現在の日本は、超高齢化社会に突入したと言われていますよね。子供の数は減り、65歳以上の人口が30%、40%となっていくなんて未来が本当にすぐそこまでやってきました。高齢化社会は進んでいるけど、介護スタッフは不足している言われる今。
介護難民の人数も増えて行くなどとも言われ、とっても心配です。そこで登場するのが、介護ロボット。介護士さん仕事の負担や、自宅で介護する方の負担軽減に役立つために開発されているようです。
最近、「介護」という言葉を聞くとついついドキッと反応してしまうような出来事に出くわしてしまい、今回真剣に考えてみることにしました。そのきっかけになったやり取りはこんな感じです。
義理の母との会話のいち場面です。
(義理の母)
私は、おじいちゃんもおばあちゃんもこの家で、最後まで面倒見てきたのよ〜
へ〜。そうなんですか。すごいですね。大変なこともあったんじゃないですか〜?
(義理の母)
そうね〜。だから、私たちの介護もお願いね〜
ん?!?!・・・(00)えっ? はっははい。。。。(^_^;)
(心の中)
え〜っと。次男坊だし、県違うし、帰ってこいとは言われないよね?!モジモジモジ…
と、思いながらも、その日からいつかその日がやって来るのか。と、「介護」という言葉を聞くとソワソワしてしまうようになりました。
もちろん、大切な人のご両親、また、自分の両親が本当に何かあって介護が必要になった時、力になるのは当たり前のこと。が、しかし、介護はそんなに簡単なものでもないはずです。
そこで今回は、介護ロボットはどれ位介護ライフを助けてくれるのか。実際の介護施設では、どのように活用されているのか。いつか自分にも関係して来るかもしれない未来の準備として、事例を見ながら介護ロボットについて徹底的に調べました。
AI(人工知能)も掲載された介護ロボットは、どのように高齢化社会を救うのでしょうか。実際利用するとなったらどうなんだろうと、真剣にイメージしながらお伝えしていきます。どうぞご覧ください。
介護ロボットの今
介護ロボットのことを知る前に、介護ロボットを利用するは現場は、どのように浸透しているのかでしょうか。その辺りから触れていきます。
早速ですが、調べていると
- 開発企業
- 国(の制度)
- 施設のオーナー
- 施設の現場スタッフ
の4つの関係性のようなものが見えてきました。
こちらの章では、4つの関係性について触れていきます。
開発企業と国の活動
開発が進められている介護ロボットですが、まだまだその利用率は低く、現場への浸透はこれからのようです。
しかし、介護ロボットを普及させ、超高齢化社会時代、そして介護士さんの負担を減らそうと、開発企業、国、共に力を入れて動き出しています。
「価格が高い」という理由で施設への導入はなかなか難しいという問題もあり、国は補助金制度を導入し、購入金額を補助するなどの施策で、浸透できる社会づくりを整えています。補助金は、開発企業に向けたものも。このような背景もあり、介護ロボットの市場は年々右肩上がりに成長していて、”実用的”な導入を目標に進化しています。
国をあげて力を入れていることが見えますよね。
施設運営者と現場の温度感
一方、現場の姿勢はというと?・・・これが、とっても消極的。
これまで、人の手によってされてきた介護という仕事の中では「ロボット」は近しい関係性ではありません。そのため、「全く新しいもの」として受け止められがちで、介護士さんたちには
- どうやって使っていいか分からない
- 利用して介護者さんに危害を加えてしまったらどうしよう
- 故障した時どうしたらいいの?
