気をつけないと一文無しに…!AIで投資判断するときの注意点3つ | AIZINE(エーアイジン)
AI(人工知能)とファイナンス

気をつけないと一文無しに…!AIで投資判断するときの注意点3つ

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「老後資金には2,000万円が必要」という金融庁の報告が世間を騒然とさせたことは皆さんも記憶に新しいですよね。いわゆる「2,000万円問題」。この問題をどう捉えるかは人それぞれでしょう。

「今の生活に精一杯で老後のことなんて」という人もいれば、老後のためにできることを今からやっておこうという人もいるのではないでしょうか。そんな人の中には投資など資産運用を考えていたり、すでに行っているという人も多いはずです。

「2,000万円問題」をきっかけに投資の機運が高まってる今、投資の世界にもAI(人工知能)の技術が生かされようとしています。現在の株式市場では、人間が行う取引は全体のわずか1割程度に過ぎません。

現在の主流はクオンツ・ファンドと呼ばれる高速自動取引。そして、将来的にはAI(人工知能)が取引を行う「マシーン投資」の世界が待っているのだとか。

そこで今回は、株式市場を根底から揺るがそうとするビッグウェーブ、AI(人工知能)による投資信託とは何か?そして、AI(人工知能)で投資判断するときの注意点3つについてお伝えしましょう。

株式市場震撼!?AI(人工知能)による投資信託のここがスゴイ!

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AI(人工知能)が株式投資の世界に進出するようになりその存在感を増しているのが「クオンツ・ファンド」と呼ばれる高速自動取引です。では一体の「クオンツ・ファンド」とは、いったい何者なんでしょう。そしてどんなところがスゴイのでしょうか。

株式投資において「クオンツ・ファンド」は、AI(人工知能)の技術を活用し、ビッグデータを高速分析し、機械的に高速な取引を行っています。世界中から収集された大量なデータをAI(人工知能)が超高速に分析、処理、その結果を瞬時に判断して取引を行い、そのスピードは1,000分の1秒レベルとも言われているのです。これでは到底人間が叶う相手ではありませんよね。

チャートのパターンなどをもとに値動きを予測して値幅を取っていく短期的な投資では、もう人間はAI(人工知能)には太刀打ちできないといっても過言ではないでしょう。

日本の場合、投資対象となる株式上場企業は3,500社以上(日本取引所グループ上場企業数)にも上ります。これらの企業すべてについて決算資料や有価証券報告書などの各種データを人間の手でチェックしようとすると、とてつもない時間とコスト、そして何より労力がかかってしまいます。

AI(人工知能)による投資信託では、大量の文書情報の中から必要なファクターを上手に取捨選択できる「テキストマイニング」という技術を活用することにより、投資指標や企業業績などの数字だけでなく、ニュース記事や、前述したような各種資料を瞬時に分析し、投資の判断材料とすることができるのです。

さらに、AI(人工知能)による投資信託のメリットはこれだけはありません。

AI(人工知能)の核となる技術のひとつであるディープラーニング(深層学習)を活用することにより、さらに精緻な分析を自ら行うことができるのです。

実際の相場と、過去のデータの間に乖離が生じた場合にその原因を分析、結果をフィードバックし、自ら分析方法を改善しながら予測精度の向上を行っていくというのですから驚きですよね。

投資判断はAI(人工知能)におまかせ!…でホントに大丈夫?

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こんな話を聞いてしまうと、投資信託の判断はすべてAI(人工知能)に任せてしまうのが一番だ、と考えてしまうのも無理はありませんよね。ですが、世の中おいしい話はあるかもしれませんが、ここまでおいしすぎる話はそうあるものではありません。AI(人工知能)による投資信託にはデメリットもいくつか存在するのです。

そんなデメリットを知らずに、AI(人工知能)による投資判断をしてしまうと思わぬ損害を被ることにもなりかねません。そうならないためにも、デメリットについてもしっかり押さえておくことが重要です。

AI(人工知能)の判断、あなたには理解できますか

AI(人工知能)が投資判断する場合のデメリットのひとつとして、AI(人工知能)が、人間が到底把握できないような膨大な情報の中から、いったいどのようなロジックと基準で判断を導き出したのか、その根拠が私たち人間には理解しがたいという点があります。

大切な資金を預けているわけですから、判断に至るまでの中身がブラックボックスというのは何とも心細いものですよね。そうなんです、判断の根拠や運用の内容が具体的に把握できないというところがAI(人工知能)による投資信託のデメリットのひとつなのです。

「前例なき状況」に、果たして順応力はあるのか?AI(人工知能)投資信託

前述のように、AI(人工知能)による投資信託の判断材料の基礎となるものの多くは、これまでに蓄積されてきた膨大な量の過去データや、企業から発表される各種のレポートや報告書等です。

株式市場には、株価の急落など往々にして突発的な異変が起きるもの。2008年には大手投資会社リーマン・ブラザーズが経営破綻したことに端を発した世界的な経済危機、いわゆる「リーマン・ショック」が発生し世界中の市場が大混乱、株価が急落しました。

このように、前例を見ない突発的な株式市場の変化にあっては、AI(人工知能)は判断を誤りやすくなるのではないかと考えられているのです。

また、株価の急落など突発的な事象に対して、AI(人工知能)のアルゴリズムが連鎖反応してしまうことにより株価を瞬時に急落させてしまう「フラッシュクラッシュ」の原因を生み出しているともいわれています。

ボラティリティの高い銘柄には要注意!?苦戦するAI(人工知能)投資信託

金融・証券の専門用語に「ボラティリティ」という言葉があります。

このボラティリティとは、株式銘柄の価格変動の大きさを表す指標のことで、変動率ともいえるでしょう。価格の変動幅が大きい、安定しない銘柄はボラティリティが高く、変動幅が小さい安定した銘柄はボラティリティが低いということになります。

ボラティリティが低い相場、すなわち前例との大きな乖離がないパターン通りの相場ではAI(人工知能)による投資判断は圧倒的な強さを誇りますが、近年のボラティリティが高い相場では、市場が想定外の動きをすることも珍しくはなく、AI(人工知能)が苦戦しているといったケースもみられるようです。

このことも気をつける点の一つでしょう。

 

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今回は、AI(人工知能)で投資判断をする際に注意すべきことについてお伝えしてきました。

AI(人工知能)とはいえ完全無欠な存在ではありません。ですから、AI(人工知能)で投資判断を行ったからと言って必ずしも目まぐるしい成果が出るとは限りません。

ですから、そのAI(人工知能)の過去の運用実績などを見ながら、実際の投資で成果が出せているかどうかを確認することが重要ではないでしょうか。確認する際は、投資対象となるジャンル(日本株、中小型株など)の投資指標や同じジャンルを対象とするほかの投資信託と相対的に比較・評価するとよいでしょう。

将来の資産形成のための投資ですが、元手となるのは自分たちがこれまで一生懸命蓄えてきた大切なお金です。これから訪れるAI(人工知能)が投資判断を行う時代。大事な資産運用のパートナーとなるのはAI(人工知能)たちです。ぜひ、彼らのメリットからデメリットまでを十二分に理解したうえで、AI(人工知能)投資信託にチャレンジしてみてください。

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