今後活用の幅が広がる!需要予測にAIを使ったサービスについて解説 | AIZINE(エーアイジン)
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今後活用の幅が広がる!需要予測にAIを使ったサービスについて解説

今後活用の幅が広がる!需要予測にAIを使ったサービスについて解説

ものには、必要とされる時とそうでない時がありますよね。わかりやすい例で言えば、アイスクリームは夏に売り上げが伸びて、冬は売り上げが下がります。それはアイスクリームの冷たさが、暑い季節に求められるからです。そして、アイスクリームの業者さんは夏に向けて大量に生産できるような体制を作るでしょう。

しかし、アイスクリームのように「たくさん必要とされる時期」がわかっているものなら対策が取れます。多くのものでは、いつものが必要とされるかわかりません。そのため「たくさん必要とされているのに、ものが生産できない」というトラブルも起きがちです。

そんな課題を解決するのが、「需要予測」です。需要予測を使えば、いつ商品を大量生産すれば良いか、生産を抑える必要があるかなどの見当が付けられます。そして最近では、需要予測にAI(人工知能)を活用するケースが増えているのだとか。一体、それはなぜなのでしょうか。

ということで今回は、AI(人工知能)を活用した需要予測のサービスとは、その現状も踏まえてお伝えします。

需要予測とは?どんなところで使われるの?

小売業のイメージ

需要予測とは、その名前の通り需要を予測すること。需要とは、商品が必要とされる時をさすので、ざっくりと「いつ商品・サービスが必要とされるのか予想する」というイメージで良いでしょう。

需要予測が使われている業界は、さまざまです。ここで、需要予測の使われ方についてを食品メーカーを例にとって説明しましょう。営業部門がある新製品を発売する計画を立てると、「その商品はいつ売るのか」「どれくらいの個数売るのか」の具体的な計画に落とし込む必要があります。その時に、製品が売れる時期に多く用意して、製品が売れない時期は用意する個数を少なくしたいよね。

とはいえ、一部の企業ではそれを「営業・マーケティングの経験や勘」で行っているかもしれません。そんな時に需要予測を使って、いつ商品が売れるかを予想して販売促進の計画に使います。

その他でも、需要予測をうまく活用すればイベントでの来場者数の予測ができたり、在庫の数の削減したり、市場の拡大や縮小について予測してビジネスチャンスを見逃すのを防いだりできます。

需要予測とAI(人工知能)の相性が良い理由

AIのイメージ

そんな需要予測では、今AI(人工知能)を使う傾向が強くなっています。それは、多くのデータを分析するAI(人工知能)の特性が需要予測に適しているためです。

もともと需要予測は、在庫の数を分析する、取引先からの発注予定情報、商品の市場に対する情報など幅広い情報が必要になります。それらの情報を総合しながら、データ分析の一環としてExcelで行っていました。方法としては、

  • 移動平均法(数ヶ月の平均をとって、平均を移動させて計算する方法)
  • 指数平滑法(前のシーズンの実績と予測を利用して重みをつけて予測する方法)
  • 回帰分析(関数をデータを当てはめて、データの変動を予測する方法)

などがあります。しかしこの方法も数学が必要になるので、やり方がわからない場合は時間がかかるかもしれません。

まえだまえだ
まえだまえだ

数学苦手な私にしてみれば???という感じですね・・・。

また、Excelのファイルだとデータが多くなるとどんどん重くなったり、エラーが出たりすることもありますよね。これでは、せっかくのデータ分析がうまくいきません。

そこでAI(人工知能)によって、Excelで扱うよりもさらに大きいビッグデータが分析できるようになりました。これにより、需要予測の効率化だけでなく、予測そのものの精度も今までより上がりました。

無料の需要予測のAI(人工知能)サービスが使える企業

PCのイメージ

「需要予測のAI(人工知能)とは実際のところどんな結果を出すのか?」と気になる方もいるかもしれません。実は需要予測のAI(人工知能)を無料で試せる企業があります。その企業について、簡単に取り上げましょう。

需要予測をまず体験したいなら、おすすめのIPS

「そもそもパソコンにもあまり強くないのにどうすれば良いのかわからない」という理由で導入にとまどう企業さんもありますよね。IPSの需要予測AIでは、売り上げデータを送るだけで大丈夫です。あとは2週間〜4週間程度で、結果が出ます。これで需要予測がどのような結果を出すのかを見ることができるでしょう。

ただし、IPSの需要予測AIを使う場合は、最低でも過去2年3ヶ月分の売り上げデータ(形式はExcelかcsv)が必要です。また、売り上げデータには年月、品目、売り上げ金額を記入した状態で、一つのデータベースにまとめたものでなければなりません。逆に言えば、このあたりのデータをしっかり準備できるなら、ぜひIPSの需要予測AIを試してみましょう。

1ヶ月無料トライアルができる富士通

需要予測を使うのは、1回だけとは限りませんよね。こんな時、富士通の「est! forecast」というAI(人工知能)の需要予測は1ヶ月無料トライアルです。そのため、実際の使い方だけでなく、どのように使えばAI(人工知能)の予測の精度が上がるのかを含めてあらゆる操作を試せるので、より現場レベルでの判断がしやすくなるでしょう。

さらに、トライアルを実際に使いながら「これはどうやって使えば良いのだろう?」と困った経験がある人は多いですよね。富士通のトライアルなら、サポートやヒアリングがあるので質問・相談も簡単にできます。不安な点を一つ一つ解消しながら、体験できる点はメリットであるに違いありません。

需要予測にAI(人工知能)が使われた事例

アパレルのイメージ

では、実際に需要予測にAI(人工知能)が使われた事例について解説しましょう。

洋服の値引き時期をAI(人工知能)が予測

服を買う私たちは、少しでも安い時期に買いたいですよね。アパレル店では、シーズンオフになると値引きセールを行っています。

まえだまえだ
まえだまえだ

私も欲しい服はセールを狙って買うことも多いです!

