AI(人工知能)の急速な進化は、私たちの社会に大きな影響をおよぼすといわれています。その中でも特に気になるのは、AI(人工知能)によってなくなる仕事が出てくるかもしれない、ということですよね。
すでに多くのビジネス分野で、AI(人工知能)を活用する事例がみられています。これまで人間が携わってきた仕事を、人間よりも正確かつスピーディーにこなすことができるAI(人工知能)は、着々とその活躍の場を広げています。なかにはいずれAI(人工知能)が人間の仕事を奪っていく、なんていう人も出てきました。
そうなると、今後私たちの仕事はどうなってしまうのだろう?と心配になったり、仕事奪われたら怖いなぁ、と感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、AI(人工知能)の進化によってなくなる仕事とそうでない仕事をあげていきます。またAI(人工知能)時代に必要とされる職業観、そして新たに生まれるかもしれない仕事についても紹介していきましょう。
AI(人工知能)で仕事がなくなる、奪われると騒がれ始めた理由
すでにAI(人工知能)はいろいろな仕事で活用され始めていますが、そのために人間の仕事がなくなったという話は、まだあまり聞きませんよね。ではなぜAI(人工知能)によってなくなる仕事が出ると言われ始めたのでしょうか。
その理由は、AI(人工知能)には以下のような点があると考えられているためです。
- あらゆる仕事をルーチン化することが可能になる
- センサーの技術が格段に向上する
- AI(人工知能)による判断を取り入れるようになる
つまりAI(人工知能)は膨大な量のデータをディープラーニングによって蓄積し、必要な情報を必要な時に取り出すという作業が得意分野。最近では情報を取り出すだけでなく、取り出した情報を使って事務処理をすることも可能です。
またセンサーの技術とAI(人工知能)が結びつくことで、人間ではとうてい不可能なほどの認知能力、いわゆる「気づき」の能力を得ることができます。
それ以外にも街にセンサーを張り巡らせて音や映像を記録することで、事故や事件をいち早くキャッチすることができるようになります。警察官がパトロール業務をする必要がなくなるうえに、常に監視されている状況を作ることで治安が向上していくかもしれません。
さらにAI(人工知能)は、蓄積したデータから最も効率的と思われる行動を予測することもできるようになりました。
このような状況を見ていると、確かにAI(人工知能)によってなくなる仕事が出てくるというのも、納得してしまいますよね。
AI(人工知能)によってなくなる仕事、職種一覧
ここでAI(人工知能)によってなくなると言われている仕事を、職種ごとにまとめてみました。一つ一つのジャンルについて、解説しましょう。
- 会社の経理
- 学校の事務員
- 秘書
これらは、いわゆる事務職。給与や経費の計算などは、AI(人工知能)によってほとんど肩代わりできるとされています。また秘書が行うスケジュール管理やアポイントメント業務もAI(人工知能)ができる仕事です。
- 電車の運転士
- 路線バスの運転手
- タクシー運転手
- 新聞配達員
- 郵便配達員
自動車の自動運転は、現在でもよく話題にのぼりますよね。自動運転が実用化されれば、さまざまな乗り物の運転業務はAI(人工知能)によってなくなる仕事となってしまうかもしれません。郵便の収集や新聞の配達も、できるようになりそうです。
- ビル清掃員
- ホテルの客室係
- ハウスキーパー
現在でも、障害物を自動で認識する掃除機が活躍している家庭が多いかもしれません。清掃以外にもさまざまな家事をこなせるAI(人工知能)ロボットが誕生すれば、これらのような職業もなくなっていく可能性があります。
- 工場作業員
- 大工
- プログラマー
いわゆる技術職にあたるこれらの仕事も、AI(人工知能)によってなくなる仕事となる可能性があります。AI(人工知能)がコンピューターのプログラムを組んでいる光景は、まさに未来的な感じがしますよね。
- 会社の受付
- 銀行の窓口
- テレフォンアポインター
人とのコミュニケーションが必要なこれらの職業も、AI(人工知能)によって肩代わりされるかもしれません。実際にテレフォンアポインターやショップのコールセンターなどは、すでにAI(人工知能)が担当しているところがあります。
- 税理士
- 行政書士
- 弁理士
- 司法書士
資格を取得するのに高度な知識が必要なこれらの仕事も、AI(人工知能)によってなくなる仕事と言われています。業務をルーチン化することができれば、これらの職種もAI(人工知能)によって自動化できるでしょう。
