現在AI(人工知能)はさまざまなところで見られ、私たちの生活を豊かにしたり、快適なものにしたりしています。一方で、このまま成長していくとAI(人工知能)は人間を超えるかもしれない、そうなると人間の脅威になるのでは、と不安に思う人もいますよね。
実際に、AI(人工知能)が人間の仕事を奪ってしまうかもしれない、人間に支配されるのが嫌で暴動を起こすかもしれない、そもそも人間以上の知能を持ったAI(人工知能)は人間を支配してしまうかもしれない、という不安にさせるような情報が飛び交うことも。人工知能は最先端な技術であるため、日々発展し、高度化していくので情報を追い切れずAI(人工知能)は人間を超えるかもしれないという不安が生じるのは仕方ありません。
そこで今回は、AI(人工知能)は人間を超えるかどうか、そしてAI(人工知能)が人間を超えたときにどうすれば良いのかをお伝えします。まずは、そんな対策にヒントをくれる「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」という本とその概要について紹介しましょう。
「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」とはどんな本か
「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」(以下「人工知能は人間を超えるか」)というセンセーショナルなタイトルの本が2015年に出版されました。
「人工知能は人間を超えるか」は序章と終章含めて全8章構成で、AI(人工知能)とは何であるかの説明から始まり、これまで過去二回のAI(人工知能)ブーム、そして現在のAI(人工知能)ブームについて言及していきます。そしてタイトルのとおり、AI(人工知能)は人間を超えるか、社会的な影響はどのようなものかを検討し、AI(人工知能)ブームに一石を投じる本です。
そんな松尾豊氏が書いた「人工知能は人間を超えるか」の大きな目的は「人工知能の現在の実力、現在の状況、そしてその可能性をできるだけ理解してほしい」とのこと。現在AI(人工知能)が可能な上限値を知ってもらったうえで、その成長に期待して欲しい、応援して欲しい、というAI(人工知能)研究者ならではの思いがこもっています。
ここまで「人工知能は人間を超えるか」という本について概要を説明しました。そこで気になるのが、読者はどのような感想を持ったり、影響を受けたりしたかですよね。続いて、「人工知能は人間を超えるか」を読んだ人の意見にまとめ、紹介します。
「人工知能は人間を超えるか」を読んだ意見まとめ
Amazonでの「人工知能は人間を超えるか」の評価は星5つ中4.3つという評価を受けています。(2020年2月24日時点)さまざまな要因が絡んでくるので、この評価をどうみるかは人によってわかれますが、おおむね高い評価でしょう。星の数も星5つが56%と半数以上を占めており、この点からも評価の高い本といえますよね。
高い評価を付けている人の意見では、
「AI(人工知能)の現状と展望がわかりやすい」、
「人工知能に明るくなくても読みやすい」、
「しっかりAI(人工知能)について理解できた」、
といったものが見られ、AI(人工知能)の入門としての読みやすさが高評価につながっていました。AI(人工知能)は人間を超えるか考えるに当たって、まだAI(人工知能)の知識があやふやだ・・・という人にはうってつけの一冊かもしれません。
一方で低い評価をつけている人の意見では
「AI(人工知能)について俯瞰するには役立つが、松尾豊氏の考えには賛同できない」、
「ざっくり知るにはいいが、物足りなかったり、抜けがあったりする」、
「一般書であり専門書ではなく、資格試験を受けたい人やAI(人工知能)についてすでに知識がある人にとってそれほど情報は得られない」、
といったさまざまなものが見られます。あえてまとめると、入門レベルであり、深くAI(人工知能)を知るには足りない、といえるでしょう。
※こちらにも「人工知能は人間を超えるか」のレビューがあります
「人工知能は人間を超えるか」という本について紹介しましたが、結局AI(人工知能)は人間を超えるかどうかが気になりますよね。次に、AI(人工知能)は人間を超えるのか、超えないのかという議論についてお伝えします。
AI(人工知能)は人間を超えるの、超えないの?
