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人工知能をより身近に!GameでAIが成し遂げた2つの功績とは

人工知能をより身近に!GameでAIが成し遂げた2つの功績とは

近年、AI(人工知能)の成長がすさまじいですよね。自動車の自動運転技術やAI(人工知能)を搭載したスピーカーのアマゾンエコーやグーグルホームなど、AI技術の進歩により新しいサービスがどんどん生まれていますが、実は昔からAI(人工知能)って様々な分野で活用されているんです。例えば、モンスターから逃げながら迷路から脱出しようとする「パックマン」という懐かしのGAMEにもAI技術は使われています。

また最新のGAMEでは、個性的なCMが特徴の「逆転オセロニア」や「グリムノーツ」という作品でもAI(人工知能)が実際に活用されています。そこで、今回はそんなGAME分野のAI技術の基本と、現在、活用されているAI(人工知能)技術をお伝えいたします。

そもそも、AI(人工知能)と人間の違いはなに?

数学のイメージ
はじめに、AI(人工知能)と人間の違いについて説明します。答えを見つけ出すことができるというのは人間とAI(人工知能)も同じですが、一番の違いは答えを見つけ出す過程の意味が分かるか分からないかです。AI(人工知能)は膨大なデータを学習して答えを導いているだけで、なぜ答えがそうなるかは分かっていません。

例えば、AI(人工知能)が数学の難問を解いても、珍しい病気を診断できたとしても、まったく意味は分かっていないということです。それはAI(人工知能)がたくさんの問題と解答を集めて似たケースから答えを探しているからです。

人間は答えを見つけ出すが出来れば、どうしてそうなったのかを説明できます。また、その答えが何の役に立つかも分かります。つまり、人間とAI(人工知能)の大きな違いは問題と答えの因果関係を理解しているか、していないかという点になります。

そこで、GAME分野では問題と解答を集めやすい簡単なボードゲームなどでAI(人工知能)を活用するところから始まり、現在のようにGAMEの持つ世界観や自律的に動くキャラクターなど複雑なシステムで活用するようになったのです。では、最新のAI(人工知能)技術がどのようにGAME分野で活用されているのか詳しく見ていきましょう。

GAME分野における3つの基本AI技術

ナビゲーションのイメージ
GAME分野に使われているAI(人工知能)は3つの要素から成り立っています。一つ目は「キャラクターAI」、さらに「ナビゲーションAI」、最後に「メタAI」の3つから成り立っています。

キャラクターAIは敵キャラや主人公と同行する仲間など、私たちが操作するキャラクター以外のキャラクターを動かすAI(人工知能)です。ナビゲーションAIは、AIが3D空間の地形を判断して動けるようにするAI(人工知能)です。最後のメタAIはキャラクターに指示を出すためのAI(人工知能)になります。

キャラクターAIが自律的に動くために、ナビゲーションAIやメタAIがキャラクターAIを補佐している形になります。つまり、これら3つのAI(人工知能)技術が互いにサポートし合ってGAMEは成り立っているということです。では、次は少し専門的なGAME分野のAI(人工知能)技術について説明しましょう。

GAME分野でAI技術が成し遂げた2つの功績

キャラクターのイメージ
GAME分野のAI(人工知能)は、さきほど紹介した基本的なGAME分野のAI(人工知能)以外にも面白い技術がたくさんあります。しかも、実際のGAMEに使われているAI技術は他分野でも活用できる実用性の高いものばかりです。では、どんな技術があるのか少し、詳しく見ていきましょう。

1.キャラクターの情報を圧縮することができる強化学習

機械学習は、プログラム自身が学習して答えを見つけるプログラムになります。強化学習は機械学習のうちの1種で、与えられた環境に対してAI(人工知能)が自発的に試行錯誤を繰り返し学習していく技術です。この強化学習を個性的なCMが特徴のソーシャルゲーム「逆転オセロニア」では、自動プレイAIの作成に活用するために研究しています。

自動プレイAIはバグ検知や、週に2~3種類ずつ増えているキャラクターの強さを設定するパラメータチューニング、そして、ゲーム内容を知らない初心者にアドバイスをする戦略学習支援を行うことを目的にしています。これらを目的に研究していく過程で、数千種類あるキャラクターの入力情報を低次元・抽象化し、膨大なデータを小さく圧縮することに成功しました。

データの圧縮はゲーム中のイライラの原因であるロード時間を短縮したりすることができます。また、ゲーム制作者も圧縮することでより多くのゲームコンテンツを追加できるようになるなど大きなメリットがあります。

2.ゲームバランスの自動調整ができる遺伝的アルゴリズム

遺伝的アルゴリズムは、問題に対して最適解を導き出そうと試行錯誤を繰り返し、目的とする答えに近づいていこうとするAI技術です。「グリムノーツ」というGAMEで自動プレイAIの作成に活用されました。目的はゲームバランスの調整ですね。

ゲームバランスはGAMEの難易度を決めるものです。この、ゲームバランスがGAMEの面白さを決める一番重要なポイントといっても過言ではありません。ゲームバランスの調整は非常に難しく、プレイヤーにとって難しすぎず簡単すぎないレベルを設定するには職人技が必要とされていました。しかし、AI技術の進歩により、AIが試行錯誤を繰り返し、プレイヤーの技量に合わせて自動で調整できるようになってきたのです。

この技術が完成すれば、ゲームバランスの調整に職人技はいらなくなります。子供も大人、男女に関係なく、誰もが最適な難易度でGAMEをで楽しむことができるようになるかもしれませんね。

GAME分野のAI技術は医療分野でも活躍している!?

医療のイメージ
GAME分野のAI技術は医療分野でも活躍しています。例えば、シリコンスタジオ株式会社の「ヨコヅナデータ」です。

どのようなものかというと、GAME分野で培った行動予測技術を活用して、患者さんの行動を予測することで、将来なる可能性のある病気を未然に防ぐ予防医療の発展に貢献しようとしています。また、AI(人工知能)が病気や健康に関するサイエンスデータを活用することで心疾患の早期発見やリスク疾患の検出、個別の疾患リスク予測などの実現を目指しているのです。

他にも医療分野では様々なAI(人工知能)技術を取り入れています。例えば、健康診断の問診をして、どのようなリスクがあるのか予測する技術も研究されています。このようにAI(人工知能)技術などのテクノロジーは、GAME分野だけでなく様々な分野で活躍をしているのです。

さて、今回はGAME分野のAIについてお伝えしました。今回紹介したことを振り返ってみましょう。

  • 人間は問いと答えの因果関係がわかるけど、AI(人工知能)にはわからない
  • GAME分野の基本のAI技術3つ「キャラクターAI」「ナビゲーションAI」「メタAI」は、それぞれ支え合ってGAMEを作り上げている
  • GAME分野の専門的AI(人工知能)技術2つ「強化学習」「遺伝的アルゴリズム」などのAI技術が使われている
  • GAME分野のAI(人工知能)技術は医療分野でも活躍している!

GAME分野のAI(人工知能)技術はGAMEをしない人には何も関係ないように思えてしまいますが、私たちの生活に必要不可欠な医療分野でも生かされています。AI(人工知能)技術には難しい専門用語や知識が多く、とっつきにくいイメージがありますが、私たちの身近でサポートをしてくれているものばかりなんですよね。

現在、医療分野で研究されている網膜投影技術が進歩し、VR(仮想現実)の映像と現実世界の風景を一緒に見ることができるようになれば、特殊な機械もなくAI(人工知能)を持ったキャラクターと同じ空間で遊ぶなんてことが可能になるかもしれません。

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