【初心者向け】アンサンブル学習について学べるおすすめ書籍9選 | AIZINE(エーアイジン)
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【初心者向け】アンサンブル学習について学べるおすすめ書籍9選

【初心者向け】アンサンブル学習について学べるおすすめ書籍9選

機械学習は精度の高いモデルを求めて学習させますが、色々と試した結果上手くいかないこともありますよね。また、精度が高くても未知のデータでは予測が上手くいかず、初心者にはどうすればよいのかわからないケースもあります。機械学習に関するこれらの問題に直面しているならば、アンサンブル学習を学びましょう。

なお、アンサンブル学習とは精度の低いモデルを複数組み合わせることで、高精度のモデルを作成する方法です。モデルの弱点を相互でフォローすることで高精度を実現できるのがメリットになります。この記事ではそんなアンサンブル学習について学べる本を紹介するので、ぜひアンサンブル学習という新しいアプローチによって、現在よりも高精度なモデルを作成してください。

そこで、今回はこのアンサンブル学習について学べるおすすめの書籍を9選紹介します。

アンサンブル学習とは

学習のイメージ
アンサンブル学習とは、精度の低いモデルを複数組み合わせることで、高精度のモデルを作成する方法です。複数のモデルによって学習を行うため、音楽用語の合奏などを意味するアンサンブルという名称が名付けられています。

なお、どうしてアンサンブル学習で精度が上がるのかといえば、モデルのバイアスとバリアンスを調整することができるからです。双方について簡単に説明すると、バイアスとは偏りを意味する言葉であり、予測値がどれくらい誤差をもっているのかみるものです。

機械学習においては、学習が効果的に行われているかどうか判断できます。バリアンスとは分散を意味する言葉であり、予測値がどの程度のばらつきを持っているかみるもので、機械学習では過学習になっていないか判断できます。

例えば、実際値と予測値を比較した際にバイアスが高ければ、誤差が大きいということなので学習が適切に行われていないことを示します。一方でバリアンスが高いということはモデルとしての精度は高いが、未知のデータに対応できないことを意味し、過学習になっていると判断します。

機械学習では高バイアス、高バリアンスなモデルになっていることで精度が上がらなくなるのです。また、両者はトレードオフの関係になっているため、高バイアスなモデルを学習させた結果、精度がよくなったが高バリアンスになるケースもありました。

その一方で、高バリアンスなモデルが高バイアスなモデルになるケースもあります。そこで、アンサンブル学習という方法で個々のモデルの強みを生かしつつ、弱点を打ち消していくことでバイアスとバリアンスのバランスを保ったモデルの作成が可能になります。

イメージとしては以下のようなものです。

正解 モデル1  モデル2  モデル3  アンサンブル学習
A   A     B      A       A
B   B     B      B       B
B A  B B B
A   A  A B  A
精度 75%   75%    75%      100%

この場合ではそれぞれの精度は75%ですが、各モデルの多数決を取ることで正解と全く同じ結果を出力できます。これは非常にわかりやすい例でしたが、実際のアンサンブル学習ではバギング「Bootstrap Aggregating」やブースティング「Boosting」、スタッキング「Stacking」などの手法でバイアスとバリアンスを下げ、バランスが適切になるように調整します。

詳しくは、これから紹介するアンサンブル学習の書籍で学んでみましょう。

超初心者がアンサンブル学習を学ぶ前に読んでおくべき書籍3選

データのイメージ
アンサンブル学習を学んでいくには統計学やデータ分析、機械学習、実装するために使うプログラミング言語の知識が必要です。そこで、これらの内容を学べる書籍を次の3つ紹介しましょう。

  1. 分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術
  2. 図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
  3. 機械学習のエッセンス -実装しながら学ぶPython,数学,アルゴリズム- (Machine Learning)

1の「分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術」はソシムより出版されている書籍で、データに対する扱いを学べる書籍です。本来はデータサイエンティスト向けですが、機械学習においてもデータの扱いは重要なので、ご覧になることをおすすめします。

