IT革命に続く、AI革命の中で「シンギュラリティ(技術的特異点)」という言葉を聞いたことのある方もいますよね。
このシンギュラリティ(技術的特異点)とは、未来学者のレイ・カーツワイル氏が提唱した「人工知能の知性が人類の知性を越える時点」を指す言葉です。
1990年代のIT革命が成熟し、AI革命が進行している現代、情報技術およびAI(人工知能)は指数関数的に成長を続け、人間の脳が持つ能力を超え、そして認知能力、問題解決といった能力でさえ、AI(人工知能)が人類を超越してしまうと言われています。この技術的な特異点こそがシンギュラリティであり、2045年にシンギュラリティに到達するといわれているのです。
ですから、AI(人工知能)が人間を超えるとどうなるのかと疑問に感じたり、漠然とした不安が生じたりするのも当然ですよね。
そこで今回は、AI革命の中で、人類の立ち位置がどのように変わっていくのかについて、AI(人工知能)の現状や我々ができることについても触れながら見ていきましょう。
AI(人工知能)の現状
そもそも、AI革命とは言うけれど現在AI(人工知能)はどれほど進歩しているのでしょうか。
そしてその後も、AI(人工知能)は成長を続け、様々な分野で活躍しています。
実際、AI革命の進展に大きな影響を与えた「ディープラーニング」と「ビッグデータ」ですが、これらの技術により、現在のAI(人工知能)は、人間の計算力や記憶力、分析力を凌駕するだけでなく直感や感のような能力でさえ再現できるようになったのです。
このように聞くと、将来自分の仕事がなくなってしまうのではないかと不安になってしまいますよね。しかし、安心してください。
AI(人工知能)を、どのような分野でどのように使用するか、あるいは使用しないかは、あくまでも人間が設定するもので、私たち人間を含む生命体は、生存を優先したり社会組織が利益の最大化を追求したりするような個体としての最終的な意思を持っています。
ですから、たとえシンギュラリティ(技術的特異点)に到達したとしても、その根本は私たちの意思決定が影響を与えます。
というのも、AI(人工知能)はある目的を達成するようにプログラムされているからです。この目的を設定するのは人間ですし、もしAI(人工知能)が新たなAI(人工知能)を生み出したとしても、開発する側のAI(人工知能)には人間の意志が介在することになります。
AI(人工知能)を扱うにしても作るにしても、自分自身で考えて意思決定を行っていく必要があります。ですから今までのように言われたことをこなすだけの受け身的な姿勢だと仕事を奪われることになるでしょう。
しかし、AI革命の中で脅かされるのは仕事だけなのでしょうか。
仕事を奪われるどころの話ではなくなる
ところで、AI革命の中で、人間が中心の世界からデータ中心の世界になってしまうことが懸念されています。
実際、総務省の調査によると、AI(人工知能)の望ましい活用分野として生体情報や生活習慣、病歴、遺伝等と連携した高度な診断は利活用ニーズが高く、研究も活発に行われており実用化も遠い話ではないのです。
そうなってくると、AI(人工知能)というシステムの方が本人よりも本人のことについてよく知っているという状況に陥ってしまいます。
このとき必要になってくるのが、先ほども挙げた「自分自身で考える」力なのです。
日頃こうした問いについて考え、自分なりの答えを持つことはこれからのAI革命の時代で生き残っていくためには非常に重要です。こうした問いに対する自分の答えを用意することで、将来AI(人工知能)が人間を凌駕し、それに従うことになったとしても、そこには自分自身の意思が介在することで、データからの駆逐を免れ、人間中心という従来の価値観が存在できることになるでしょう。
今回は現在のAI革命のなかでいかに人類が生き残っていくかを、AI(人工知能)の現状から未来、そして我々がデータに駆逐されないためにどうするべきかを解説してきました。
普段の生活の中でも「自分自身で考える」よく耳にする言葉ではないでしょうか。この基本的なことが、AI革命の中でデータに駆逐されることなく、人間が人間の尊厳を保って生きていくために必要な能力なのです。
ここでいう「考える」とは、なんとなく行動するのではなく、その根底にある行動の理由を意識したり、将来起こりうることを想定してそのような時自分ならどうするかを考えたりすることです。まずは先ほど挙げた3つの問や自分の行動の理由を考えることから始め、将来のAI革命に備えていきましょう。
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