ファッション通販サイトのゾゾタウン(ZOZO TOWN)では、ZOZOスーツの登場が大きな話題になりましたよね。伸縮する計測スーツを着て体のサイズを測り、自分にピッタリサイズの服がネットで買えるという、画期的なスーツが無料!ということに衝撃を受けたり大きな可能性を感じた人は少なくないはずです。
ネットショッピングではこれまで避けて通れなかった「サイズが合わない」問題を解決したり、集めたユーザーの体型データを商品作りに活用することで、これまでとは全く違ったフローの服作りで革命を起こそうという試みは、とても興味深いですよね。
そして同じように、AI(人工知能)を使って靴の分野にもデータを活用しようという動きが広まっています!AI(人工知能)と靴を掛け合わせることによって、ファッションだけでなく、健康や教育、介護や予防医療といった面でも大きな変化が訪れそうですよ!
靴を変えるだけで、走りが早くなったり、怪我の予防になったり、お店やネットで自分の足にぴったりな靴をぱっと見つけられたり、、、そんな風になったら嬉しいですよね。そこで今日は、AIによって劇的に進化を遂げつつある靴たちの最新事情についてお伝えします。
歩く、走る、をAI(人工知能)で分析する靴
スポーツをする方なら歩く・走るといった動作がパフォーマンスに与える影響は大きいですが、スポーツをされない方にとっても、日々の歩く動作は健康に大きく関わっています。
歩き方が悪いと、変なところに筋肉がついて足が太くなってしまったり、関節へ負担がかかって足が痛くなってしまったり、といったことがあるのは皆さんご存知のことと思いますが、自分の歩き方って、自分ではなかなか客観的に見れないし直せないですよね。
そこで、AI(人工知能)があなたの歩き方の癖を発見して改善のアドバイスをしてくれる靴や中敷を活用してみてはいかがでしょうか。
自動レースアップとAIコーチング機能のついたスマートシューズ「Digitsole」
靴本体に様々なセンサーが埋め込まれていて、回内、回外、推進レベル、衝撃力、疲労、体力、歩数、カロリーなどを分析。衝撃力、疲労、姿勢、刻み幅などを検出します。それらのデータから専用アプリでレポートが作成され、自分の癖を認識することができるそうです。
アメリカのクラウドファンディング「キックスターター」で2017年に開催されていたプロジェクトで、限定数を完売している人気ぶりのようです!
ランナーの一歩一歩を分析するランニングシューズ「Stridalyzer」
インドのReTiSense社が開発した、靴の中敷です。熱心なランナーであった創業者が、長年走ってきた中で生まれた足の問題を解決するために開発したのだとか。中敷に組み込まれたセンサーから、足や膝にかかる圧力を計測・分析し、リアルタイムで走り方のアドバイスをしてくれます。
マンツーマンのインストラクターみたいですよね!ランナーだけでなく一般向けのものもあり、歩き方の改善による健康増進にも役立ちそうです。2018年5月25日現在、公式サイトで$79.2から販売中です。
すべての靴をAI搭載のIoTシューズにする「ORPHE TRACK」
こちらは日本国内のプロジェクト!靴底に組み込んだセンサーが、足の動きを精細に記録し、AIで解析します。
6軸モーションセンサー、気圧センサー、振動モーター、AI「ORPHE AI」を備え、ユーザーの足の動きを学習し、ランニングフォームのコーチングや健康状態へのアドバイスをしてくれます。
そしてそのセンサーを、自社だけでなく、各靴メーカーが搭載できるようにデザインのフレームワークを提供しています。これまで靴メーカー単独では開発が難しかった、センサーや分析AIの開発を、靴のデザインと切り離すことで、靴のIoT化(モノがインターネットにつながること)を促進することを目的に、2018年夏の実用化を目指しているそうです!
AIと探す、作る、あなたの足にピッタリの靴
あなたの足にぴったりな靴を提案してくれる「Flicfit」
Flicfit(フリックフィット)は、3Dスキャンしたあなたの足と靴のデータをAI(人工知能)で分析し、ピッタリな靴を提案してくれます!
店舗の接客支援ツールとして導入が進んでいますが、オンラインショッピングにも活用が進めば、webでバーチャルフィッティングしてピッタリの靴が買えるようになりそうですね!
あなたの足にぴったりなソールを作ってくれる「QUANT-U」
QUANT-U(クアントゥー)は、足の3Dスキャンと、実際に歩いた時の靴底センサーの計測データ(圧力、加速度、靴内の温度、湿度など)をAIで分析し、あなたにピッタリのミッドソール(靴底と足裏の中間層)を3Dプリンターを使ってたったの2〜3時間で作ってくれるのだとか!
あなたが靴好きでなければ「ミッドソール」なんて聞き慣れないかもしれませんが、(私も今調べました!)靴の履き心地はミッドソールで決まるほど、重要なパーツだそうです。
つまり、最高の履き心地の靴を2~3時間で作れてしまうわけで、これまでのオーダーメイドの靴にとっては危機的状況かもしれませんね。日本での販売予定はまだありませんが、今後の動きに注目です!
さて、AIで進化する靴たちの現状をお伝えしてきました。実用段階の商品はまだ少ないですが、IoT(モノとインターネットがつながること)の普及により、AIを活用した靴づくり、靴選び、靴を使った健康管理や教育、介護など、今後数年の間に実用レベルの商品が増えてくることは間違いないでしょう。
AI(人工知能)と靴を掛け合わせてどんなことが起こっていくのか、今後も目が話せませんよね!