ディープラーニングに入門を決意しても、いったい何からどう始めればいいのかわからないですよね。ネットで調べてみても、ディープラーニングに関する書籍やサイトは山のようにあります。
これだけいろいろあるのだから、きっと自分に合うものがあるはず。でもそれをどうやって選べばいいのでしょう。
ここで選択を間違うととんだ遠回りをしてしまうことに。それだけは避けたいし、できれば最短コースで要領よく学習したいものです。
そこで今回は、ディープラーニングに入門する方がスムーズに学習できるよう必要な情報をまとめました。ここを読めば学習するにあたり最低限必要な知識、挫折しにくい学習方法、おススメの本やサイトなどがわかります。
さあ、一緒にディープラーニング入門の扉を開けて、最初の一歩を踏み出しましょう。
ディープラーニングとは
ディープラーニングとは、人間がひとつひとつ手を加えなくてもコンピュータが大量のデータをもとに自動的にデータの特徴を見つけ出す技術のことです。
AI(人工知能)の中での位置づけは上の図をご覧ください。
人間でいうと「学習」にあたることを、コンピュータでするのが「機械学習」。そして、機械学習のうちニューラルネットワークを用いて、パターンやルールを発見するための特徴量を自ら見つけ出すことができるのがディープラーニングです。
ニューラルネットワーク?特徴量?
聞き慣れない言葉は難しく感じますよね。次でディープラーニング入門者が知っておきたい用語を解説します。
ディープラーニングを学ぶときに知っておきたい用語
ここではディープラーニングに入門する際、知っておきたい用語をまとめました。基本的なものばかりなので、ひととおり目を通しておきましょう。
人間の脳神経細胞のつながりを、コンピュータ上で簡易的に再現したもの(上記の図)。
データの特徴を数値化したもの。
ニューラルネットワークの構成要素(上記の図では●)で、数値化された特徴量が保管される場所。
1層あたりのノードの個数(上記の図では縦1列の●の個数)。
ニューラルネットワークで、特徴の重要性を数値化したもの。
ニューラルネットワークにおける、各層の名称(上記の図)。
コンピュータに大量のデータのパターンを覚えさせ、未知のデータを判断するルールを作り出す技術。
データに正解を与えて学習させ、分類や予測を行うルールを作り出す学習方法。
データに正解を与えず、データの規則性や傾向を見つける学習方法。
データに正解となる情報をラベル付けする作業。
ディープラーニングの数値計算に使うパソコンの部品。もともとは単純かつ大量の演算処理を行うグラフィックス計算のために作られたもの。
プログラミングをする際に使う、プログラムの部品をたくさん集めたファイル。
勉強を始めればすぐに覚えられるから大丈夫。
では次に、ディープラーニングに入門するにあたって、どのような知識が必要になるのかをご説明しましょう。
ディープラーニングを作るために必要な知識
ディープラーニングに入門するためには、次のような知識が必要になります。
- 数学(微分、線形代数、確率統計など)
- プログラミングの基礎知識(Pythonがメイン)
- 英語
数学は上記にあげた分野(高校~大学1年程度)を理解しておきましょう。でも、どうしても苦手意識が強い方もいますよね。そういう場合は基本的な部分だけ理解して次に進み、あとから足りない部分を補強していってもOK。
また、AI(人工知能)のプログラミング言語ではPythonがメインで使われており、ライブラリを扱えるだけの基礎知識が必要になります。
英語は、ディープラーニングについての解説を理解できる程度の知識があれば安心。
このあたりをクリアすればディープラーニング入門への道が開けます。
次はディープラーニングに入門するため、おすすめの学習方法をご紹介。
ディープラーニングを勉強するためのおすすめの学習法
さて、ディープラーニングに入門するためにはどのような学習方法があるのでしょうか。最初はできるだけお金をかけず簡単にスタートしたいですよね。ここではそんなあなたのために、動画から始める方法をご紹介しましょう。
無料動画で基礎知識を仕込む
最初は気軽に無料動画で学習するのがおすすめ。ここでは5つご紹介します。
これらの無料動画で基礎を学びつつ、雰囲気がつかめたら実際に手を動かしていきましょう。
実際に手を動かしながら学ぶ
さあ、ここからは実際に手を動かしながら勉強していくことが大切になります。ディープラーニング入門サイトや本を利用して早速始めてみましょう。
独学なら好きな時間に学習することが可能ですが、問題はモチベーション維持ですよね。ディープラーニングに入門したら「何がしたいのか」を考えておくのが長続きするコツです。
次で、ディープラーニング入門におすすめの学習サイトをご紹介。
