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AI(人工知能)が脳内イメージを映像化!思い出の共有も夢じゃない

AI(人工知能)が脳内イメージを映像化!思い出の共有も夢じゃないイメージ

思ったことをそのまま伝えたい」「相手の頭の中を見てみたい」なんて考えたことはありますよね。今までSF映画の世界だと思っていたようなことが、AI(人工知能)技術の発展によって、このようなイメージの映像化が実現できる未来が近づいています

この技術に関する研究が、京都大学とATR(国際電気通信基礎技術研究所)によって行われており、その成果が今年1月に論文として発表されました。AI(人工知能)を使ったイメージ・画像生成の試みはこれまでも行われていましたが、今回の実験ではかなりのレベルまで到達しており、実用化もそう遠くなさそうです。こういった新しい技術の発展は、私たちの日常にどのような変化をもたらすのでしょうか。

そこで今回は、私たちが頭の中で思い描いていることを、AI(人工知能)がそのイメージを読み取って映像化する具体的な方法や、その活用法についてお伝えしていきます。

どうやってイメージを映像化するの?

どうやってイメージを映像化するの?イメージ

「イメージの映像化」は、AI(人工知能)のディープラーニングを用いて行われています。ディープラーニングとは、深層学習とも言われ、ニューラルネットワークによる機械学習手法です。専門的な話になりますが、これにはfMRI(機能的磁気共鳴画像法)という、人や動物の脳・脊髄の活動に関連した信号変化を血流動態反応から視覚化する手法を使っています。人間が視覚情報を処理する際の脳の活動を分析し、目で見た情報を処理する「視覚野」の動きを調べることで、AI(人工知能)で分析し、被験者が見たイメージを生成する、ということです。

手順を簡単にまとめると、以下のようになります。

  1. まず人が特定の画像を見たときの脳の活動情報を記録
  2. 脳の活動情報をディープラーニングによってAI(人工知能)が学習
  3. AI(人工知能)が、人が見ているイメージを、脳の活動から分析し、生成

つまり、「赤色の画像を見たときと同じ脳の動きをしているから、今見ているのは赤い画像だ!」というような分析を重ねていくことで、AI(人工知能)がイメージを特定していくということですよね。

現状では、「見ている画像」を生成することができる段階です。
そう聞くと、「それだけ?大したことなさそう……」と思われるかもしれませんが、現在も研究は続けられており、AI(人工知能)による「心の中でイメージした画像」の生成も行われています。
まだ生成されるイメージの再現度は高くはありませんし、複雑な画像の生成は困難です。
ですが、研究を進めていくことによって、将来的にはAI(人工知能)によって「イメージした映像」の詳細な再現ができると考えられています。

私たちの生活への影響は?

私たちの生活への影響は?イメージ

では、この「AI(人工知能)によるイメージの映像化」技術が確立されたら、実際に私たちの日常にどのような影響をもたらすのでしょうか。以下に想定される活用法を挙げていきます。

夢や過去の記憶を知ることができる

私たちは夜寝ている間に夢を見ますが、そのほとんどはすぐに忘れてしまいますよね。この夢の内容を記録して見ることができるとしたら、面白いですよね。

夢の内容を記録することで明晰夢(夢の中で夢だと自覚できる夢)を見ることができる「夢日記」という手法もありますが、これにも応用が出来そうです。明晰夢は想像力の向上、夢の中で自由に動けることによるストレス解消などの効果も期待できます。夢は「記憶の整理」や「深層心理の表現」などの役割があるとも言われているので、うまく活用することができればメリットもあるかもしれません。

自分の目がカメラ代わりになる

目で見たものやその記憶を映像にできるのであれば、「自分の目がカメラに」なんていう未来が来るかもしれません。貴重な思いでの瞬間を記録することができるだけでなく、事件があった際に犯人の人相を目撃者の記憶から画像化することもできるでしょう。「忘れていたこと」を知ることができるこの技術は、犯罪や医療など、多面的な分野で応用できる技術なのです。

障がい者のコミュニケーションに役立つ

健常者は、基本的に「言葉」でコミュニケーションを行います。ですが、「耳が聞こえない」「発話ができない」などの障がいを持っている方にとっては、言葉によるコミュニケーションは不向きです。この技術を活用することで、自分の考えを映像で伝えることができるようになれば、聴く・話すということが難しい方もスムーズにコミュニケーションをすることができるようになるかもしれません。

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今回は、私たちが頭の中で思い描いた脳内イメージを映像化する具体的な方法や、その活用法についてお伝えしました。

AI(人工知能)を使って脳内イメージを映像化するという技術は、これからも研究されていき、いずれ可能になる技術だと言えます。人間の脳の動きにはいまだ解明されていない点も多いですが、このように研究が進んでいくことでどんどんできることが増えていくでしょう。「自動運転」や「VR」など、SFと思われていた技術が身近に普及している例もあります。今後も「こうなったらいいな」と想像していたことが少しずつ現実に近づいていくことでしょう

こういったAI(人工知能)などの機械技術の進歩をうまく活用していくことで、私たちの生活をより一層充実させていくことができると良いですよね。

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