時間がない時の服選びは面倒、そもそもコーディネートは苦手……そんな時、AI(人工知能)がコーディネートしてくれたら便利ですよね。
ステキに思えた服を買ってきたのはいいけれど、いざ試してみるとこれが似合わないし、そもそもどんな服が自分に似合うのかわからない……。ファッション雑誌を読んだり、友達とファッションについて情報を交換しあったりするのは大好きだけど、自分のファッションセンスに自信があるかと言われたら、なかなか首を縦に振れないという方も多いかもしれません。
この服は自分に合っているのか、服にピッタリとマッチする小物やアクセはどういうものを選べばいいのか……ファッションのコーディネートはとても難しいですよね。友達に聞いてもあまりアテにならないし、ショップの店員に聞いてもいいけど商品をしつこく勧められるのも嫌ですし。
ところが最近はAI(人工知能)が自分に似合う服やコーディネートを教えてくれるシステムができており、女性の間ではこれを活用している人も多いみたいです。
今回はAI(人工知能)によるコーディネートとはどんなものなのか、詳しく紹介していきましょう。ファッションに無頓着な方や男性の方も必見です。
スタイリスト「Riko」とショップ店員「Mika」
AI(人工知能)を使ったコーディネートについては、すでにLINE上でアプリとしてリリースされています。
ひとつは「Riko」というアプリで、これは服の着こなしを提案してくれるというもの。LINEで気になった服やすでに購入した服の画像を送ると、瞬時に「ベルトを着けてウェストをコーディネートのポイントにするのがおすすめ」といったような着こなし方を表示してくれるのです。それも複数提案してくれますから、その中から気に入ったものを選ぶという楽しみもありますよね。
もうひとつは「Mika」というアプリで、服に合ったコーディネートを提案してくれるもの。「Riko」と同じようにLINEで服の画像を送ると、その服に合ったボトムズや靴、帽子などのアイテムを紹介してくれます。さらに気に入ったアイテムをすぐに購入することもできるのです。
ファッションセンスに自信がなくてもステキなコーディネートができそうですし、人に聞くよりも手軽にコーディネートを楽しめる便利なアプリですよね。
ファッションもAIが活躍する時代
このような便利なアプリは、AI(人工知能)の技術が大きく関係しています。
ファッションセンスなんて人それぞれですし、服ひとつをとってみても似合う人と似合わない人がいるでしょう。それに感性やセンス、雰囲気といったものまでAI(人工知能)が対処しきれるのか疑問に思ってしまいますよね。さらにファッションには流行がつきものですし、流行のサイクルは非常に早いですから、AI(人工知能)が流行についていけるのかどうかというのも不安な要素です。
このような不安を解決することによって「Riko」や「Mika」といったAI(人工知能)がコーディネートしてくれるアプリが誕生しました。ではファッション分野でAI(人工知能)に求められる機能とはどんなものなのでしょうか。
ファッション分野でAIが求められる機能とは
ファッションの分野でAI(人工知能)に求められる機能として
- 学習機能:ファッションセンスの判断基準を構築する。
- リコメンド機能:判断基準をもとに、客観的なアドバイスをしてくれる。
- ボット機能:人と話すことなく、必要なアドバイスをしてくれる。
といったことがあげられます。
「学習機能」はAI(人工知能)の得意とする分野でしょう。大量の画像を蓄積することで、人間に近いファッションセンスの判断基準を徐々に構築していくことができますし、またデータをSNSというリアルタイムの媒体から取っていくことで、どんなファッションが流行しているのかを分析することもできますよね。
「リコメンド機能」とは過去の履歴をもとに、ユーザーの興味関心に関連する商品を提案する機能。ショッピングサイトを見ている時にオススメ商品を提案してくるのと同じように、その人にあった服や着こなし方、また服にあったアイテムを教えてくれるようになるというわけです。
「ボット機能」とは人間を介することなく、AI(人工知能)が自動でサービスを提供してくれる機能のことで、AI(人工知能)に対して「服に合ったアイテムを知りたい」と質問すれば、AI(人工知能)が自動でコーティネートして、服に合った靴やボトムズを提案してくれます。人間に対しては聞きにくいことでもAI(人工知能)なら聞きやすいですし、ショップの店員と違って商品を執拗に勧められるなんてこともありません。
これらの機能を融合させて、ファッションAIが作られるのです。
すでに活躍しているファッションAIを紹介
