AI(人工知能)が活躍しているSF作品は昔から多く存在していましたよね。例えば漫画・アニメでは「ドラえもん」「鉄腕アトム」なども、AI(人工知能)が主人公となっています。また小説では「ソラリス」など、実に50年以上も前からAI(人工知能)をメインで取り上げているSF作品が出てきているのです。私は映画も小説も好きな人ですが、こういう作品を見るたびに作者の「未来を見る力」ってすごいな・・・と感心しています。
その中で、今回ご紹介するのは、AI(人工知能)が母親の愛を求める話や、AI(人工知能)と恋をする話、さらにはもしAI(人工知能)がもし身の回りのことをすべてやってくれたら・・・など様々なストーリーがあります。AI(人工知能)を取扱ったSF作品でありながら、いろんな話の切り口があって面白いですよね。
そこで今回は「AI(人工知能)を描いたSF作品」をネタバレしない程度にご紹介いたしつつ、まえだまえだの一言感想も添えてご紹介いたします。
AI(人工知能)が母の愛を求める「A.I.」
スティーブン・スピルバーグ監督「A.I.」では、主人公の少年型ロボットAI(人工知能)が母の愛を求めるSFの物語です。地球温暖化が進んだ未来で、少年型ロボットのデイビットがある夫婦のもとにやってきます。この夫婦の息子は不治の病で昏睡状態となっており、目覚める見込みがないため、やがてデイビットを実の息子のように可愛がるようになります。ところが息子が奇跡的に回復したのち、デイビッドは森に捨てられてしまいます。デイビッドは母親から愛されることを求め、他のロボットと一緒に、願いをかなえると言われている「ブルー・フェアリー」を探す旅に出る・・・というストーリーです。
SFでありながら、映画で描かれているテーマは「親子の愛情」です。たとえ森の中に捨てられても、母の愛をひたすら求め続ける姿が泣けるポイントです。この映画ではデイビットのような人型のAI(人工知能)だけでなく、セックスロボットやテディベアのロボットなど、さまざまなAI(人工知能)が登場しています。将来的には、子どものいない夫婦の家庭に子供のAI(人工知能)がやってくる・・・ということもあるのかもしれません。
一度インプットされた「愛」はデイビットを縛り付ける「呪縛」だったのかもしれない、と解釈すると結構哀しいストーリーだと感じました。ラストシーンは、結局デイビッドの願いが叶ったとすると胸がぐっと来ますね・・・!あとハーレイ・ジョエル・オスメント(当時13歳)がかわいいです。
AI(人工知能)に恋をした「Her たった1つの彼女」
先程「A.I.」では「親子の愛情」がテーマでしたが、この「Her たった1つの彼女」ではなんとAI(人工知能)に恋をしてしまうのです。なかなかAI(人工知能)に恋をする、なんていうのはイメージできませんよね。近未来のロサンゼルスが舞台で、離婚したばかりの主人公セオドアが、人工知能型OSのサマンサと出会います。やがてセオドアは会話を重ねていくうちにAI(人工知能)であるサマンサと恋に落ちていく・・・というSF作品でありながらラブストーリーとなっています。
この「サマンサ」は声だけのAI(人工知能)なのですが、落ち込んでいるときに慰めてくれたり、ときにジョークを飛ばして笑わせてくれたり、セオドアが他の女の人とでかけたときは嫉妬して喧嘩になったり、感情面では人間とさほど変わりません。しかし別れた妻に「PCが恋人だなんておかしい」と言われてしまいます。やはりAI(人工知能)が恋人になるというのを受け入れるのはまだ先のことでしょう・・・。
サマンサ役のスカーレット・ヨハンソンの声が素敵です。ラストシーンで元妻に手紙を送ることで、AI(人工知能)との恋を経てようやく人間と向き合える、というのも不思議な感じがしました。
ショートショートで未来を描く「きまぐれロボット」
AI(人工知能)が家事を片っ端からやってくれればとても助かりますよね。それを小説にしたのが星新一の「きまぐれロボット」です。この本はショートショート集となっており、実に36本もの小説が入っています。その中の表題作がAI(人工知能)が登場するSF作品となっています。ちなみにこの小説が出版されたのが1960年代ということだけあり、まさに未来を見ていたのではないかという先見の明を感じることができます。
お金持ちのエヌ氏は博士から「最も優秀なロボット」を買って、1ヶ月の別荘でバカンスを過ごそうとします。ロボットは部屋の掃除、ピアノの調律など様々な家事を完璧にこなしてくれましたたが、ロボットを連れてきてから2日目から時々逃げ出す、暴れだすなどさまざまなトラブルが出てくるのです。怒ったエヌ氏は博士に文句を言うが・・・というストーリーがなんと数ページで完結します。
もちろんこの本はAI(人工知能)が登場しなくても、他のSF作品の数々が素晴らしいのでぜひ他のお話も読んでみましょう。また、同じ星新一の「ボッコちゃん」も現代で言う「チャットボット」が内蔵されたロボットが主人公となっており、おすすめです。
わずか数ページなのにオチが素晴らしいです。突然AI(人工知能)が壊れたらたしかにびっくりするけど、まさか壊れた理由としてそんなことまで見越していたとは本当に頭がいいな・・・と感心しました。
さて、今回は「AI(人工知能)を描いたSF作品」をご紹介いたしました。
AI(人工知能)が母親の愛を求める「A.I.」
AI(人工知能)と恋に落ちる「Her たった1つの彼女」
AI(人工知能)が身の回りの世話をやった際のコメディ「きまぐれロボット」
と、SF作品でありながら「愛」「恋」「コメディ」とそれぞれのテーマでAI(人工知能)が描かれていることがわかりましたよね。もし、この記事を読んでAI(人工知能)のSF作品って面白そう、または読む(観て)みたい!というSF作品がありましたら、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。いずれ、またAI(人工知能)を取り上げた面白いSF作品が登場するかもしれません。
参照元
AIがテーマの映画11選
映画『A.I』...最も残酷な愛の呪縛 - 自己解釈で深く掘り下げたいだけ
「A.I.」のネタバレあらすじ結末と感想
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