内容は3部構成になっており、1部ではデータに関する基本、2部ではデータ分析の基礎教養、3部がデータの解釈・活用の基礎知識を解説します。統計学の基礎がよくわかっていない場合には、本書で学ぶとアンサンブル学習でも効率的に学べるでしょう。

2の「図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」は技術評論社より出版されている書籍です。少し古いですが機械学習とディープラーニングの基礎を学ぶにはうってつけの名著です。

本書は図を使ってわかりやすく人工知能(AI)の初歩から機械学習やディープラーニングの基礎を解説します。機械学習の初心者で基礎知識に至らない点があるならば、こちらの書籍を読めばアンサンブル学習にも生かせるでしょう。

3の「機械学習のエッセンス -実装しながら学ぶPython,数学,アルゴリズム- (Machine Learning) 」はSBクリエイティブより出版されている書籍です。こちらも最近の書籍ではありませんが、機械学習でよく利用される言語「Python」を学びつつ、機械学習のアルゴリズムを学んでいけます。

内容は基礎的なPythonの扱いから有名なライブラリの使い方を習得した上で、回帰などの各種アルゴリズムを実装します。そのため、Pythonを学びながら実装のための知識を得たい人にはうってつけの名著です。

初心者がアンサンブル学習を学ぶ時におすすめの書籍その1:作ってわかる! アンサンブル学習アルゴリズム入門

アルゴリズムのイメージ
最初におすすめしたいのが「作ってわかる! アンサンブル学習アルゴリズム入門」です。こちらはシーアンドアール研究所より出版されているアンサンブル学習を基礎から学ぶことができる一冊。

アンサンブル学習では複数のモデル組み合わせることで1つのモデルを作成するため、ぞれぞれのモデルや使われているアルゴリズムの理解が必要になります。例えば、ニューラルネットワークやナイーブベイズ分類器、決定木などを学ばなければアンサンブル学習は扱えません。

そこで本書ではこれらの内容やアンサンブル学習のアルゴリズム、バギングやブースティングなどを基礎や手法から詳しく解説して、プログラミング言語「Python」で実装します。そのため、学習のスタイルとしては解説を聞きながら手を動かしていくことになるので、ただ知識を得るだけでなく実装しながらアンサンブル学習を学びたい人に向いています。

アンサンブル学習を学ぶ上で基礎的な知識から実装までの一通りを学びたい場合にはこの名著を読んでみましょう。

初心者がアンサンブル学習を学ぶ時におすすめの書籍その2:Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎

Pythonのイメージ

次に「Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎」は、機械学習に関する書籍を多く出版しているオライリー・ジャパンより発行されています。こちらは機械学習をPythonのライブラリである「scikit-learn」で学んでいくというコンセプトです。

内容としては1章では機械学習の基礎とPythonのライブラリなどに触れ、2章以降では教師あり・なし学習とデータについての扱い、モデルの評価などを詳しく解説。これらによって機械学習に必要なアルゴリズムや仕組みなどの知識を得た上で、Pythonでの実装を行えるようにします。

なお、本書は392ページにも上るボリュームで解説を行っていますが、アンサンブル学習に関する内容については2章の教師あり学習のアルゴリズムである決定木の解説で触れています。アンサンブル学習を含む機械学習を体系的に学びたい人や、Pythonのライブラリ「scikit-learn」を扱いたい人にとってはおすすめの一冊でしょう。

多くの人から支持されている名著であるので、アンサンブル学習を学ぶ際によろしければ手に取ってみてください。

初心者がアンサンブル学習を学ぶ時におすすめの書籍その3:[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践

プログラミングのイメージ
最後に「[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践」は世界各国で愛されている機械学習の書籍です。こちらは機械学習のアルゴリズムをプログラミング言語「Python」によるコードで解説します。

詳しい内容については1~12章までが機械学習の基礎や最も古典的な人工ニューロンに始まり、発展的な多層ニューラルネットワークの実装などを解説。ここまでは第2版と変わりませんが、13章以降については本書より改定されたものになっています。