「Riko」や「Mika」を配信しているのがニューロープ社。ニューロープ社は「カブキスキャナー」というAI(人工知能)を用いた画像解析機能を使って、AI(人工知能)によるコーディネートを提案しているのです。カブキスキャナーはリリース当初の時点で10万枚の画像をAI(人工知能)に学習させ、その後もさらに多くの画像を読み込ませて精度を上げています。
さらにカブキスキャナーはSNSの画像をそのまま解析して、次の流行を予測する試みも行っているとのこと。またファッションアイテムだけでなく、ファッションに合ったコスメやヘアスタイルを提案するという方向性も模索しているようです。
新たに服を購入しようというのではなく、すでに持っている服の中からコーディネートを提案してくれるのが「XZ(クローゼット)」というアプリ。最近もアップデートが行われており、気象庁の天気予報をもとにAI(人工知能)が天気や気温に合ったコーディネートを提案する機能が追加されました。これなら時間がない時の服選びもスムーズに行うことができますよね。
またアパレルの店舗にファッションAIを導入する動きもみられています。中国のIT企業アリババとイギリスの紡績学会が提案した店舗では、AI(人工知能)を活用して店内の鏡(スマートミラー)に客が好むと思われる商品を表示し、鏡をクリックすることでスタッフがその商品を持ってきてくれるというシステムを提示していました。
もちろん服に合わせた小物などもAI(人工知能)がコーディネートしてくれますから、膨大な数の商品を前に結局何も買えなかった……なんてこともなくなりそう。もしその場で買えなかったとしても商品情報はオンライン上で管理され、値下げ情報や関連商品の紹介などを提供してくれます。
ファッションAIの未来
すでにAI(人工知能)が大活躍を見せているファッション業界ですが、AI(人工知能)がさらに進化することでどのような未来になっていくのでしょうか。
- ファッションの判断基準が人間に近づき、人間よりもファッションセンスが優れるようになる。
- SNSのデータを蓄積することで、流行を予測することができる。
- AI(人工知能)が新たなファッションブランドを提示。
大量の画像データを蓄積し、解析することでファッションの判断基準がどんどん人間に近づいていくことになります。いずれはデザイナーやファッションリーダーと呼ばれる人たちにも匹敵するファッションセンスを得ることができるようになるかもしれません。
また大量のデータから傾向を読み取って、次の方向性を示すことはAI(人工知能)の得意とするところ。ファッションにおいてもSNSから最新の画像データを取り込むことで、次の流行を予測することができるという可能性もあります。
さらに獲得したファッションセンスや流行の予測をもとに、AI(人工知能)自身が新しいファッションブランドを作ってしまうなんてこともあるかも。服のデザインから製作まで一手に引き受けることができるようになるわけですから、せっかく流行を予測しても服の製作に時間がかかって流行を逃してしまった……なんてこともなくなりますよね。
以上のように、ファッション業界においてAI(人工知能)が果たす役割は非常に大きいものになっています。
- すでに服やアイテムをAI(人工知能)がコーディネートしてくれるアプリがある。
- 感性が必要とされるファッション業界でも、AI(人工知能)が大きな役割を持つ。
- ファッション業界でAI(人工知能)に求められるのは「機械学習」「リコメンド機能」「ボット機能」。
- 個人に対してAI(人工知能)がコーディネートを提供してくれるものから、店舗運営の役に立つものまでAI(人工知能)が役立てられる。
- 将来的にはAI(人工知能)が流行を予測したり、新しいブランドを作ったりすることができるかもしれない。
感性や流行などに影響されやすくデータ化することが難しいと言われるファッション業界ですが、画像データの蓄積やSNSの普及によってAI(人工知能)によるコーディネート機能が作られ、店舗でもファッションAIの導入によって商品選択をサポートするシステムが導入されようとしているのです。
これならファッションセンスに自信がないという人も、誰に気兼ねすることもなく自由にコーディネートを楽しむことができますよね。これまでファッションに対して身構えていた方も、ぜひ試してみてはいかがでしょう。
記事の中で紹介したLINEアプリはこちら(スマホ専用)
人工知能パーソナルスタイリスト『Riko』: https://line.me/R/ti/p/%40yae6275q
人工知能ショップ店員『Mika』: https://line.me/R/ti/p/%40umq5117y