ディープラーニングを学ぶのにおすすめのサイト
ここではディープラーニングに入門するためにおすすめのサイトを3つご紹介します。
Chainerチュートリアル
「Chainerチュートリアル」は機械学習初心者が最初に取り組むのに最適な無料学習サイトです。
数学の基礎知識やPythonに始まり、ディープラーニング入門レベルまで解説。初心者が「何を学んでいけばよいのか」がわかるように設計されています。
キカガク
次にご紹介するのは「キカガク」。株式会社キカガクが2020年に公開した無料の学習サイトです。
こちらは上記の「Chainerチュートリアル」をひととおり読み終わっている方が対象。数学の基礎からディープラーニングを習得するまで、順を追って学べるよう体系化されています。
各コンテンツはあらかじめ所要時間や事前知識などを確認してからスタートでき、内容も「わかりやすさ」を重視。挫折しにくい工夫が随所に散りばめられています。
Udemy
「Udemy」は世界最大の動画学習サイト。動画の数は13万もあり、機械学習関連もクオリティの高い動画がたくさん揃っています。大半は有料ですが内容が充実している割に安価で、人気動画の値引きセールも頻繁にあります。
学習を進めていく上で、本も何冊か欲しいですよね。次はおすすめの書籍をご紹介。
ディープラーニングを学ぶのにおすすめの本
ここではディープラーニング入門におすすめの本を4冊ご紹介。まずは全くの初心者向けから。
機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
最初にご紹介するのは「機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」。一般的なディープラーニング入門書の「前に」読む本としておすすめ。
知識ゼロの初心者が「知りたい」と思う内容がつまっており、AI(人工知能)の全体像がわかる良書。数学が苦手な人、プログラミング経験のない方でも読み進めることができます。
「ゼロから作るDeep Learning」シリーズ
次にご紹介するのは絶大な人気を誇る「ゼロから作るDeep Learning」シリーズ。3冊ある中で最も人気があるのは「Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」です。
「とにかくわかりやすい」「処理内容が丁寧」と評判。初心者でも抵抗なく、自分で手を動かしながらディープラーニングのしくみを理解できるように構成されています。
この本では特にニューラルネットワークと画像認識技術の「畳み込み」について詳しく解説。Pythonと数学(微分積分・線形代数)の基礎知識があると、よりストレスなく学習できるでしょう。
「Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」を読んだら、シリーズ2冊目、3冊目もぜひ。
- ゼロから作るDeep Learning②―自然言語処理編
- ゼロから作るDeep Learning③―フレームワーク編
動画やサイト、本で学習したら次はいよいよ実装です。
ディープラーニングを学んだら、実装してみよう
ディープラーニングを実装するには環境構築が必要になります。方法はいろいろあるのですが、今回はAmazonが提供しているクラウドサービス「AWS深層学習AMI」をご紹介しましょう。
「AWS深層学習AMI」は、GPU環境がなくてもクラウド上でディープラーニングをテストできるサービス。自分でイチから環境を構築するより手軽に始めることができます。
環境が整ったら、あとはサイトや本を参考に実装していきましょう。ディープラーニングを使って「やりたかったこと」にどんどん挑戦していってください。
今回はディープラーニングに入門するために必要な知識をまとめました。最近は無料動画でも有益なものが多くあるので利用しない手はありません。
最初は動画で概要をつかんでおいて、それから書籍やサイトで本格的に学習を始めるとスムーズなスタートがきれるでしょう。
ディープラーニングに入門するための学習方法は、「これ」といった決まりがあるわけではなく、人によりやり方はさまざま。数学やプログラミングの得手不得手、「やりたいこと」によっても変わってきます。
「最短コース」で学習するには、やはり「何がしたいのか」を明確にしておくことが大切。あとは目標に向かってまっすぐ突き進んでください。
今ディープラーニングに入門しておけば、将来の選択肢が増えて大きな安心につながります。最初は大変ですが自分でいろいろ作れるようになってきたらどんどん楽しくなってくるでしょう。
何より「ディープラーニングが作れます」って言えたら、最高にカッコいいですよね。