といった不安が先で、なかなか積極的とはいきません。
そこには、気になる理由もありました。
介護ロボットが普及し始めた当初の導入きっかけには、ロボットメーカーが介護施設のトップに営業をして導入にいたるといったものや、お付き合いの関係や政治力などの絡み、「補助金がある」ということに飛びついて導入するといった経緯が多くありました。
「これはいい!」と実感して導入が決まった訳ではなく、トップの中で勝手に決まり、後は「導入したから使ってくれ」と丸投げするように伝わるケースが多かったので、現場は「押し付けられた感」の空気がたっぷり。
このような環境下では「この介護ロボットを、うまく活用しよう!」という前向きな気持ちで活用されることは難しかったのです。そいうやって、せっかく導入された介護ロボットは、あまり活用されことなく、使われなくなる…という悲しい結果に終わっていたのです。
高額なものを、なっ、なんてもったいない。。。
という言葉が思わず出てきてしまいますが、
こういった光景、規模の大きさは違えど、会社や生活の中でも見たことがある光景ですよね。介護ロボットだからというものではないように思います。
しかし、このような光景、例えば「伝わり方」が変わるだけで、全く違ったように受け入れられることってあると思いませんか?
そこでとてもすてきなニュースも見つけました!!
開発企業と現場の介護士さんとの触れ合い
介護機器メーカーと高齢者施設の介護士が集まって、意見を交わしあい、現場のニーズと機器のミスマッチを減らして、介護ロボット活躍を増やしていこう!という試みです。
例えばこの意見交換会では、介護士さんは「取扱が面倒で使わなくなりました」「いまでは倉庫でほこりをかぶっています」という事実をぶつけ、メーカーは「いい物は必ず普及する。介護現場の課題をしっかり把握して、普及につなげます」という思いを伝えます。
メーカーは、介護士さんの生の声を聞き必要なものが分かり、介護士さんはメーカーさんが、介護の役に立つ商品を作ってくれているという思いを知る。それぞれの声を知ることで、その意識に何か違うエッセンスが加わることは間違いありません。
そうやって新たな商品が生まれ、介護士さんが商品の良さ、メーカーの思いを実感できれば、「介護ロボットを使ってみたい!」という言葉も増えてきそうに思いますよね。
そう、こうやって紆余曲折しながらも、開発企業は現場に足を入れながら成長していっています。それでは次は、介護ロボットを施設に取り入れてて成功している導入事例について見ていきます。
介護ロボット導入の成功事例
ここで登場するのは、癒やしを与えてくれるコミュニケーションロボットアザラシ型のロボット「パロ
もちろんこちらの施設でも導入に至るまでの道のりも、決してスムーズなものではありませんでした。導入を思いついたのは、その施設の施設長。「介護ロボットの導入は現場に役立つのではないか!」と考えたのがきっかけでした。
しかしはじめ現場では、導入にはまったく興味なし。その担当任された課長も反対で、ここちらも「やらされ感」たっぷりでロボット見学や視察に行かされていました。
行ってはレポートを書かされ。
きっと担当を任命された課長の心の中は
といった感じだったはずです。それでも、しょうがなくレポートを書く。すると、また施設長のフィードバックが返ってきます。。。
施設長も、その気になってもらうために諦めないという訳ですね
調査をやめることが出来ず困っていた課長ですが、調べている中で、ふと
と、可能性を感じるロボットに出会ってしまったのでした。
それが、アザラシのパロです。施設長の想いは伝わったようですよね。
そして、担当課長なのか、施設長と課長の2人技なのか、導入を決めてここからの展開もすばらしいものでした。
パロの新しい導入を施設のみんなに知ってもらい、浸透してもらうため「名前の公募」を行いました。
参加型の企画を行うことで、関心を引いた訳ですね!
その公募は、職員さんに限定するのではなく、利用者さん、そして利用者の家族にまで広げました。そうやって公募の中からパロの名前が決まっていきました。
例えばどんな名前がついたかというと!
「矢島さくら」ちゃん
これ、人間みたいですよね。
出身地まで決まっているパロなんかもいて、なんとロボットですけど家(柵)まで用意されているという徹底ぶり!!!
