Pythonはプログラミング言語の人気順(2021年度6月版)において2位になるほど人気な言語で、その需要は年々伸びています。皆さんの中にも、Pythonを勉強したいと感じている方もいるかもしれません。
しかし勉強を始めてみたものの、プログラミング初心者がよくつまずくと言われる「リスト(配列)」が分からない…という人は多いですよね。
本記事ではそのリスト(配列)とappendについて分かりやすく解説します!過去にリスト(配列)とappendでつまずいて諦めてしまった経験がある方、今勉強中の方は本記事を是非参考にしてください。専門用語が出てきた場合も用語について解説をしているので、初めて勉強した方でもばっちり理解できるに違いありません。
ということで今回は、appendの使い方についてお伝えします。では、初めにPythonとは何か?ということから学んでいきましょう!
Pythonとは
Pythonとはインタープリタ型のプログラミング言語の一種です。インタープリタ型はソースコードを上から順に解釈をし、実行が可能な形式に変換しながら処理を進めるという形式の言語を指します。ちなみに他の有名なインタープリタ型言語はPHP,Ruby,Perlなどなど。
インタープリタ型のメリットはプログラムをすぐ実行できる、デバッグ(エラー箇所の発見)が簡単、ソースコードがシンプルでわかりやすいという3点あります。プログラミングは少しプログラミングをして実行、また少し進めて実行、ということができるということです。この方法は自分が想定する答えが返ってくるのかを確認できるので、開発精度の向上につながりますね。
また、Pythonはインタープリタ型が上から順に解釈していくことによるメリットです。もしコードに間違いがあればその時点でプログラムは止まります。その止まった箇所にエラーがあることが分かるのでデバックの簡単さに繋がります。逆にデメリットは実行速度が比較的遅い点です。インタープリタ型言語であるPythonにはこのようなメリットとデメリットを持っています。
ではここからは本題のリスト(配列)とappendについて学んでいきましょう!
リスト(配列)とは何か
例えば、お店の売上データや位置情報の取得などは大量のデータを扱いますよね。その際に、それぞれのデータを一つ一つ扱うのは非常に面倒に感じるかもしれません。そこで、複数のデータをひとまとめにして扱えるのが、リスト(配列)です。
では、リストについて具体例で考えましょう。例題として、身長が160cm、175cm、162cm、189cmの人のデータをプログラミングで使いたいとします。もしそれぞれ個別に扱おうとするとコードもそれぞれに書く必要がありますが、リスト(配列)を使うと…
と簡単な表記になります。見た目が綺麗になるだけではなく、データ処理において扱いやすくもなるのでぜひ用いましょう!
Pythonでリスト(配列)を用いるための構文は以下の様になっています。
この時、各値に入れるものは数値だけではなく文字も可能です。
また、リストの値は多くなることが多いのですが、そのような場合は複数行での記述が可能です。
このように、リスト(配列)は大量のデータがあった際にデータをひとまとめにできます。
リストは単体でも非常に便利ですが、さらに便利につかえると聞いたらどういうことか知りたいですよね。次の項目から「append」について学びましょう!
「append」って何ができるの?
ここからはappendを使うことでできるようになることをご紹介します。appendはPythonのリスト型で用いることができ、リスト(配列)に要素を追加するという機能を持っています。
このように数値の追加ができますが、それ以外にも文字列の追加やリストの追加も可能です。
文字列の追加の具体例を見てみましょう。[犬,猫,虎]というリストがあり、[猿]をこのリストに追加したいとします。その場合、appendを用いる事で[犬,猫,虎,猿]というリストにできます。このとき、数字列と文字列が混在しても問題ありません。
次にリストの追加の具体例を見てみましょう。[1,3,5,7]というリストに[9,11,13]というリストを追加したいとします。その場合、appendを用いる事で[1,3,5,7,[9,11,13]]というリストにできます。
もちろん、この記事の例題では使う必要性があまり感じられませんが、データ量が膨大なものを扱う時は非常に便利になります。では、次項目からappendの具体的な使い方を学んでみましょう!
appendの使い方例
では、appendの使い方について具体例を用いてご紹介します。まず、appendの構文は以下の様になっています。
ここで、値はこれから追加したい要素、リスト名はその要素の追加先リストです。ちなみにappendのように.(ピリオド)をつけて呼び出す機能の事をメソッドと言います。他のメソッドには.insert(値)や.remove(値)などがあります。
具体例として先ほどの身長データの場合で考えてみましょう。身長160cm、175cm、162cm、189cmのデータに190cmの要素を加えたい場合のソースコードは以下のようになります。
このソースコードにprint(“みなさんの身長は”,height,”です。”)というソースコードを加えて実行すると、「現在のデータは[160,175,162,189,190]です。」と表示され、実際に要素が追加されていること事が分かります。
では、より実践的なappendの使い方をご紹介します。こちらは先ほどとは違い、文字出力などと組み合わせています。
print(“末尾に190cmの人のデータを追加します。”)
height.append(190)
print(“更新後のデータは”,height,”です。”)
ちなみに実行画面は以下の様になります。
末尾に190cmの人のデータを追加します。
更新後のデータは[160,175,162,189,190]です。
以上がappendの使い方になります。使えるようになれば非常に便利なものなので、是非マスターしましょう!
appendを使う上で気をつけること
とても便利なappend機能ですが、注意すべき点が3点あります。
まず一点目は複数の要素を同時に追加できない点です。例えば、リスト名.append(2,4)と記述しても機能は実行されないので、リスト名.append(2) リスト名.append(4)と分けて記述する必要があります。
二点目にPythonのappendはリスト(配列)以外には使えないという注意点もあります。例えば、tupleやdictなどには使えないので他の方法を用いなければなりません。ちなみに値の変更・追加・削除などができないものを変更不可なシーケンスと呼びます。
三点目はappendを用いて要素の追加を行うと、元のリストが変更されるという点です。元のリストが変更されると、元のリストを他の部分にも用いたいという場合にそのまま使う事ができなくなってしまいます。もしリストはそのままで、別のリストの要素を追加したいという場合は.copy()で複製を作りましょう。
appendを用いる時はどのような使い方がしたいのかを注意しながら用いていきましょう。
さて、今回はPythonについて、リスト(配列)、要素追加に必要なappendの使い方と注意点について解説しました。それでは今回の内容を振り返ってみます。
- Pythonは色々な分野に用いられており、需要が非常に高い言語である
- リスト(配列)は多数のデータをひとまとめにして扱える
- appendはリスト(配列)に要素を追加できる
- appendは、リスト名.append(値)という構文で機能を呼び出すことができる
- appendは「複数の要素を同時に追加することはできない」、「リスト(配列)以外には使えない」、「元のリストが変更される」という三つの注意点がある
Pythonは他にも様々な便利な機能があります。まずはappendの機能を思い通り使えるようになり、Pythonマスターを目指していきましょう!
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