AI(人工知能)が人間を超えるか否かの話をするにあたって、シンギュラリティ(技術的特異点)という概念を説明しなければなりません。シンギュラリティとはレイ・カーツワイル氏が提唱した概念で、なんと2029年にAI(人工知能)は人間と遜色のない知能を備え、2045年にシンギュラリティがやってくる、と語っています。
「人工知能は人間を超えるか」ではシンギュラリティとは「人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになる時点」と説明しています。すなわち、AI(人工知能)が人間の手を加えなくとも更なる高精度のAI(人工知能)を生み出せる世界がシンギュラリティです。
※詳しくはこちら
そんなすごいことが起こるので、シンギュラリティ以降の世界は誰にも想像できないものであるだろうと予測されています。確かに、全く想像つかない世界かもしれません。
このように、AI(人工知能)が人間の能力を超える日はいつかやってくる可能性が示唆されていますが、そんな時代が来るのは先の話で今から過剰にドキドキワクワクしたり、不安になったりするには少し気が早いです。
とはいえ、AI(人工知能)が人間を超えた時代に向けて、生き残る術を備えておくべきでしょう。そこで最後に、私たちが生き残るために必要な力についてお伝えします。
人工知能が人間を超えても、私たちが生き残るために必要な力とは
AI(人工知能)が世界を支配し、人間が奴隷となる、という未来もないことはないかもしれませんが、AI(人工知能)が人間を超えたときにもっとも現実的な問題として立ちはだかるのは失業ですよね。AI(人工知能)が労働力として人間の代わりになる、つまり私たちが仕事を失い、路頭に迷うというものです。そんな社会の中で私たちが生き残っていくためにできることはいくつかあります。
その一つとして、AI(人工知能)によって奪われることがないようにスキルを付けたり、キャリアプランを考えましょう。「人工知能は人間を超えるか」では、短期的(~5年)にはAI(人工知能)が既存の仕事に入り込み、中期的(5~15年)にはルーティンでない仕事やクリエイティブな仕事が残されていると述べられており、この段階ではAI(人工知識)の知識・スキルを身に付けることが重要です。
しかし、長期的(15年~)にはAI(人工知能)がカバーできる領域も増えるため、人間にとって重要な仕事は、経営者や事業の責任者のような人間にしかできない大局的な判断の必要とする仕事と、セラピストや営業のように人間対人間の仕事に最終的に絞られてくるのではないかと予想されています。
そして、なによりも大切になるのが、人間とAI(人工知能)が互いに手を取り合って仕事をしたり、困難に立ち向かったりすることです。AI(人工知能)によって一部作業を負担し、人間のリソースを人間にしかできない創造的な作業などに充てることができるため、よりよい社会を作り上げることができます。また同時に、人間の余暇や思案にふける時間も増え、AI(人工知能)と一緒に働くことは人間の生き方の多様化にもつながるでしょう。
「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」という本は、日本の人工知能研究のトップクラスの研究者である松尾豊氏によって書かれたもので、「人工知能の現在の実力、現在の状況、そしてその可能性をできるだけ理解してほしい」目的をもって出版されました。そして実際にAI(人工知能)の入門書として受け入れられ、広く読まれた有名な著作となったのです。
実際にAI(人工知能)が人間を超えるかは断定的なことはいえませんが、2029年にはAI(人工知能)は人間と並び、2045年にはシンギュラリティ(人工知能)と呼ばれるAI(人工知能)が自分を超えるAI(人工知能)を作る時代がやってくると言われています。シンギュラリティに向けて、人間にしかできない仕事や人間対人間の仕事をできるようにスキルアップやキャリアアップを考えていくことが重要でしょう。
いずれにしろ、AI(人工知能)と一緒に生きていくためには私たちがAI(人工知能)についてしっかり知っていく必要がありますよね。ぜひ、これをきっかけに少しでもAI(人工知能)について勉強しましょう。
「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」(松尾豊 2015)
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
プロフィール | 松尾 豊
Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
シンギュラリティ(技術的特異点)とは? 研究者の主張・AIによる仕事の変化