パロは、人工知能(AI)が掲載されていて、抱きかかえると喜んだり、人の言葉に反応して言葉を発します。
そんなパロは施設の中にすっかり浸透し、職員や利用者さん、その家族に一体感が生まれました。中には、必要最低限な言葉しか交わさなかった利用者さんも、パロを通して話すきっかけが生まれるなど、施設の中に人と人のコミュニケーションを増やすきっかけを与えてくれたのでした。
すばらしいですよね!これは、「浸透させたい」と思う、施設長と課長の想いが伝わって本当によかったです。
パロは他にも、認知症の方の脳機能の改善にも効果があるといわて、さまざまな実験も行われいくつか結果も実証されているようです。
そして、他にもコミュニケーションロボットは種類があって、介護施設で人気者になっています。人気の理由もしっかりあるんですよ。気になる方はこちら
他にもあります!現場で重宝される介護ロボット
腰の負担をサポートするロボットスーツ
介護士さんが職場をやめる理由の1つにあげられるのが「腰痛」
利用者さんをベッドから車椅子への移動時に、抱きかかえる姿勢は腰に大きな負担を抱えます。そこで登場するのが腰痛を補助するロボットスーツ「HAL」です。
導入されている施設では、何度も講習会や話し合いが繰り返され、介護士さんに体験してもらい慣れてもらうための仕組みづくりが行われていました。
初めは、それまでの自分なりの方法があるので、どうやったら上手に活用できるのかコツが掴めないそうです。
それでもロボットチームは、利用する日を強制的に決めてローテーションを組むなどして「使い続ける習慣」をつけてもらうため、仕組みづくりを工夫します。こうやって利用回数が増え、その便利が分かった介護士さんは、必要な時に自ら利用するようになっていくようになりました。
「HALがあるから楽になる」というよりは、「HALの使い方を知って利用する」といった感覚と、利用した介護士さんは語っていました。
腰の負担だけでなく、一日の疲れも軽減したという声も上がったといます。
その後も、ロボットスーツ HALをうまく使う習得講習がメーカーさんなどによっても行われ、その浸透率を高めています。
寝たきりの介護者の行動範囲を広げる離床アシストロボット
このロボットは、寝たきりの利用者さんを支えます。寝たきりの方の移動を行うには介護士さん二人がかりで行う必要があります。
この離床アシストロボット「リショーネPlus」は、ベッド半分が車椅子になる仕様になっていて、寝たきりの利用者さんを片方に寄せると、あとは、スイッチでリクライニングにしたり、車椅子にしたりできます。
寝たきりの方を移動させるのは負担が大きく、外に連れて行く機会は少なかったようですが、その負担を大幅に減らすことができることで、昼間に外で日光浴を行う機会も増えました。
そうすることで利用者さんの顔は明るくなり、外に行くことで、こんなにも顔が変わるのかと、介護士さんはうれしい声を上げていました。
出来なくなったことができるようになり、可能性、行動範囲が広がる。これは、どんな人でもうれしいことなんですよね。
夜勤の介護士さんの負担を減らす予測型見守りシステム
このシステム「Neos+Care ネオスケア」は、赤外線センサーを利用して対象者の転倒や転落の予兆動作を検知して、早いタイミングで駆けつけて、介助できるために開発されました。
導入した施設の社長も、スタッフの数が少なくなる夜勤スタッフの負担を減らそう利用を開始したものの、初めのうちは全くうまく活用ができませんでした。
その原因は、利用者さん全ての部屋に設置したため、問題のない動きにも反応するセンサーはなりっぱなしで、見回りする回数は増え、介護士さんの負担も増え、利用者さんも余計な心配をかけたと、気を使う流れが生まれました。
そこで施設は全ての部屋への設置をやめ、注意する必要のある利用者さんの部屋に限定で設置し、検知する項目も個人に合わせて細かく設定することにしました。
そうやって改善されながら利用価値を高めています。
このシステムを導入し、初めの目的とは違った効果も生まれました。それは、ネオスケアに写った画像から、「この利用者の方は、こんな体勢から転倒していたのか」といった、これまででは想像がつかなかったような、その利用者さんの行動特徴が分かったのです。
