工知能)の一種を指し、深層学習(ディープラーニング)とは機械学習の一種のことを指します。
機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いは、機械学習のうち、ニューラルネットワーク、その中でも中間層が複数あるディープニューラルネットワークを用いた手法の一種が深層学習(ディープラーニング)であることがひとつです。もうひとつ重要な違いは、人間の手を介する手法が機械学習、データから特徴を機械が自動で見つけ出すのが深層学習ということがあげられます。そのため、深層学習(ディープラーニング)では人間がこれまで見つけられなかったような特徴を捉えることも可能となりました。
さまざまな応用が考えられますが、これから機械学習や深層学習(ディープラーニング)は超高齢化社会などの社会問題の解決に活用されるのは間違いありません。一見深層学習(ディープラーニング)の方が最先端だし、何でもできそうですが、逆に処理が複雑化して人間が説明できないブラックボックス問題も抱えています。機械学習を使うのか、深層学習(ディープラーニング)を使うのかは時と場合によるでしょう。
機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違いはぱっと見わかりづらいですが、ていねいに追っていけば理解できます。ふたつの違いをきちんと頭に入れて、次なるステップへと進みましょう。
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