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AIがお受験!東ロボくんの実力は難関私大をもはや攻略か!?

勉強しているイメージ

チェスや将棋でAI(人工知能)が「プロに勝った!」「世界チャンピオンに勝った!」など何かとボードゲームなどで話題ですよね。

それもそのはず、チェスの世界では1997年に、将棋の世界では電王戦で名人クラスが2017年に勝利して、AI(人工知能)の実力見せつけています。

そして我々の普段の生活にもルンバやGoogleの検索エンジンと知らぬうちにAI(人工知能)は身近になってます。こう身近になると色々試したくなるのが人の性。。。

AI(人工知能)をチェスに挑戦させたように、AI(人工知能)を将棋に挑戦させたように、今度は意外なものにAI(人工知能)を挑戦させようとしています。

それはAI(人工知能)によるお受験

そう日本の最高学府「東京大学」にAI(人工知能)でお受験に挑戦させようという試みです。その名も「東ロボくん」。この試み、すごく興味でますよね!

ですので今日はAI(人工知能)プロジェクト「東ロボくん」の東大受験→合格への道についてお伝えします。

東ロボくんとは

東ロボくんとはイメージ

東ロボ君とは、国立情報学研究所(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構)が中心となり、「ロボットは東大に入れるか」と言うちょっと愉快な好奇心で2011年から行われたプロジェクトです。

その目標は、ズバリ!AI(人工知能)が受験し、東大に入れるかと言う事なんですが、実は目標に期限があり、2016年までに大学入試センター試験で高得点を獲得し、2021年には東京大学に入学レベルまでその性能を押し上げるのと言うものです。なんかわくわくする試みですよね!

しかししかし東ロボくんには、悲しい未来が待ってたんです。そう、AI(人工知能)による東京大学お受験→合格を断念したんです。

AI(人工知能)東ロボくん、東大お受験→合格を断念

実の所、東ロボくんは2015年6月の英国数理(物理)社(世界史)5教科でいずれも平均点を上回り、総合偏差値57.1をを叩き出しているんです。この偏差値がどれくらいかと言いますと、MARCH、関関同立や複数の国公立大学に合格する実力なんです。目標からするとまだまだですけど、悪くないですよね。しかし東大2次試験の足切り点には届かなかったのです。

そう、東ロボくんには致命的な欠陥があったんです、それは読解力。。。

東ロボくんは、ビッグデータとディープラーニングを利用した統計学習という方法で成長させていたのですが、今現在のAI(人工知能)理論ではこれ以上の受験で成績向上は不可能、今後劇的なAI(人工知能)の進化がない限り東大合格は無理と判断され、このプロジェクトは凍結させられる事となったのです。

それでは東ロボくんプロジェクトが凍結なった事情を見ていきましょう。

東ロボくん東大断念の理由

東ロボくん東大断念の理由イメージ

AI(人工知能)で東大受験という壮大なプロジェクト「東ロボくん」。そのプロジェクト断念の理由は大枠で言うと上記でしたが、具体的には至極当然の理由でした。

例えば、人間なら100文読めばわかる英単語の問題を、もし東ロボくんに解かせよう思えば、なんと19億文の量を覚えさせなければならず、しかもそれでも正解率は9割程度・・・。

そう、簡単に言うと、めっちゃ効率悪かったんです。

もう少し言いますと、「分かっている様に振る舞う」事しかできなく、人間にとって英単語は意味を持つ「言葉」ですが、東ロボくんにとって英単語はただの「記号の羅列」のしかすぎず、意味が分からないものということです。

つまるところ、この「効率の悪さ」がプロジェクトは壮大な失敗の原因となってしまったのです。

また、東ロボくんのプロジェクトリーダーの新井紀子氏は、この「読解力のなさ」「効率の悪さ」について面白い見解を述べてますので、次の項でお伝えします。

東ロボくん開発者の語る危機感

東ロボくん開発者の語る危機感イメージ

東ロボくんのプロジェクトリーダーの新井紀子氏は、このプロジェクトの結果をどう受けとめたのでしょうか。気になりますよね。

それは「危機感」です。

そしてその「危機感」とは東ロボくんの「読解力がない」というプロジェクト結果に向けたものではなく、一般の高校生の「読解力」に対してでした。

どういう事かと言いますと、上記の通り、東ロボくんは2015年時点で総合偏差値57.1と結果を出しました。これは、高校生の8割が東ロボくん以下の成績だったと言う事です。

つまり、東ロボくんプロジェクトの最大の失敗点である「読解力のなさ」より、約8割の高校生は「読解力がなかった」のです。

この点に新井氏は危機感を持ちました。

AI(人工知能)は、記憶力や認識力で人間を超える始めています。しかし約8割の高校生はAI(人工知能)がまだ苦手としている「読解力」の面で、負けている事になり、これはAI(人工知能)に勝つとか負けるとかではなく、「教育の問題」だと新井氏は指摘しています。

分かりやすく言うと、これからのAI(人工知能)が広まっていく社会では、AI(人工知能)の様に、データから答えを見つける暗記型の教育よりも、自分で考え答えを理解する教育が必要だと言えます。

すごく考えさせられる事例ですよね。

 AIがお受験!東ロボくんの実力は難関私大をもはや攻略か!?まとめイメージ

さて、今日はAI(人工知能)プロジェクト「東ロボくん」の東大受験→合格への道についてお伝えしました。

上記の様に「東ロボくん」は失敗に終わってしまいましたが、この東ロボくんプロジェクトは本当の意味での失敗だったんでしょうか?それは違うと思います。

なぜなら、東ロボくんプロジェクトの目標は東大に受験→合格するAI(人工知能)の開発でしたが、現時点での技術ではブレイクスルーがない限り、東ロボくんが東大に合格できないとわかった事。これも見方を変えると一つの答え(成功)ですよね。

また、「東ロボくん」のプロジェクトには、5教科8科目の試験問題の各問で正解の答案を書くため、多数の開発者たちがいました。

確かに「東ロボくん」の東大合格は、プロジェクトとしては失敗に終わりましたが、このプロジェクトに参加した開発者たちは、その後も「東ロボくん」で得た結果を持って、さらなる開発を個々に継続しており、その成果は別のAI(人工知能)の開発、また教育政策にも形となってあらわれています

失敗は成功のもと」と言いますが、このストーリーはまさにその通り!いつの日かAI(人工知能)が東大どころか、世界最高学府ハーバード大学合格って日が来るかも知れませんね!

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