それが分かったことで、その利用者さんが大きなけがにつながらないアドバイスをしてあげれらるようになったのでした。これは、利用者さんにとっても守られるだけでなく自分で守れる自立にもつながり喜ばれるものとなりました。
自宅の介護でも使える水洗ポータブルトイレ
最後は、介護施設ではなく自宅での介護のために開発されたポータブルトイレ「流せるポータくん」です。
自宅介護の悩みの上位に「排泄(はいせつ)処理」があります。これまでのポータブルトイレはニオイがして、その後の処理も必要で、そのニオイや処理は、介護者も介護される人にとっても苦痛なことでした。
トイレの近いお年寄りは夜中に何度もトイレに行きます。暗い中寝ぼけ眼でトイレにいく行動は、転倒の原因につながります。部屋にトイレがあるということは、とてもありがたいのです。しかし部屋にトイレを置くとなると気になるのはやはりニオイが気になりますよね。
しかしこのトイレ。新幹線と同じ仕組みで真空吸引力によってニオイも一緒に吸い出してくれるのです。そして、下水につなぐことができるので、その後の処理もいれません。
すべての悩みが解消されました!
すばらしいですね。このトイレの価格は30〜35万円+別途下水工事も必要な場合があります。安くはありませんが、全く手の届かないものでもありません。そして、補助金の対象となっている自治体もあるようなので、導入を検討される時は要チェックです!
紹介したのはほんの一部ですが、介護ロボットはさまざまな形で介護生活をサポートできる仕組みが広がっていることが分かりました。
まとめ
さてここまで、介護ロボットについて見てきました。
- 介護ロボットの導入を施設で活性化するには、トップを含めて施設全体で取り組む仕組みづくりが必要である
- 介護ロボットは導入したらすぐに楽になるのではなく、その商品を理解して習得していく必要がある
- 介護する人の負担が減るだけでなく、それによって介護される人の可能性が増え両者にとって、役に立つものである
ということが分かりましたよね。
そして、調べいて分かったことがもう1つありました。
介護と聞けば、仕事であればなんだか先に ”大変そう(-_-;)” といったイメージが先に浮かび、もしもその時がきたらどうなるんだろう…。と構えてしまうところがありました。
しかし、見ていく中で出てくる人たちの言葉は、
介護されている人は、
と思って脱水症状になってしまったり、
※マットの上を通ると、スタッフルームに通知が行くシステム
と気を使って通知がいかず、転倒に気づけなかったり、といった姿などがありました。
そして、介護する人たちからは、
という声や、
という声。そして、
などといった、心通った言葉が溢れ、人間同士の絆のようなものが見えてきました。
そして最後にもう1つ。
お年寄りの方は、自分1人できることが減ることで段々自信がなくなり諦めていくことが増えてくるということを知ったことです。なるほど。と思いました。
介護が必要になると、周りも大変に思うことがあるかも知れませんが、これまで出来ていたことができなくなる不甲斐ない気持ち。これはきっと、それまで一緒に暮らし元気だった両親の姿を知っている私たちであれば感じ取ることができるでしょう。
そこをサポートしてあげるなんて、当たり前のことで怖いことではないんだ。と感じることができました。介護するというと、大掛かりのことのように思いますが、できなくなったことをサポートしてあげる。きっとこういう関係性なのかもしれません。
とは言っても、ニュースで流れるように、介護虐待や人手不足で過剰労働している介護の現場があるように介護する中には、大変なこともあるのだと思います。
そんな中で、紹介してきた介護ロボットを上手に利用して、自分の負担も減らし、1人でできることを増やしてあげて自信をつけてあげれたら本当にうれしいことだし、介護ロボットの開発者たちもきっと本望のなはず。
一日でも長く、楽しく元気に長生きしてもらうために、必要であれば介護ロボットを利用しながら、人生の最後の最後まで明るい人生が送れるよう、サポートしてあげたいですよね。