昨今、AI(人工知能)は様々な分野で応用され、我々の生活だけでなくビジネスの世界でも存在感を増しています。今後も更にAI(人工知能)への需要が高まることが予想されるため、AI(人工知能)サービスを世の中に生み出すエンジニアの需要も増すでしょう。
これまで、AI(人工知能)以外の分野で働いてきたソフトエンジニアはもちろん、商品企画や事業戦略など事務系職種の方も、これからは、AI(人工知能)の知識が必要な時代です。とはいえ、急にAI(人工知能)の知識を獲得するのは難しいですよね。
そこで今回は、AI(人工知能)を効率的に学びたいと思っている方にちょうど良い、AI(人工知能)関連の資格検定についてお話しします。これらの資格検定には参考書もあるため、検定合格を目標に勉強を行うことで、AI(人工知能)の知識を効率的かつ体系的に学ぶことができるでしょう。
以下では、どのような種類の検定資格があるのか、それぞれどのような検定なのか、またこれらの検定を攻略するための方法についてお伝えしていきます。
ディープラーニングを事業に活かすための知識を得られるG検定
まず最初にAI(人工知能)エンジニア向けの検定をお話ししましょう。
G検定はジェネラリスト検定とも呼ばれ、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する検定試験。
試験は120分で、多肢選択式の問題で構成。
しかしこの検定はオンライン試験のため、どこかの場所に出向いて試験を受ける必要はありません。
受験資格に制限はなく、試験は毎年3回で3月、6月、11月に実施されます。受験料は12,960円と、一般的な資格試験と比較すると若干高いため、力試しに複数回受けるというより、しっかりと勉強をしてから受けましょう。
ディープラーニングを実装する知識を得られるE検定
次にご紹介する検定はE検定。E検定はエンジニア検定と呼ばれ、G検定と同様一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する検定試験です。
E検定には受験資格があり、JDLA(日本ディープラーニング協会)の認定プログラムを受講、修了していることが条件となりますので、当然ですが、G検定よりも難易度は高いでしょう。E検定を受験するまでの準備もそれなりに必要です。
試験はG検定がオンライン受講なのに対し、E検定は会場で試験を受けます。
試験科目は2種類で、多肢選択式の知識問題とプログラミングの実技試験で構成されます。プログラミングの実装試験では、フレームワークやライブラリに依存しない問題が出題。
そして受講料はG検定よりも更に高く、32,400円と高額なため、周到に準備して1発合格を目指したい資格ですよね。
ちなみに、E検定の資格条件であるJDLA認定プログラムについては、以下のサイトに具体的なプログラムが紹介されています。
こちらは「現場で使えるディープラーニング基礎講座」「現場で潰しが効くディープラーニング講座」など計7つのプログラムあり、それぞれオンライン形式のものと座学形式のものに分かれていますので、気になるプログラムを見つけて受講しましょう。
Pythonによるデータ分析を行う知識を得られるPython3エンジニア認定データ分析試験
ところで、AI(人工知能)を実装する場合によく使う言語はPythonですよね。
Python3エンジニア認定データ分析試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施計画中の検定試験です。第一回目の試験は2019年夏に予定されています。
受験料は1万円で、問題数は40問。この試験の試験場所は全国のオデッセイコミュニケーションズCBTセンターです。
こちらの試験は新しいため難易度は不明ですが、合格ラインは正答率70%以上となっていますので、教科書を読みながら事前に試験対策をしておきましょう。
データ分析の基礎知識からPythonでプログラミングを行うための実行環境についてや、線形代数・基礎解析・確率などの統計解析に関する知識、機械学習用のデータ収集・加工に関して、など、Pythonでデータ分析を行うための幅広い知識が問われます。
AI(人工知能)の代表的な応用例である画像認識に関する知識を得られる画像処理エンジニア検定
次にご紹介する検定は、 AI(人工知能)エンジニア向けでも画像処理に特化した検定、画像処理エンジニア検定。
画像処理エンジニア検定の試験は難易度で2種類に分かれており、初級向けがベーシック検定、中~上級向けがエキスパート検定。
画像処理エンジニア検定の開催時期は、毎年2回7月と11月に実施され、検定料金は、ベーシック検定が5,500円、エキスパート検定が6,600円と他の検定に比べると安い検定でしょう。
まずは力試しと試験の雰囲気に慣れるために受けるにはお奨めの検定でしょう。
AI(人工知能)検定の合格には欠かせない攻略本
以上、ここまではAI(人工知能)関連の検定試験として4種類の検定を説明してきましたが、今回ご紹介した検定の中でも最も網羅的な内容が含まれているG検定について、攻略するための参考書を紹介しましょう。
AI(人工知能)関連の書籍は様々ありますが、この公式テキストがやはり最も体系的かつ網羅的に解説がなされているため、検定を受ける前にまずはこのテキストにチャレンジしてみましょう。
しかし、公式テキストだけでG検定を攻略できれば良いのですが、過去の検定経験談など見てみると実際には難しいようです。
知識をアウトプットするためには、実際の問題を解くことで、学んだ内容が本当に理解できているのかを試す必要があります。
この参考書はG検定の想定問題集であり、試験で出てくる形式で問題が構成されて、かつ内容も本試験と類似する問題も多いため、公式テキストで身につけた知識の理解度を確認するのに役立つ問題集といえるでしょう。
その他、時間に余裕がある方は、知識の幅を広げる意味でAI(人工知能)分野の権威である東大松尾准教授の「人工知能は人間を超えるのか ディープラーニングの先にあるもの」や、日本ディープラーニング協会が監修する「ディープラーニング活用の教科書」などにも目を通しておくと、さらに知識の厚みが増し、G検定合格の確率が更に高まるでしょう。
人工知能は人間を超えるのか ディープラーニングの先にあるもの
今回は、AI(人工知能)に関連した検定として以下の4種類を紹介してきました。
- G検定
- E検定
- Python3エンジニア検定データ分析試験
- 画像処理エンジニア検定
それぞれの検定の内容を見てみると、AI(人工知能)に伴う知識として、コンピュータ環境、プログラミング言語、行列演算、統計確率、機械学習など、様々な分野が問われることが分かりましたよね。これからこれらの検定を受けてみようと考えている方は、費用的にも高い検定もありますので、しっかりと準備してから検定に臨む必要があります。
そして、検定の攻略本として、今回は特にG検定について攻略するためにおすすめの参考書を紹介しました。検定を受けるには幅広い知識と深い理解が必要になるため、知識のインプットだけでなく学習内容の理解を確認するためにも問題集とセットで勉強することが、検定合格への近道でしょう。
今後、AIエンジニアとしてAI(人工知能)関連のお仕事を考えられている方や、すでにAIエンジニアとして活躍している方も、これを参考に是非、何か1つでも検定にチャレンジしてみましょう。
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