最先端の技術であり、これからも発展するAI(人工知能)や機械学習の知識やスキルを新たに身につけたい人はたくさんいますよね。そして、社内にはAI(人工知能)や機械学習の勉強をできる環境がない、長時間・長期間通わなければならないスクールやセミナーに割く時間がない、などの理由がある場合は、一人で勉強する必要があるでしょう。
一人ならば自宅でできるし、空いた時間に好きなペース学習できるため、環境や時間、学習スピードを自由に決めて進められるのが最大のメリットです。しかし、独学で進めたいがどうやって進めたらいいのだろうか、途中で挫折しないためにはどうしたら良いのか、独学で進めるに当たって使えるサービスにはどんなものがあるのか、色々と不安も多いはず。
そこで今回は、独学でAI(人工知能)や機械学習の勉強をしたい人に向けて、おすすめの学習法をお伝えします。まずは、どのようなステップで勉強を進めると良いのか解説しましょう。
AI(人工知能)を学ぶおすすめのステップ
AI(人工知能)の勉強の仕方は人それぞれで色々な始め方がありますが、どのように始めるのがベストなのか悩みますよね。おすすめのステップの踏み方は、
- AI(人工知能)の前提知識の勉強
- プログラミングの基礎の習得
- 基礎的な数学の勉強
- 機械学習・ディープラーニングの基礎の習得
- 実際に何か作る
です。この5つがどういうことなのか、それぞれ解説しましょう。
AI(人工知能)の前提知識の勉強
プログラミングスキルや数学・統計の知識を磨くのも大切ですが、まずAI(人工知能)はどんな技術なのか、社会の中でのAI(人工知能)の活用や活躍はどのようになっているのか、といったAI(人工知能)の基礎的な知識を最初に勉強しましょう。これによりAI(人工知能)事情全体を俯瞰し、AI(人工知能)業界で常識となっている用語や知識を仕入れ、自分がAI(人工知能)で何をしたいのかはっきりさせる効果があります。
プログラミングの基礎の習得
AI(人工知能)の基礎知識の勉強が終わった、もしくはAI(人工知能)の勉強と並行しながらで良いので、その次はプログラミングの勉強しましょう。というのも、AI(人工知能)について勉強する上でプログラミングは避けて通れない必須のスキルであるためです。
また、プログラミングなくして先には進めないため、早い段階でプログラミングは学びたいですよね。いきなり完璧にマスターするのは時間も労力もかかるので、まずは基本的な文法やアルゴリズムを押さえておけば十分です。
基礎的な数学の勉強
自動車を運転するために数学の知識はいらないですよね。しかし、自動車を開発するためには数学が必要であるのと同じように、AI(人工知能)を開発、理解する上では数学の勉強は欠かせません。必要な分野は主に微分積分、線形代数、確率・統計で大学1~2年レベルは最低限欲しいところ。
機械学習・ディープラーニングの基礎の習得
プログラミングや数学の基礎的なスキルや知識がある程度ついたら、AI(人工知能)で用いられる機械学習やディープラーニングの勉強に進みましょう。これまで学んだプログラミングや数学の知識を応用し、不足している知識やスキルを補う勉強をします。
機械学習やディープラーニングの世界はとてつもなく広いので、まずは基礎を習得することだけを意識することが大切です。
実際に何か作る
勉強の最終段階として、これまで身につけてきたスキルや知識を総動員して、実際に何か作りましょう。
ここでの狙いは、実際にどのように知識やスキルを応用すれば良いのか学ぶことで、これによりAI(人工知能)のスペシャリストとして一歩踏み出すことができます。
ここまで進めば最低限の基準は満たし、あとは実際にAI業界で仕事をする中で勉強するでしょう。しかし、ここで気になるのが、独学でここまで進めることができるのか、途中で挫折しないのか。次に、どうしたら挫折せずに進めるのかお伝えします。
独学で挫折しないための注意点
独学でAI(人工知能)の勉強をする上で最大の敵のひとつが挫折です。一度挫折してしまうとなかなか立ち直れませんし、場合によってはこれまで勉強してきたことがパーとなりかねませんよね。ここで紹介する挫折を避けるための注意点は4つあり、
- 小さな目標を立てる
- できるだけコツコツ続ける
- 飽きたら別の勉強をする
- 仲間を作る
です。その一つ一つを解説しましょう。
小さな目標を立てる
例えば、この一冊を読み切る、このPythonの教材をマスターするといった大きな目標も必要ですよね。しかし、大きな目標だけでなく今日は10ページだけ読み進めよう、Pythonの○○を勉強したら休憩しよう、といった小さな目標を立てることが大切。これが、AI(人工知能)の勉強を挫折することなく独学で続けるコツとなります。
小さく目標を立てるとことで達成感を得やすく、区切りをつけやすいのでサクサク進めることができるでしょう。