でも、このシーズンオフがいつなのかはアパレル店の在庫次第です。また、これまでは現場の経験値によって値引きを行っていたため、値引きの金額が大きくて赤字になってしまう、値引きの金額が小さくて在庫が残ってしまうなどの課題がありました。

そこで、アパレルや小売業界向けのAI需要予測「Sell.Navi」が開発されました。このAI(人工知能)では、商品ごとの需要を予測し、競合商品のデータを含めて値引きの幅をシミュレーションした最適な金額を決められます。また、販売促進の効果も判断できるので、方法や取り上げる商品の種類を変えるなどの試行錯誤に役立てるでしょう。

AI需要予測で作業時間の削減

私たちがよく使うスーパーマーケットでは、様々な品物を扱っていますよね。特にアパレルと違う点といえば、いわゆる在庫となる商品に「賞味期限」「消費期限」があること。そうなると、在庫の数は適正にする必要があります。

まえだまえだ
まえだまえだ

あなたの家でも、買った野菜や肉・卵や牛乳などは賞味期限内で使用する必要がありますよね。なんとなく、そんな感じのイメージで良いでしょう。

スーパーマーケット「ライフ」を運営しているライフコーポレーションは、これまで冷蔵がいらない食品に関しては自動発注システムを使っていました。しかし、冷蔵が必要な食品に関しては自動発注が使えず、従業員が発注の個数を決めるのに時間がかかっていました。これでは効率化だけでなく、従業員によって在庫の数のコントロールの質がバラバラになってしまいますよね。

そこで、ライフコーポレーションはAI需要予測を使った自動発注システム「AI-Order Foresight」を導入しました。これによって発注の自動化を行うだけでなく、商品の欠品や廃棄を減らすことに成功しました。

AI(人工知能)による需要予測をうまく活用するためのポイント

データのイメージ

これまで、AI(人工知能)の需要予測の便利さや効果をお伝えしてきました。しかし適切な効果を発揮するには、いくつか気をつける点があります。その気をつける点について、お伝えしましょう。

データは偏りなく用意する

AI(人工知能)は、手元に用意されたデータから次の傾向を予測します。このため、データに不備があったり、データそのものが足りないと正確な需要予測ができません。データは最新で、信憑性のあるデータを用意しましょう。

また、データの中には「ある1日だけ突然売上が上がった」などの外れ値が生じることもあります。このようなデータも需要予測に影響を与える可能性があるので、除外や補正などの処理を行うことも大切です。

あくまで人との経験値とAI(人工知能)とバランスを取りながら判断する

AI(人工知能)の需要予測は、当たるとは限りません。特に使い始めてすぐあたりだと、今まで行っていた需要予測の数値とAI(人工知能)が算出した数値が違って「これは本当にあっているのか?」と疑問に感じますよね。そのため、AI(人工知能)が出した数字はあくまで参考程度で最終的な判断は私たちが行うのがベストです。

それと同時に、需要予測と実際がなぜ外れたのか、どれくらい違いがあるのかの検証を行うことも重要です。それを需要予測に反映させれば、さらに需要予測の精度をあげられる可能性があります。

まとめ
さて、今回はAI(人工知能)の需要予測のサービスについてお伝えしました。それでは、今回の内容について振り返りましょう。

  • 需要予測とは、商品が必要とされる時期を予測すること
  • 需要予測にAI(人工知能)が使われる理由としては、多くのデータを分析するAI(人工知能)の特性が需要予測に適しているため
  • 無料の需要予測AI(人工知能)のサービスが使える企業として、IPS、富士通がある
  • 需要予測AIの例として、需要予測「Sell.Navi」やライフで使われた例がある
  • AI(人工知能)による需要予測をうまく活用するためのポイントとして、データは偏りなく用意する、人との経験値とAI(人工知能)とバランスを取りながら判断するがある

AI(人工知能)による需要予測は、今様々な業界で使われつつあります。今後も活躍の幅が広がる可能性はあるに違いありません。また、同時に私たちの行動もこうしてデータとして蓄積されつつあります。データを提供するつもりでどんどん商品を買う、とすれば、きっと在庫切れが少なくなるということもあるかもしれません。

参考元
食品企業のAIの活用と需要予測精度向上
需要予測編 第1回 『当たらない需要予測は意味がない? 』
精度の高い需要予測を実現する SASならではの技術と知見
人工知能(AI)の導入事例・実績 製造小売業の店別×商品別の需要予測
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