私たちの社会では、AI(人工知能)の利用が急激に増え、日常生活でも活躍するシーンが増えてきていますよね。上手に料理を作ってくれたり、オススメの音楽を流してくれたり、また、近い将来には車の自動運転もAI(人工知能)が実現してくれることでしょう。
このように、私たちの日常生活の中でAI(人工知能)が活躍するシーンを目にすることが多くなりましたが、もちろん私たちの目に見えないところでもしっかりと活躍をしてくれています。
特にAI(人工知能)の貢献度が大きい場面は、サイバー対策や防犯などのセキュリティ対策です。セキュリティと言っても適用範囲は広くなるため、ここでは大きく2つの分野に分けることにしましょう。
- サイバーセキュリティ…コンピュータウイルスやハッキングの対策
- 防犯セキュリティ…家屋侵入や窃盗やテロ対策
近ごろはAI(人工知能)と同様、コンピュータの技術が向上し、それを悪用するケースも増えてきております。そこで今回は、AI(人工知能)がこのセキュリティの分野で活躍するシーンについて解説いたします。
AIがウイルス対策のセキュリティに貢献
まずは、コンピュータの世界のセキュリティ(=サイバーセキュリティ)について触れていきましょう。皆さんもご存知のコンピューターウイルスは、パソコンがウイルスに感染するとパソコンがフリーズしたり、データが消えてしまったり、最悪の場合はパソコンが起動しなくなったりすることがあります。
このコンピュータウイルスを防止するのが、これまた皆さんご存知のウイルス対策ソフトですよね。対策ソフトはウイルスのパターンを持っており、そのパターンとマッチするものをウイルスと判断する仕組みです。
ウイルスは日に日に新しいものが生まれているので、対策ソフトはインターネットから新しいウイルスパターンを入手し、その都度対応力を高めているのです。
しかし、対策ソフトのウイルスパターンは、すべてのウイルスを網羅できている訳ではありません。そんな弱点を補完するためにAI(人工知能)が自ら学習し、対策ソフトの持っているウイルスのパターンには当てはまらないが、ウイルス的振る舞いをするものを排除する機能を持っています。このようにしてAI(人工知能)がウイルス対策ソフトのセキュリティを高めています。
AIなしではサイバーセキュリティは考えられない
今度は、大規模なシステムのセキュリティについて見てみましょう。インターネットには多くのサービスがあり、検索サービス、銀行、ショッピング、動画配信など、あらゆるものがネットでできてしまう時代と言えるでしょう。
これらのインターネットサービスには、多くの情報が蓄積されており、商品情報、お客様の個人情報や購買履歴など、かなり重要な情報が含まれています。当然、これらのサイトは外部から侵入できないようにしたり、情報が漏洩しないような対策をしています。
しかし、システムのバグや内部犯行者など、様々な原因によって、情報が漏れるというニュースをたまに耳にすることがありますよね。中には、意図的にインターネットサービスをハッキングをして個人情報や仮想通貨を盗み出したりすることだってあるのです。
ここでも活躍するのがAI(人工知能)です。1990年代以降、インターネット普及により、サイバー攻撃も同時に増えてきました。AI(人工知能)は、これまで行われてきたサイバー攻撃のデータを蓄積し学習して、未知の攻撃に備えているのです。もはや、AI(人工知能)の力なしではセキュリティは守れないと言えるでしょう。
AIセキュリティ技術が無人コンビニを実現
本場アメリカでは、あのAmazonが無人の店舗をオープンしているそうです。その名も「Amazon GO」、実はこの店には店員が1人もいなく、レジで会計をする必要がありません。お店に入って好きな商品を手に取ってゲートを通ってお店を出るだけで、自動的にお会計が完了しているのです。
「この店、万引き対策しなくても大丈夫?」って思ってしまいますよね。でも、ご安心ください、カメラ、マイク、センサーが人の動きをトラッキングし、ディープラーニングによって人間の行動を学習したAI(人工知能)が、人が商品を取る様子をキャッチするだけではなく、一度手に取った商品を棚に戻したりする動作なども正確に捉えることができます。
AI(人工知能)がお店のセキュリティに貢献しています。
一方、日本でもセルフレジが普及しつつあります。特にGUに設置されているセルフレジは秀逸で、レジに商品を置くだけで金額を計算してくれます。しかもほぼ一瞬で計算しくれるのでビックリです。大都市の大きな店舗にはセルフレジが設置されているので、もし機会があれば皆さんも体験してみてはいかがでしょうか。
GUほど完全自動化ではないものの、スーパーにあるセルフレジは自分で商品のバーコードを機械に読み込ませます。これらのセルフレジは、AI(人工知能)がカメラの映像を分析しながらお客さんの動きをトラッキングしているのです。
例えば、レジを通さずに袋に入れたりするなど、怪しい動きをすると、AI(人工知能)セルフレジが店員に通知をし、それを受けた店員がレジで会計をしているお客さんに声をかける仕組みになっています。
現段階では、たまに人間の動きに過剰に反応してしまい、会計が途中で止まってしまう煩わしさを感じることがありますが、AI(人工知能)がセキュリティと人員削減に貢献していると言えるでしょう。
今回は、AI(人工知能)がセキュリティのシーンで活躍する様子を解説してまいりました。セキュリティと言っても幅広く、家のパソコンから企業の大規模システム、そして無人レジに至るまで、AI(人工知能)セキュリティの最新事例についてご紹介いたしました。
まだこの分野は、近年始まったばかりでまだまだ発展途上ですが、近い将来このAI(人工知能)セキュリティは私たちの生活に大きく貢献してくれることは間違い無いと言えるでしょう。
今後1日も早く、AI(人工知能)が私たちのセキュリティをサポートしてくれる世の中になることを期待したいです。