近年、企業はAI(人工知能)やIoT技術を駆使してDXを実行し、利益を効率よく、そして最大限に出さなければ生き残れませんよね。実際に、日本において2025年までにDXを実行する企業が増加しないと多大なる経済損失が発生すると言われており、避けては通れない道だと言えるでしょう。そんなDXですが、成功させるのは簡単ではなく非常に困難です。
しかし、そんなDXの成功への近道として紹介するのが「ASPサービス」です。ASPサービスはインターネット回線を通じ、さまざまなアプリケーションを提供するサービスです。そしてASPサービスを利用すれば、業務の効率化ができるようになるのだとか。
この記事ではASPとは何なのかだけでなく、その活用方法も解説します。この記事を読み終えるころにはASPを上手に活用できるに違いありません。それでは今回は、DXを成功に導く「ASPサービス」を詳しく解説します。
そもそもASPサービスとは
まずASPサービスを詳しく解説するとApplication Service Providerの略でインターネット通信を通じてアプリケーションを提供するサービス、もしくはサービス提供を意味します。
ASPサービスはインターネット通信上のサービスなので、どこにいても通信環境でさえあれば利用できます。例えばスケジュール管理、家計簿の管理などができ、またネットワーク上で複数人が同時にアクセスして操作も可能なので、複数人で同じ作業をする際も便利でしょう。
ASPは契約してから一か月ごとなどで支払いが発生し、料金を支払うことで引き続きサービスを受けることができます。サーバーの管理や情報面のセキュリティーなどもサービスを扱う事業者が担うため、セキュリティーも安全で対応もスピーディーになる点がメリットでしょう。
なぜ、DXにASPサービスが必要になるのか
それでは、なぜDXにASPサービスが必要なのかと言うと、ASPサービスによって社内の管理をデジタル化できるからです。社内の管理をデジタル化できれば、人の手で非効率的に管理していた業務を効率よく改善につなげられます。
しかし、ASPサービスを利用できるようになれば全データをクラウド上で管理することができ、ネット環境があればいつでもどこでも確認できます。さらにはデータをうまく活用することで社内に多くの利益をもたらす可能性も多くなるでしょう。
例えばASPサービスの中には顧客データを社内全体で共有することができ、営業だけでアプローチをかけるのではなく、会社全体協働でアプローチをかけられます。また勤怠システムを導入することができれば、社内における勤怠管理が効率的にスムーズに行えるでしょう。
ASPを使ってDXを進めた事例
それでは、ASPサービスを利用してDXを成功させた事例を紹介します。
勤怠管理システムをASP化することで業務を円滑化(日清食品)
大手即席めんメーカーの日清食品は従来、自社で開発したExcelベースの勤怠管理表を利用していました。特にExcelで管理していた際の誤入力に対するチェック機能がなかった為、毎月締め作業の際はそのチェック作業に時間が取られ残業していたことが課題でした。
そこで、ASPサービスに切り替えました。すると、複雑であった勤務パターンにも対応でき、リアルタイムに情報取得、誤入力防止、集計業務の効率化など大きな改善につながります。
またASPサービスの勤怠管理システムを導入することで、チェック機能が働き、誤入力を撲滅することができ、経理の締め作業も円滑に進められることとなりました。
配信メールのための顧客抽出時間短縮ができるASPサービス(楽天銀行)
近年、勢いのある銀行として挙げられる楽天銀行でもASPサービス導入しています。楽天銀行の戦略として定期的なメール配信が挙げられますが、そのスピードは100万通/時と言われるぐらい、とてつもない莫大な量を驚くスピードで対応しています。
しかし、メール配信するにあたり送付先の抽出に時間がかかっていました。例えば口座を開設し、何歳でどんなことに興味あり、と言ったように細かく顧客をセグメント分けし、目的の層を抽出するなどがあります。これでは、いちいち仕分けするのが大変ですよね。
そこでASPサービスを利用し、顧客の選定とメール配信するまでの流れを自動化しました。その結果、顧客情報を細かくセグメントし、顧客情報の抽出時間を大きく短縮しました。
ASPを導入するに当たって、必要な準備
ASPサービスを導入するに当たり、必要な準備があるので解説します。ASPサービスはインターネット通信上でアプリケーションを提供するので、まずはPC環境とインターネット環境を整えましょう。具体的にはPC本体の購入はもちろんWi-Fi環境などネットがつながる環境の準備が必要です。
続いて大切なのが、ASPサービスを導入する予定の組織環境がどのようなものか、またどのASPサービスを利用すれば環境改善できるかをしっかり調べることです。
