AI(人工知能)やそれを搭載したスマートスピーカーを代表に、科学技術が凄まじい勢いで進歩する現代ですが、既存のビジネスにテクノロジーを活用する事で新しい価値創造を起こす流れが世界中で活発になっています。
その中でも、ヘルスケアとテクノロジーを掛け合わせた「ヘルステック」に注目が集まっているのです。ヘルステックはネットやニュースで一度は聞いた事がありますよね。
人間、誰でも一番気にしたいのは健康でしょう。今AI(人工知能)やウェアラブルデバイスが発達してデータの取り扱いや分析に注目が集まりがちですが、それを用いたヘルステックにも沢山の魅力と期待があります。
そこで本日は、ヘルステックとは何なのか。今後、健康管理にヘルステックがどのように関わってくるのかについてお伝えしましょう。
ヘルステックとはどんな技術のことか
先ほどお伝えした通りヘルステックとは、「Health care」と「Technology」を掛け合わせた造語です。
金融機関や一般的な企業に比べて、ICT化が遅れていると揶揄されている医療業界ですが少しずつですがICTが導入され始めています。そしてその鍵を握るのがヘルステック。
ヘルステックは、AI(人工知能)などのテクノロジーを駆使する事で、先ほどお伝えしたような医療ビッグデータの活用が可能なだけでなく、業務効率化やコスト削減にも貢献する事ができ、ヘルステック市場規模が2026年までに62兆円に成長すると想定されているのも魅力の一つです。
ヘルステックで代表的な企業とその取り組み
ヘルステック市場が拡大するにつれ、異業種の企業やベンチャー・スタートアップ企業が医療分野への参画を始めています。
日本でもスタートアップ企業が続々と出てきていますので、ヘルステックで注目を集めている日本のスタートアップ企業や海外の大手企業についてお伝えしましょう。
インフィテック株式会社
これは遠く離れた家族からすれば、安心できますよね。
リーズンホワイ株式会社
リーズンホワイ株式会社は「全人類の寿命を1秒伸ばす」というビジョンを持っています。
主なソリューションは以下の通り。
- Findme 現在患者が受けている病気の診療方針に対し、複数の専門医から意見を受けられる
- Whytlink 専門医やドクターの経歴と実績などを集約したプラットフォーム
Teladoc
Teladocはアメリカのオンライン医療相談サービスを提供している企業です。
Teladocは2002年に創業し、これまでは時間がかかっていたような詳細な診断をオンラインで可能にするなど、オンライン医療のシェアでは最前線を走っています。
日本ではあまり目にしませんが、後数年で私たちの生活にもなくてはならないサービスとなっているかもしれませんよね。
最新の健康・ヘルステック関連ニュース
では今度はヘルステックの中でも注目を集めている事例や領域をお伝えします。
メンタルヘルスサービス
私たちの生活の不調には必ずといっていいほど、メンタルの不調が関わっていますよね。厚生労働省が2015年から初めたストレスチェック制度もあり、企業では自社の従業員のメンタル管理や改善を外部に依頼するケースが増えてきています。
睡眠改善サービス
先ほどのメンタルヘルスにも関わる「睡眠」。睡眠の改善はメンタル不調にも影響を及ぼし、企業にとっても生産性に影響してきます。
しかし近年ではウェアラブルデバイスによって睡眠の実態が把握しやすくなりました。
ちなみにこのサービスは経済産業省主催の「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017」で優秀賞を受賞しています。
オンライン診療
先ほどお伝えしたTeladocが取り組んでいる分野で、患者の医療へのアクセスを高める事が期待されています。
しかし、通信の安定性などいくつかの課題も抱えており、今後どのように成長していくか目が離せない分野の一つですよね。
今後の健康管理の形とは
人生100年時代に向けて「健康寿命」の重要性が大きくなっていきます。
しかし、そういった面への対策をしっかり行えば、ヘルステックは健康管理の形を大きく変える可能性が期待できます。
AIアシスタントやウェアラブルデバイスを組み合わせる事によってリアルタイムに自分の健康管理ができる時代はすぐそこまできているのかもしれません。
今日は、医療分野で注目を集めているヘルステックについてお伝えしてきました。
- ヘルステックとは、health careとtechnologyを掛け合わせた造語
- ヘルステック市場には沢山のスタートアップ企業が参画している
- オンライン診療やメンタルヘルスサービスの分野で注目が集まっている
- 個人の医療データが蓄積され管理される時代になる
ヘルステックは医療行為のためだけでなく、健康の維持や高齢者の介護サポートなど、様々な活用方法が存在します。
今後は益々高齢化が進んできさらに若者の数が減少し続けると言われていますが、人材の数には限界がありますので、AI(人工知能)やロボットをはじめ、テクノロジーの進化に期待が寄せられています。ですからヘルステックがどのように進化していくか見守っていきましょう。そしてヘルステックで良い医療を受けられるようになると良いですよね。