AI(人工知能)で為替取引を行うと儲かる!と聞くと興味を持つ方も多いですよね。近年の副業ブームの中で、必ず取り上げられるのが、このFX取引です。例えば経済誌やゴシップ紙には、月20万儲けたとか、ほったらかしでも大丈夫などの謳い文句を見たことってあるのではないでしょうか。
FXとは、通貨(ドルやユーロ、円など)のペアを交換・売買し、現在の価値から将来その価値が上がったり下がったりした場合の差額が儲けになるという仕組みです。したがって、ドル円やユーロ円のレートがいくらになっているかは、ニュースで必ず流されます。なぜなら5%の円安が進めば、実質GDPを約0.3%押し上げると言われるくらい日本経済に与える影響は大きいからです。
株式や為替の世界では既に70%近くの取引が、コンピュータを使った自動売買によってなされています。コンピュータの高機能化・低価格化によって膨大な情報を瞬時に判断できるような仕組みが整い、中でもAI(人工知能)技術の発展によって、さまざまなFXデータ予測が試みられるようになりました。
今はどの証券会社や銀行などの為替ディーラーでも、AI(人工知能)を活用したFX自動売買の開発が進んでいます。例えば、世界中の投資のプロが考案した「ストラテジー」と呼ばれる自動売買プログラムを選ぶだけのインヴァスト証券の「シストレ24」や、AI(人工知能)でFX(外国為替取引)の投資アルゴリズムを作成できるサービス「Capitalico」、auと三菱UFJ銀行(MUFG)が提供するAI(人工知能)によるFXレート予測機能を利用することができるスマホアプリの「じぶん銀行」などがあります。
このようなAI(人工知能)をFXに適用したアプリケーションは今後ますます増えていくと予想されます。そこで今回は、AI(人工知能)をFXに適用したアプリケーションがどういうメリットがあるのかを5つの理由をあげて説明していきます。
定期的な学習と最適化
人間は為替レートが将来どうなるかを導き出そうとして、過去の似たような変動チャートと同じ動きになるとして将来の予想を立ててきました。その後、より予測精度をあげようと、補助ツールとして、ローソク足や移動平均線、ボリンジャーバンド、RSIなどの指標を作成しました。例えば、「三角持ち合い」や「三尊天井」「ダブルボトム」などのチャートの形は、どこかで聞いたことがありますよね。
しかし、過去はこうだったというだけなので、実際にどの指標がどうなったら買い時なのかということは誰にも分かりません。例えばチャートを確認する際には、日足や週足といった指標を見ることが多く、為替の教科書にもそのように書いてあるのですが、最近は1時間足や1分足などの短い周期で確認したほうがトレンドが出やすくなっているそうです。トレンドが出るということは、そこがエントリーするポイントになってきますので、それだけ儲けられるチャンスが増えます。
AI(人工知能)はFX取引において、為替レートの変動に対し、過去の情報から各変動の動きに限りなく近い関数を表現します。その関数の時間軸を未来に移すことで、将来の予想値を導き出します。そして、常に予測と現実の値の比較を行うことで、定期的に学習し、予測カーブの修正を行います。最新の予測トレンドで勝負をすることが出来るというわけです。
また、各指標の組み合わせて新しい指標を作り出す事もできます。もしかしたら、人間では気づかなかった隠れた指標が見つかる可能性もありますよね。AI(人工知能)はこのような探索と最適化が得意分野であり、FX向きだとも言えます。
長い時間軸で損を出さないように勝負をすることは人間にも可能かもしれませんが、どちらがより儲けられるかといえば、AI(人工知能)となるでしょう。
為替市場は年中無休
為替は世界中の国の通貨が対象のため、常に、世界のどこかで取引されています。日本が夜でもアメリカは真っ昼間。ということは、平日であれば、24時間いつでもFX取引が可能なんです。厳密には中東では土日も為替市場は開いているのですが、一般人向けではありません。
24時間休みなく開いているのが為替市場であるため、人間が常に為替レートの動きをチェックするのは不可能ですよね。世の中のサラリーマンは、トイレにこもって為替レートをチェックしているなんていう噂がありますが、本業に支障が出るほど集中を欠いてしまっては元も子もありません。
為替ディーラーというと、そんな中でも、ロンドン市場が開く16時(夏時間)やニューヨーク市場が開く22時半(夏時間)がトレンドが出やすい相場だとして、それに対応できるように夜型の生活になっている人が多いようですね。しかも、日本が休日でも欧米では通常通りだったりと、休みも不規則。なんと、為替に影響する重要指標が発表されるからという理由で、ゴールデンウィークもなくなってしまうんです。
AI(人工知能)にFX取引を任せておけば、そんな心配はなくなります。証券会社がリリースしたものや自分で作成したAI(人工知能)を一度設定すれば、年中無休でFX取引を行ってくれますので、たまに設定をいじったり、取引内容を確認するだけでよくなります。非常に便利ですよね。
自動的な利食いと損切り