できるだけコツコツ続ける
たまに休みを取ってリフレッシュを図ったり、メリハリをつけることも大切ですよね。それでも、毎日勉強は続けた方が良いです。その最大の理由は途中でだらけてしまうので、時間が空いてしまうとモチベーションが下がってしまうからです。
土日しかまとまった時間が取れない人でも、スキマ時間を活用して一日1ページだけでも進めましょう。
飽きたら別の勉強をする
ひとつの勉強に飽きたら、別の勉強をした方が良い方向に進むことが多いです。あまり執着するとつらくなる一方で、AI(人工知能)の勉強全部が嫌になってしまいますよね。そんな可能性があるのでぜひとも避けたいところ。
とくに、AI(人工知能)の前提知識、プログラミング、数学は(おすすめの順番はありますが)どこから進めても問題ないことが多いので、この3つを上手いバランスで勉強するのも良い戦略でしょう。
仲間を作る
独学のときに大きな課題となるのがモチベーションの維持で、本当にひとりぼっちで進めていると多くの人は効率が悪くなったり、最悪途中で心が折れてしまったりすることもありますよね。そのため、独学仲間を見つけ、一緒に勉強したり、進捗状況を報告しあったり、情報交換したりすることが大切です。
このようなことを意識していれば、独学でしっかりとAI(人工知能)の勉強を進めることも可能です。このような心構えに加えて、独学で進めるためにAI(人工知能)の勉強ができるサービスを知りたいところ。続いて、AI(人工知能)を学べるサービスを紹介します。
AI(人工知能)を学べるサービス
AIについて学べるサービスはいくつかありますが、とくにおすすめのものは次の5つです。
Aidemy
Aidemyはブラウザ上でプログラミングができるためサイトを開いて10秒で学習できるという、環境構築いらずでAI(人工知能)の勉強ができるサービスです。図解やイラスト、動画が豊富で入門講座もあるためAI(人工知能)の勉強が初めてな人でも続けられ、エンジニアから経営者まで幅広く使えるサービスでしょう。また、Aidemyには一部無料体験できる講座があります。
AI Academy
AI Academyの特徴は数学・統計からプログラミング、機械学習・ディープラーニングまで豊富なオリジナルテキストを用意し、その数なんと業界最多の300種類以上(月980円(税込)のライトプランの場合)。これによって、自分に合ったレベルや目的でAI(人工知能)の勉強ができますよね。また、苦手な部分をAI(人工知能)が見つけ、トレーニングもできます。
paiza ラーニング
paizaラーニングはプログラミングの入門学習コンテンツで、「Python×AI・機械学習入門編」といった、AI(人工知能)に関連した講座も充実しています。レッスンは3分の動画かつ環境構築いらず(ブラウザ上でプログラミングの実行が可能)という、スキマ時間で手軽にできる仕組みです。レッスンの不明な点はエンジニアに質問できるのも、独学する身にとってはありがたいですよね。
Chainerチュートリアル
数学やPython、ディープラーニングについて基礎からていねいに学ぶことができるコンテンツです。レッスンが細かく明確にわかれているので道のりがわかりやすいですよね。
Chainerチュートリアルでは、Pythonの入門や微分、線形代数、確率・統計の基礎を解説した「準備編」、AI(人工知能)開発に必要な回帰分析の勉強や、各種ライブラリ(便利なプログラムを集めたもの)の入門を解説した「機械学習とデータ分析」、ディープラーニング開発のフレームワーク(開発の土台となるソフトウェア)のひとつであるChainerを使ってディープラーニングを学ぶ「ディープラーニング入門」があります。
N予備校
N予備校は大学受験向けの講座だけでなく、プログラミングやWebデザインを学ぶことも可能で、「機械学習 入門」や「脳型人工知能開発 脳神経科学と汎用人工知能」などで機械学習やAI(人工知能)の勉強ができます。プログラミングコースはプログラミング未経験の高校生でもわかるように解説されているため、右も左もわからない、これからAI(人工知能)の勉強を始める人はまずはN予備校に手を付けましょう。
これらのサービスは非常に優秀です。しかし、基本一人で使うように設計されているため、一緒に勉強する仲間を見つけたり、現場の生の声を聴いたりすることができません。そこで最後に、仲間を見つけたり、生の声を聴いたりするための勉強会の開催状況を紹介しているサイトを紹介します。
AI(人工知能)の勉強会を探せるサイト
AI(人工知能)の勉強会を探せるサイトはAI(人工知能)やITに特化したものからさまざまな勉強会を取り扱ったものまで多様です。ここではとくにおすすめの5つを紹介しましょう。
Study-AI(Study-AI株式会社)