AI時代にも残る、なくならないと言われている仕事、職種一覧
では、逆にAI(人工知能)によっててなくならないと言われている仕事・職種についても解説しましょう。
- 作家
- マンガ家
- デザイナー
- 芸能人
これらのモノを作り出す仕事は、AI(人工知能)にはできないとされています。「おもしろい」「感動する」といった人の心に迫ることができない限り、AI(人工知能)がこれらの仕事を奪うことはないでしょう。また最近ではAI(人工知能)によるバーチャルアイドルの研究もされていますが、やっぱり人間のほうがいいという人も多いですよね。
・医師
・カウンセラー
・各種インストラクター
人の心に寄り添う必要のあるこれらの仕事も、AI(人工知能)によってなくなる仕事とはならないでしょう。データの収集などAI(人工知能)が担う部分もありますが、相手が人間だからこそ信頼できるという部分もありますよね。
- 経営者
- システムアナリスト
- コーディネーター
これらの仕事の共通点は、人をとりまとめる仕事であるということ。それぞれの目的のために必要な人材を集め、全体の仕事を統括するわけです。これもまた、人と人とのつながりが求められるので、AI(人工知能)が肩代わりするのは困難であるといえるでしょう。
AI時代に新たに生まれる仕事
機械の誕生によって産業革命が起こった時、自動車が普及した時などもそうでしたが、なくなる仕事が出てきた一方で、新しく生まれた仕事もありました。同じようにAI(人工知能)が進化することでなくなる仕事だけでなく、新しく生まれる仕事もあるでしょう。
まず考えられるのは、AI(人工知能)を作り管理する仕事です。もちろんたった一人でAI(人工知能)を作ることはできませんから、それを取りまとめる人も必要でしょう。またAI(人工知能)が悪用されることのないよう、セキュリティに携わる人材も必要とされそうですよね。
またAI(人工知能)がデータを蓄積し活用できるといっても、そのデータをあらゆるニーズに対応できるようになるとは限りません。個人や企業によって、求めるものはさまざまです。それぞれに対して必要なデータを解析し、有効な対応ができるようにするという仕事も生まれるでしょう。
ところで、AI(人工知能)の進化の過程でVR(仮想現実)の技術も発達し、いずれはVR空間で仕事をしたり遊んだりといった生活になるという予想もあります。そうなればVR空間で使うキャラクターを作ったり、施設を作ったりといったことも仕事として成立するかもしれません。
AI時代に求められる考え方や視点
今までの話で、AI(人工知能)になくなる仕事・なくならない仕事と見てきましたが、この特徴をざっくりまとめると、
となります。また、AI(人工知能)の時代によって新しく生まれる仕事は、AI(人工知能)と関連がある仕事が多かったですよね。
そうなると、これからの時代はAI(人工知能)と人間がお互い得意な点を生かしていくことが大切なのかもしれません。現状のAI(人工知能)では「記憶」や「データの分析」、「作業をひたすらこなす」などの得意分野がありますよね。それに対して、人の感情を動かしたり、対人関係に関してはまだまだ人間のほうができる分野です。
AI(人工知能)も人間も得意な点が変わってくるので、それぞれの能力を生かすことができるようになればに良い仕事ができるでしょう。
さて、今回はAI(人工知能)の進化によってなくなる仕事とそうでない仕事、またAI(人工知能)時代に必要とされる職業観や新たに生まれるかもしれない仕事を紹介してきました。
- 「業務のルーチン化」「センサー技術の向上」「AI(人工知能)による判断力の向上」により、人間の仕事がなくなると言われている
- AI(人工知能)によってなくなる仕事として「事務職」「運転業務」「清掃員」「技術職」「窓口業務」「士業」などがあげられる
- AI(人工知能)が進化してもなくならない仕事として「モノを作り出す仕事」「人の心に寄り添う仕事」「人を取りまとめる仕事」がある
- AI(人工知能)の進化によって「AI(人工知能)を作ったり管理する仕事」「AI(人工知能)のデータを活用する仕事」「VRに関わる仕事」などが新たに生まれるかもしれない
- これからは、AI(人工知能)と人間のお互いの得意分野を生かすようになっていく可能性がある
AI(人工知能)によってなくなる仕事が出てくると騒がれ、不安になっている人もいるかもしれません。しかしなくなる仕事があったとしても、新しく生まれる仕事も出てくるでしょう。
AI(人工知能)についての知識に触れ、どのようなことが必要とされるのかを知っておけば、AI(人工知能)時代になくなる仕事が出たとしても、すぐに対応できるに違いありません。