学校ってつまらない、と感じる人は結構多いですよね。私が学生の頃の授業は、教師が講義をしながら黒板に板書し、それをノートに書きつけるという方法でした。その頃よりもテクノロジーは進化しているのに、学校の教育現場はあいかわらず、教師が教壇に立ち一クラス全員に同じ話を聞かせます。その授業についていけない子、すでに理解をしているからつまらなく感じている子がいるにも関わらず。
うーん…。特に、ついていけない子が置き去りなのが良くないですよね。
しかし、AI(人工知能)の発達により、教育現場にも新しい波がやってきました。人手不足に悩む教育現場において、AI(人工知能)を導入することで大きなメリットを得られるためです。
そこでこの記事では、AI(人工知能)と教育がコラボすることにより、どんなことが起こっているのかをお伝えします。
まずは、AI(人工知能)が教育に与えた影響について見てみましょう。
AI(人工知能)が教育に与えた影響とは
以前の教育現場では、全員が同じ授業を受け、同じ練習問題を解き、同じ宿題を与えらえていました。このような画一的な教育方法では、授業についていけない生徒は落ちこぼれ、すでに理解をしている生徒には物足りなく感じてしまいますよね。これはレベルごとにクラスを分けても、複数生徒に対して同時授業をおこなう以上、必ず起こりうる問題です。
この問題を解決するには個別指導しかありませんが、それにはコストがかかってしまいます。また、先生が一人ひとりのつまずきポイントがどこにあるのかを探るのは、かなりの時間を要してしまうもの。しかし、AI(人工知能)なら、生徒の修練度を分析し、どのような内容の学習に重点を置いたらいいのかを示してくれます。
これなら、誰もが自分のペースで学習を進められますよね。今までは生徒自身や教師が決めていた「学習内容の時間配分」を、AI(人工知能)が一人ひとりの理解度や得手不得手に合わせて、オーダーメイドのカリキュラムを作ってくれるのです。
AI(人工知能)による分析だから、先生の主観が入らないのもいいかも!
次に、実際に教育現場にAI(人工知能)を導入した事例をご紹介します。
実際に教育現場にAI(人工知能)を導入した事例
実際にどのようなAI(人工知能)が教育現場に導入されているのか気になりますよね。ここでは学校や塾ですでに取り入れられている事例をご紹介します。
トレパ
英語の4技能(聞く・読む・話す・書く)のうち、「話す」のチェックはなかなか難しいもの。講師が、生徒一人ひとりの発音を聞いて、それぞれに指導をする必要があるからです。
語学学校や高校の教育に取り入れられているこちらのトレパは、発音が合っているかというスピーキング技能のチェックを、AI(人工知能)がおこなってくれます。
AI(人工知能)に話しかけることで、ネイティブっぽく話すことへの抵抗、照れも解消されそう!
もちろん、ライティングにおいての誤字や文法ミスなどのチェック、リスニング能力などもトレパがやってくれます。
atama+(アタマプラス)
すでに、多くの塾や予備校で取り入れられている「atama+」。こちらはタブレット型の教材で、生徒ごとの学習状況や得意、苦手をAI(人工知能)が把握し、その生徒専用のカリキュラムを提供してくれます。生徒の集中度までチェックしているというから驚きです。
このシステムが素晴らしいのは、学習をタブレットに任せきりにするのではなく、あくまで「教材」の一つという位置づけであることです。AI(人工知能)が把握した生徒の集中度や学習の進捗状況は教師に伝えられ、それを元に教師は教育指導をおこないます。教師がきちんと見ていてくれることで生徒のやる気もアップし、さらなる学習効率アップへとつながります。
次に、AI(人工知能)を教育現場に導入するメリットをお伝えします。
AI(人工知能)を教育現場に導入するメリット
AI(人工知能)を教育現場に導入するとどのようなメリットが考えられるのか、大きく3つに分けてお伝えします。
生徒の学習効率が上がる
子どもたちの理解度や集中力は、人によってかなり違うもの。AI(人工知能)が生徒の学習理解度や、得意不得意などを見極めることで、その生徒独自のカリキュラムを作ることができます。こういったことは今までも個別指導の塾などではおこなわれていましたが、学校ではなかなか難しいことでした。
しかし学校でもAI(人工知能)を取り入れれば、苦手な単元は少し戻りながらゆっくりと、得意な単元はどんどん先へ進んでより高度な練習問題を解くなど、生徒一人ひとりの能力によってペースを変えることで、学習効率がぐんと上がるでしょう。
教師の時間的負担が減る
学校の先生は、授業の他にもテストの採点や事務作業、職員会議など、さまざまな仕事を抱えています。もっと生徒に寄り添い、思春期の心のケアに努めたいと思っても、時間がなければなしえませんよね。
先生の時間を奪っている作業のうち、採点作業をAI(人工知能)に任せられます。
自動採点はAI(人工知能)の文字認識向上もあり、数学や英文では実用の域に入っており、手書き答案を採点してくれるオンラインサービスもでてきています。教師は採点作業から解放され、生徒との触れ合いに時間を割くことができるようになるでしょう。
教育のコストが下がる
採点作業や、個別指導のような個別カリキュラム作りをAI(人工知能)がやってくれるとすると、教育コストが減りますよね。そうすることで、塾や予備校の授業料が下がれば、誰でも学びの場を得ることができます。
次に、AI(人工知能)を教育現場に導入するデメリットをお伝えします。
AI(人工知能)を教育現場に導入するデメリット
AI(人工知能)を教育に取り入れるというと、教師のいない教室で、生徒が黙々とタブレット端末を見つめることを想像してしまいますが、あくまでAI(人工知能)教育は、ツールのうちの一つです。そこを生徒も教師も理解した上で導入しないと、AI(人工知能)による教育は失敗に終わってしまうかもしれません。
また、教師は今までの授業のやり方ではなく、AI(人工知能)に任せるべきことは任せて、自分はAI(人工知能)ができないことに、限られたリソースを割くべきですよね。そのため教師は、AI(人工知能)のことをきちんと勉強し、授業のやり方を変えていかなくてはならなくなります。
次に、AI(人工知能)がさらに進化したら、教育現場は今後どうなるのかをご紹介します。
AI(人工知能)がさらに進化したら、今後の教育現場はどうなるのか
まず生徒全員の学習深度が客観的に見られることにより、教師は一人ひとりの生徒への声掛けを的確なものにできるでしょう。
教師は採点作業やカリキュラム作成から解放され、その時間を生徒とのコミュニケーションに割くことができます。生徒同士の人間関係や交友関係を把握し、トラブルの種となりそうなものを事前につぶしておけるでしょう。また、生徒の悩みなどに寄り添い、心のケアに努められます。
また教室をカメラでモニタリングして生徒の集中度や居眠り状態を把握、その場の状況によりリアルタイムで授業方法を変更し、限られた授業時間を無駄にすることなく講義をおこなえます。このモニタリングは、今まで生徒にヒアリングするしかなかった「授業満足度」をより客観的にしめすこともできるでしょう。
私が学生の頃にAI(人工知能)の教育があれば、もっと効率よく勉強できたかも!
さて、AI(人工知能)と教育のコラボについてお伝えしました。どんなことがあったのか、ざっとおさらいしてみましょう。
つまりAI(人工知能)が教育に取り入れられることで学びの生産性があがり、生徒自身も得意を伸ばして、個性が求められる未来にマッチした人材育成ができるかもしれません。これからも、AI(人工知能)が教育に取り入れられるのを楽しみにしましょう!