具体的にはニューラルネットワークの訓練をPythonのライブラリであるTensorFlowで扱うものや、敵対的生成ネットワークなどのコンテンツを解説します。なお、本題のアンサンブル学習については、第7章の「アンサンブル学習―異なるモデルの組み合わせ」において基礎や分類器の評価などに触れています。

総ページ数688とかなり書籍としてボリュームがあり、充実した内容に仕上がっているでしょう。長年多くの人に愛された一冊で本格的な機械学習を学びたいならば、こちらに挑戦しましょう。

アンサンブル学習を理解してきたら読むべき書籍3選

本のイメージ

アンサンブル学習を理解してきたら読むべき書籍を以下の3選紹介します。

  1. データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために
  2. Kaggleで勝つデータ分析の技術
  3. Kaggleで学んでハイスコアをたたき出す! Python機械学習&データ分析」

1の「データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために」はデータ分析に必要な数理モデルについて解説した書籍です。内容は統計学に利用されている基本的なものから機械学習や強化学習などの数理モデルを解説し、その上で数理モデルを作る方法を紹介します。

やはりアンサンブル学習などの機械学習を学んでいくには数理モデルの理解が必要です。本書ではそれらについて詳しく解説しているため、モデルに対するより深い理解が可能になるでしょう。

2の「Kaggleで勝つデータ分析の技術」は少し古い書籍ですが、アンサンブル学習に対する理解を深めつつ、より上を目指すための方法を教えてくれる名著です。こちらは「Kaggle」と呼ばれるプラットフォームにおいて優れた成績を残すために、データ分析の必要なテクニックなどを解説します。

もちろん、実際にKaggleを利用するかは人によりますが、記載された内容には一件の価値があるでしょう。より深くアンサンブル学習を学びたいならご覧になることをおすすめします。

3の「Kaggleで学んでハイスコアをたたき出す! Python機械学習&データ分析」は、上と同様に「Kaggle」と呼ばれるプラットフォームで成果を上げるために必要な知識とテクニックについてまとめた書籍です。こちらも機械学習やアンサンブル学習などに関する内容を深掘りしているので、よりスキルアップを図りたい人に向いています。深く読み込んでKaggleに挑戦してみるのもよいでしょう。

まとめ
さて、今回はアンサンブル学習について学べるおすすめ書籍9選の紹介と以下の内容ついてお伝えしました。

  • アンサンブル学習とは精度の低いモデルを複数組み合わせることで、高精度のモデルを作成する方法
  • 超初心者がアンサンブル学習を学ぶ前に読んでおくべき書籍としては、統計学については「分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術」、機械学習については「図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」、Pythonに関しては「機械学習のエッセンス -実装しながら学ぶPython,数学,アルゴリズム- (Machine Learning)」がおすすめ
  • 作ってわかる! アンサンブル学習アルゴリズム入門」ならば手を動かしながらアンサンブル学習を基礎から学ぶことができる
  • 「Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎」ならばPythonのライブラリである「scikit-learn」で学びながら機械学習を体系的に学べる
  • 「[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践」ならば機械学習やアンサンブル学習のコードをしっかり学べる
  • アンサンブル学習を理解してきたら読むべき書籍としては、数理モデルの理解をしたければ「データ分析のための数理モデル入門 本質をとらえた分析のために」、プラットフォーム「Kaggle」で活用されているテクニックなどを身につけたければ「Kaggleで勝つデータ分析の技術」、「Kaggleで学んでハイスコアをたたき出す! Python機械学習&データ分析」がおすすめ

アンサンブル学習を正しく扱えれば、より高精度のモデルを作成できます。今回紹介した書籍を参考にして、新しいアプローチ方法とその手法を学んでみましょう。

そうすればよりできることが増え、より複雑な機械学習を行うことができるはずです。将来に向けて機械学習を学んでいるならばアンサンブル学習を身につ着けて損はないので、ぜひ挑戦しましょう。

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