FXをやっている人が必ず難しいというのが、この利食いと損切りです。特に損切りがきちんと出来ないとロスカットと呼ばれる強制的な約定が行われ、損失が確定してしまいます。株式の場合は下がっても0円の価値になることはまずありませんが、ロスカットになると資金を全部失ってしまうことも。
もしくは、損を抱えたままずっと同じポジションを取ってしまう「塩漬け」という状態になります。こうなると、新たにポジションを持つことは出来ませんので、魅力ある商品に出会っても買うことが出来なくなります。せっかくお金を増やそうと思っているのに、損したまま何も出来ないのはとても辛いことですよね。
初心者がまず覚えないといけないのが、この損切りだと言われます。大きく為替レートが変動したときに、マイホーム資金を全て溶かしてしまったなんていう話も聞いたことがありますよね。人間の心理には、損失につながるとわかっているにも関わらず、それまでに投入した時間や費用を惜しみ、やめることが出来ない「コンコルド効果」というものがあります。損切りは痛みを伴うため、人間には難しい行為なんです。
また、利食いは、どこで利益を確定させるかということですが、この利食いの幅が小さいとなかなか勝てません。なぜなら、たとえ勝率が5割であったとしても、証券会社の取り分である手数料分だけは必ず負けてしまうからです。
根拠の伴わない思い込みや希望的観測にとらわれがちなのが人間です。感情に流されてしまうと、判断基準を誤ったり、自分で決めた取引ルールを簡単に変更してしまいます。FX取引を行っている方なら「これだけ下がったから、もうこれ以上下がらずに上がっていくから、今が買い時だ」という感覚を持ったこと、ありますよね。このように一回正常な判断ができなくなると、ロスカットまで一直線。
AI(人工知能)は、予めプログラムしておいたとおりにFX売買を行うため、感情や思い込みといったものを一切排除することが出来ます。自分は意思が弱いという方は、AI(人工知能)を使って機械的にFX取引するほうが収益を上げられるのではないでしょうか。
確認可能なデータ数
日本人にとっては、ドル円やユーロ円などがメジャーな通貨ペアですよね。一方で、世界で一番取引量が大きいのが、ユーロドルの通貨ペアであり、このユーロドルの通貨の動きがドル円やユーロ円に大きな影響を与えます。例えば、ユーロドルが下がるとユーロ円も同様に下がるといった具合です。
相互に影響を与える通貨ペアは数多く存在し、他にもユーロポンドやオージー(オーストラリアドル)ドル、ドルスイスなどがあります。
いずれかの通貨ペアレートの変動が別の通貨ペアレートに影響を与えるわけですから、戦略としては、常にトレンドをチェックしておき、変化があれば、それに合わせて取引を行うことが必要ですよね。また、株式や原油価格などの商品価格も為替に変動を与えます。
より多くの情報を人間の目で確認するのは難しいもの。例えば、為替ディーラーの部屋というと、何台ものパソコン用ディスプレイがズラーッと並んでいる姿を思い浮かべたりしますよね。それでも、せいぜい見ることが出来るのは8画面程度でしょう。
AI(人工知能)は、FXにおける多種多様なデータを瞬間瞬間で解析し、少しでも変動があれば、即座にFX取引を成立させます。人の目のように画面の切り替えも必要ありませんし、見逃しもありません。もしかしたら、数秒程度の差しかないかもしれませんが、その差が積もり積もると大きな差になることは想像できますよね。
超高速取引(HFT)
超高速取引とは、スーパーコンピュータを使って「1000分の1秒」という速さで取引繰り返しい行う手法です。日本においては平成30年4月1日に市場が不安定になった場合などに、迅速に対応できるよう超高速取引を行う取り引きを行う事業者を登録制にしました。
1000分の1秒という速さは人間が可能な取引スピードを遥かに超えています。レートを確認してから、取引を行っていたのでは機械には勝てませんよね。取引スピードの速さは、それだけチャンスも増えるということですから、武器になります。
ここでも、AI(人工知能)の方が人間より優れているポイントとなるでしょう。
以上「AI搭載のFXトレードソフトvs人間 AIが勝つ5つの理由」をお伝えいたしました。
- 定期的な学習と最適化
- 為替市場は年中無休
- 自動的な利食いと損切り
- 確認可能なデータ数
- 超高速取引(HFT)
と、AI(人工知能)がFX取引を行うことは、このようにメリットが多いため、一般的になりつつあることがわかりましたよね。そのため、為替ディーラーも重要な局面以外は、自作のAI(人工知能)に任せるということが主流になってきているようです。
現在は個人でも簡単に自分専用のトレードソフトを作ることが出来ますし、証券会社でも数百や数千のプログラムから、好きなAI(人工知能)を自由に選ぶことが当たり前になってきました。
そうなると、将来はAI(人工知能)同士がFXの世界で戦い、現在の為替ディーラーのように、大勝したり大負けしたりするような世の中になるかもしれませんね。
参照元
人工知能(AI)と為替(FX)|AI搭載型自動売買[Halu]
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