ASPサービスは、それぞれの会社環境に合わせて作られるサービスではありません。例を挙げると営業のみに特化したASPサービスでよければ名刺管理ツールのみ、顧客管理のみでも問題ありません。しかし営業だけでなく生産管理も必要であれば在庫などの管理のサービスに含まれていないとデータ管理の効率化ができないでしょう。
例えば、経理担当者の人材が年々減っており、新しい人材も増える目途が立たないので経理における業務の改善を行いたい場合、財務管理に特化したASPサービスを利用することがベストでしょう。
このように、社内環境をしっかりと把握した上、的確に改善できる自社にあったASPサービスを見つけ出すことが大切です。
ASPを導入するステップ
ではASPは実際、どの様なステップで導入していくのか順だって解説します。
社内体制の確認
まずは自社がどのような状況なのか、どのサービスを利用すべきかの答えを導き出すために社内環境の確認が必要です。
例えば、営業主体の会社なので、顧客管理に特化したASPサービスを探す。また社内の人材不足が目立ってきて経理などの管理業務の人員が不足しているので経理関係のサービスを導入したいなど社内環境をしっかりと把握した上、ASPサービスを選択するのか検証することは大切でしょう。
無料トライアルを有効活用
選んだASPサービスが本当に自社に合っているのかは、使用してみないとわからないですよね。必ず利用を検討しているサービスに対してトライアルを実施しましょう。トライアルは、実際に使う社員の使いやすさはどうか、そしてトライアル期間内での費用対効果があるのか確認することが大切でしょう。
ASPサービス在りきの社内体制に持っていく
ASPサービスを導入することで、社内の業務に進め方に大きな変革がもたらされます。このため、全社員に向けた業務の標準化、マニュアル化を進めましょう。
その作業を終えて、社員が当たり前のように効率よくASPサービスを利用できるようになれば完全に体制に浸透したと言えます。
ASPを活用する上での注意点
つづいてASPサービスを活用する上での注意点を挙げます。
初期費用が発生する、という認識を持つ
ASPサービスはクラウド上で簡易にサービスを受けられることが特徴ですが、やはり費用は必ず発生します。さらにサービスを受け続ける限り費用は発生し続けるので、必ず費用対効果が合ってきているかの意識を持つことが大切です。
効果が出るまで時間がかかる
ASPサービスは採用したからと言って、すぐに結果がでるわけではありません。社内体制においてシステムが完全に定着するまで時間がかかります。その大きな原因は社員がシステムに慣れるまでに時間がかかるからです。
せっかくシステムを導入するが使い慣れないからシステムを使用しないなんて言う問題が少なくありません。どのようにすれば定着するのか、定期的に研修を行う、またはASPサービスのサポートを受けるなどの対策も必要かもしれません。
セキュリティーは提供会社に依存
ASPサービスは顧客情報などを登録することもあります。そのデータを流出してしまうなんてことがあれば大問題です。それゆえに情報管理やセキュリティーには注意が必要です。ASPサービスの選定にセキュリティー面を重視したサービス選びは大切でしょう。また自社で対応できる範囲としては、データの紛失、消失と言う観点で言うと定期的なバックアップを取ることが対策となります。
さて今回は、DXを成功に導く便利なサービス「ASPサービス」を詳しく解説しました。
それでは内容を振り返りましょう。
- ASPサービスを詳しく解説するとApplication Service Providerの略でインターネット通信を通じてアプリケーションを提供するサービス、もしくはサービス提供を意味する
- なぜDXにASPサービスが必要なのかと言うと、ASPサービスによって社内の管理をデジタル化できるから
- ASPを導入するに当たって、必要な準備として、PC環境とインターネット環境を整える必要がある、ASPサービスを導入する予定の組織環境がどのようなものか、またどのASPサービスを利用すれば環境改善できるかをしっかり調べるがある
- ASPを導入するステップとして、社内体制の確認、無料トライアルを有効活用、ASPサービス在りきの社内体制に持っていくがある
- ASPを活用する上での注意点として、初期費用が発生する、という認識を持つ、効果が出るまで時間がかかる、セキュリティーは提供会社に依存するがある
DXを成功させるにはASPサービスの導入が必要です。便利なASPサービスを利用することで社内の環境を効率よく業務を回せる環境に整えることは間違いないでしょう。そんな便利なサービスだからこそASPサービスを利用する企業は今後も増え続けるでしょう。あなたの企業もASPサービスを導入する日も近いかもしれません。
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