AI(人工知能)の教育コンテンツの提供や人材育成をおこなっているStudy-AI株式会社が運営元のサイトです。例えば初心者向けのボット作成講座やエンジニアが抗議するAI超入門講座など、プログラミング未経験者や数学に触れてこなかった人でも学べるでしょう。
Connpass(株式会社ビープラウド)
Connpassは「エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォーム」で、勉強会を探すだけでなく、開催したり参加したりすることもできるサイト(プラットフォーム)です。主にエンジニア向けの勉強会やセミナー、イベントが開催されており、好きなものを探して参加できます。
TECH PLAY(パーソルイノベーション株式会社)
テクノロジーに関する面白そうな勉強会を簡単に見つけるために作られたサイトです。TECH PLAYでは「技術キーワード」「タグ」「エリア」「スケジュール」という条件から簡単に勉強会などの情報を探せるので、欲しい情報を手に入れることができるでしょう。
Doorkeeper(Doorkeeper株式会社)
DoorkeeperではIT関係のイベントが多く掲載されているサイトで、勉強会探しだけでなく自分で勉強会を開催したい人にもおすすめです。初心者向けのものもありますが、専門性の高い勉強会が多い傾向なので、ある程度基礎ができてから参加すると良いでしょう。
こくちーずプロ(株式会社ライブアウト)
こくちーずプロでは「学ぶ」「人脈」「生活」「IT」といったさまざまなジャンルの勉強会やセミナー、イベントなどが開催されており、目的に合わせて探せます。また、もしあなたが勉強会を開催する場合は、このサイトで宣伝すると集客がしやすいです。
さて、今回は独学でAI(人工知能)や機械学習の勉強をしたい人に向けて、おすすめの学習法をお伝えしました。AI(人工知能)の勉強を進めるうえでおすすめのステップは次の5段階です。
- AI(人工知能)の前提知識の勉強:AI(人工知能)そのものだけでなく、社会事情など、全体を俯瞰するように勉強しよう
- プログラミングの基礎の習得:おすすめのプログラミング言語はAI(人工知能)でよく使われ、プログラミング初心者向きなPython
- 基礎的な数学の勉強:大学1~2年レベルの微分積分、線形代数、確率・統計を身につけよう。苦手な人は簡単なテキストを活用
- 機械学習・ディープラーニングの基礎の習得:身につけたプログラミングや数学の知識をより専門的に深めよう
- 実際に何か作る:アウトプットすることで知識がより強固なものになり、また実際の作る過程も学べる
独学は挫折しがちなもの。挫折を防ぐために次のことに気を付けましょう。
- 小さな目標を立てる:小さな達成感が継続の秘訣
- できるだけコツコツ続ける:間が空くとだらけがち
- 飽きたら別の勉強をする:執着しすぎて嫌にならないように
- 仲間を作る:モチベーションを高めあおう
世の中にはAI(人工知能)の勉強のためのさまざまなサービスがあります。この記事ではとくにおすすめの5つのサービスを紹介しました。
- Aidemy:初心者からエンジニアや経営者まで幅広く使える
- AI Academy:講座数が業界最多の300種類あり、自分に合ったものが見つかりやすい
- paiza ラーニング:3分の動画でスキマ時間でも勉強ができるので忙しい人にうってつけ
- Chainerチュートリアル:体系的にわかれたレッスンが用意されているため、順を踏んでていねいに勉強ができる
- N予備校:プログラミング未経験の高校生にもわかるように作られているので、IT関係はちょっと・・・という人でも安心
独学は読んで字のごとく基本は独りでおこなうものですが、互いに高めあう独学仲間も欲しいですよね。そんなニーズに応える、勉強会などを探せるサイトを5つ紹介しました。
- Study-AI(Study-AI株式会社):初心者でも学びやすいコンテンツが提供されている
- Connpass(株式会社ビープラウド):エンジニア向けの勉強会が豊富であるため、AI(人工知能)エンジニアになりたいならばぜひとも使いたいところ
- TECH PLAY(パーソルイノベーション株式会社):簡単に勉強会を探せるため、探し方に困ったらTECH PLAYを使ってみよう
- Doorkeeper(Doorkeeper株式会社):専門的な勉強会が多い傾向にあるため、極めたい分野が出てきた場合にとくにおすすめ
- こくちーずプロ(株式会社ライブアウト):AI(人工知能)以外にもさまざまなジャンルがある。自分で勉強会を主催したい場合にも集客がしやすく、(一部)無料で利用できるためおすすめ
独学は独りでおこなうため、さまざまなツールを活用しなければなりません。今回紹介した勉強法をもとに、今日からAI(人工知能)の勉強を進めましょう。