デジタル時代に突入し、さまざまな分野でますますデータ解析が重要になってきましたよね。
インターネットが整備された現代では、さまざまな個人や団体などからデータを収集し利用ができるようになりました。そして現在、収集されたデータは多目的な用途で活用する時代になっています。
近年になり「ビッグデータ」という言葉をひんぱんに耳にするようになりました。
現在、ビッグデータはビジネスや研究などで活用されており、例えば普及が進んでいるAI(人工知能)の開発にもビッグデータが使用されています。そしてビッグデータに限らずデータを活用するためにはデータ解析が必要です。
そこで今回はデータ解析について、実例も交えてお伝えします。
データ解析とは
データ解析についてみなさんは「データの内容を調べる」という認識ではないでしょうか。
解析の意味を調べると次のように記されています。
「事物の構成要素を細かく理論的に調べることによって、その本質を明らかにすること。」
(引用:解析・デジタル大辞泉の解説 – コトバンク)
データ「分析」とデータ「解析」の違い
データ解析と同じような言葉にデータ分析があります。この二つの言葉について多くの方は同じような意味として捉えているのではないでしょうか。
分析の意味を調べると次のように書かれています。
「複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。」
(引用:分析・デジタル大辞泉の解説 – コトバンク)
そして先ほどのスーパーマーケットの例で説明すると、10種類のカップラーメンの売上を調べて明らかにするのがデータ分析で、カップラーメンAが一番多く売れたその理由を明らかにするのがデータ解析になります。
データ解析の⽅法
お伝えしたようにデータ解析はデータ分析で得た結果をもとに、データがその状態になっている原因を明らかにする作業です。そしてデータ解析のために必要な分析方法がいろいろあります。
ここでは代表的な分析方法を4つ紹介しましょう。
アソシエーション分
例えば売れる商品同士の組み合わせを発見して、店舗の商品陳列のレイアウトや商品のおすすめ・セット販売などへの活用など、マーケティングで用いられています。
計量時系列分析
例えば株価の変動や企業の売り上げデータなどの解析に用いられ、その結果をもとにマーケティング展開に利用されています。
クロス集計分析
データ分析の中で最も基本的な方法がクロス集計分析。
ロジスティック回帰分析
この分析で集めるデータを商品の購入で説明すると「どの商品を購入したのか」ではなく「商品Aを購入したか、しなかったのか」のデータになります。
そして特定ユーザーの商品購入率や商品の普及率などの分析で使用されています。
データ解析に使えるツール
現在、比較的簡単な操作でデータ解析を行えるツールが多数あります。今回は、その中から代表的なデータ解析ツールを3つ紹介しましょう。
SPSS Statistics(IBM)
SPSS StatisticsはアメリカのIBMが提供しているデータ解析ツールです。50年の歴史を持つSPSS Statisticsはさまざまな分野のデータ解析で使用され、多くのユーザーに支持されています。
JMP(SAS)
JMPは1989年にアメリカのソフトウェア開発・販売企業のSASが作り出したデータ解析ツールです。
SAS University Edition(SAS)
ただし学習用のデータ解析ツールではありますが、他の有償ツールに引けを取らない高水準機能が搭載されているので学習用に最適です。
データ解析を使った事例
実際にデータ解析を使用した事例は数多くあります。ここでは、その中から4つの事例を紹介しましょう。
スシロー
全国各地に展開している回転すしチェーン店のスシローでは、全部のお皿にICタグをとりつけてレーンに出す商品のデータを収集管理しています。
Posen
株式会社Posenが事業展開しているのは、AI(人工知能)を活用した人間の姿勢を測定するサービス「Posen」です。
また収集したデータと健康情報をから、病気になりやすい姿勢の抽出や病気予測ができるように現在取り組んでいます。
城崎温泉
有名な温泉観光地である城崎温泉では、観光客がお財布を持たずに携帯電話やスマートフォンで決済できるシステムを導入しています。
大阪市立大学大学院医学研究科・医学部医学科
画像データを解析した応用事例は数多くあります。
大阪市立大学大学院医学研究科・医学部医学科では皮膚病の約1200枚の画像データをAI(人工知能)で解析し病名を診断できるシステムを開発しました。
このAIシステムの誕生で、これまで難しかった希少かつ難病の皮膚病も診断できるようになりました。
データ解析をスムーズに⾏うポイント
データ解析はさまざまな分析方法を用いて、いろいろな分野で活用されています。
データ解析の大まかな流れは次の通り。
データ解析の流れを大まかに紹介しましたが、ご覧いただいて分かるように最初の「明確な目的の設定」が後の流れに影響を与えます。
つまりデータ解析は「明確な目的の設定」ができればスムーズに行えるということになるのです。
データ解析はそのデータがどうしてその状態になっているのか、原因や理由を見つけ出す作業です。そして同じような言葉のデータ分析とはデータの状態を明らかにすること。
データ解析とデータ分析は混同されがちですが、データ分析がデータの状態を明らかにする作業で、データ解析は分析結果をもとにその原因を明らかにする作業です。
そしてデータ解析に必要な分析には以下のような方法があります。
- アソシエーション分析
- 計量時系列分析
- クロス集計分析
- ロジスティック回帰分析
最近では紹介したような扱いやすい解析ツールがたくさんあり、さまざまな分野で導入されています。実際にデータ解析を用いた事例は数多くあり、ほとんどで成功を収めているようです。そしてデータ解析で成功するためには「明確な目的の設定」を行いましょう。
これがスムーズにデータ解析を⾏うポイント。
今やデータ解析はほとんどの分野で必須項目になっています。「難しい」というのがデータ解析への一般的なイメージですが、解析ツールを使用すればそれほど難しくはありません。
これまでデータ解析を行う機会がなかった企業も、是非取り組んでみましょう。
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